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Sampleレヴュー

■Fleur de Lalita (2018年)

Lalita、またはLalithaと呼ばれるインドの神がテーマに。タイ語でもその意味は魅力ある女性を意味するそう。発売は、2018年の2月を予定しているそうで、濃度はEdPです。

 

 

マグノリア、チュベローズ、ジャスミン、サンバックジャスミン、バニラ、ガルバナム、アンブレット、トンカビーン

展示会で香った際には、ガルバナムの効いたヒヤシンス調のグリーンフローラルだとパッと感じたのですが、肌に乗せてみるとジャスミンとサンバックジャスミンが香りの軸となっていることがわかります。そこにチュベローズのようなニュアンスが重なり、インドと言えば…という3つのフローラルがフェミニンに香るのです。トップではそこにガルバナムのキリリとしたグリーンが広がり、早春に相応しい爽やかで可愛らしいテイストからやがて、少しハニー調のフローラルムスクへと変化して消えていきます。かなり強くムスクが入っていますので、ムスクは持続しますが、案外あっさりとフローラルが消えていくあたり春夏っぽいテイストで、シャンプーの残り香のような香りが肌に残ります。(30/10/2017)


■La Douceur de Siam (2017年)

古き良き時代のシャムに思いを馳せた香りで、彼女はパリに居ればいるほど自分がタイ人であることを自覚するのだと言います。200年前のタイでは、バニラのような甘い香りのするChaloodという樹木の皮を用いて衣服の香りづけをしていたそう。

ローズドゥメイ、フランジパニ、チャンパカ、クローヴ、イランイラン、ヴァイオレットリーフ、サンダルウッド、バニラ、アンバー、アンバーグリス

香りはとても美しいトロピカルフローラルブーケです。グイグイと前に出てこない優し気な女性らしい香りで、トップからミドルではイランイランが良く香ります。イランイラン、プルメリア、ローズが香りの軸にあり、アクセントとしてヴァイオレットリーフが少しあるのかな、と言ったところ。バニラやアンバー、サンダルウッドなどのベースは強くはなく、ハニーフローラルに傾いています。フランジパニやチャンパカは調合香料だと思いますが、イランイランは精油で、ローズも少しアブソリュートっぽい雰囲気を感じます。クローヴがそれとはわからないほど良く馴染んでアクセントとなっています。(18/11/2016)


■Le Sillage Blanc (2017年)

白の残り香というタイトルの香りは、父の残した詩にインスパイアされたもの。恋人の腕に抱かれている間、光に包まれているようだ、と。柔らかな自然の光を表現したものですが、最初のタイトルはグリーンだったのだそう。彼女は僕と同じくかなりのヴィンテージコレクターで、インスパイアされたのはRobert PiguetのBanditだと言うのです。しかもヴィンテージの。

 

 

オレンジブロッサム、ネロリ、タバコ、アルテミジア、ガルバナム、レザー、アンブレットシード、パチョリ、オークモス

往年のレザーノートであるイソブチルキノリンを使用したグリーンシプレレザリーです。Banditよりも軽やかなグリーンシプレで、ユニセックスな香りとなっています。Banditの深みはなく、グリーンシプレの部分を強くしたというか、フローラル感を減らしている雰囲気ですね。光の明るさはBanditにはありませんから。トップから溢れるタバコとアルテミジア、ガルバナムのグリーン。そこに重なるレザーとシプレノート。全てがクラシカルな古き良き時代の面影を感じるものであり、全てがとても良いバランスで香ります。こういう香りが今の時代に新作として発売されるのはとても嬉しいこと。コピーではなくオマージュとして彼女の解釈ですから。(18/11/2016)


■Melodie de l'Amour (2016年)

150種類のホワイトフローラルを合わせたというフローラルブーケ。

 

 

トップ:ガーデニア、チュベローズ、ホワイトフローラル、ハニー
ミドル:ピーチ、エニシダ、スズラン、ジャスミン
ベース:シダーウッド、ムスク

ココナッツとゴムの交じったガーデニアです。とてもワイルドというか、美しいタイプではなく薬草にも似たガーデニア。ガーデニアを作る際にはココナッツが必要で、チュベローズを作るにはゴムのような香りが必要となってきますので、それらがトップでぶつかっているのでしょう。ぶつかるというか、Serge Lutensのようにそれがその花の個性だと誇張したような使い方で、フェミニンで美しいだけでは終わらない個性的なブーケとなっています。ガーデニアにはたくさんのグリーンノートも必要なのですが、そのグリーンノートもトップでココナッツに隠れて香っているのです。グリーンにココナッツとゴム、ユニークな組み合わせですよね。トップでこそ違和感を感じたものの、香りは時間と共に穏やかさを増し、ウッディムスクに溶けていきますので、新しい風を感じるフローラルブーケです。(17/11/2016)


■Issara (2016年)

海軍に従事しているというタイの男性に惹かれ、その彼に香水を作って欲しいと依頼されたことがきっかけで作った香り。彼はタイ南部で、松に囲まれた家で育ち、海が好きだということからパインを使い、海辺で音楽を聴いたり本を読んだりする様子から、Issara(自由)と名付けたそう。

 

 

トップ:パイン、ハーバルノート
ミドル:クマリン、ヘイ、ベチバー、パインニードル
ベース:ムスク、アンバーグリス、オークモス

香りは一応フゼアとしていますが、それほどゼラニウムやラベンダーは香らず、とにかくトップから強くクマリンと干し草が香るのが特徴です。ハーブの香りもあるものの、全てを干し草とクマリンが包み込んでいて、フローラル感があったとすればアロマティックシプレになりそうなほど。でも、シプレと言うほどオークモスも強くはなく、とにかく干し草とクマリン一色なのです。とてもユニークでユニセックスな香りですよ。この香りにはアニマリックなナチュラルアンバーグリスを使用しているそうですが、ヘイとクマリンに隠れて全く存在を感じられないのが残念です。でも、ステキな香りですけどね。(17/11/2016)


■Oudh Infini (2016年)

パリからタイに戻ってウードについて学んだ際、それはチーズのようで深みがあるウードに魅了され、どうしても精油のウードを使用した香水を作りたくなったのだそう。でも、どのように作っても野獣を飼いならすようで難しく、メインに据えるのは難しいと気づき、ローズやオレンジブロッサム、シベットなどで補てんしながらまとめたのだと。

 

 

トップ:ウード、ローズドゥメイ、オレンジブロッサム
ミドル:ベンゾイン、サンダルウッド
ベース:バニラ、ムスク、シベット

とてもワイルドで力強いアニマリックなウードを想像していたのですが、以外にも柔らかで優し気なウードとしてまとめられていました。オレンジブロッサムやローズは欠片のようにウードの中に溶け込み紛れ、やがてはバルサミックなアンバーウッディノートへと変化していきます。でも、このウードの中には野獣のようなアニマリックなテイストが端々に感じられ、少しカストリウムのようなレザー感も漂うものとなっています。決して使いづらいアニマリックではないのですが、ローズウードではないため、男性的に感じられますね。ウード製品の中では395ドルという価格に見合う香りだと思います。(17/11/2016)

 

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