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Sampleレヴュー

■Bois Naufrage (2010年)

フランスの写真家Lucien Clergueの作品、Nakid in Driftwood (1917)にインスパイアされて作られた香り。Lucien Clergueは自然の造形物に女性の裸体を重ねたモノクロの作品が多いようですね。遭難の森と名づけられた香りで、イメージは迷路の森みたいな感じでしょうか。

カロブツリー(エジプシャンフィグ)、岩塩、アンバーグリス

岩塩アコードの中にはベチバー、アイリスアブソリュート、ミント、ネロリ、ヘディオンがあるようです。香りはトップからパーッと香るのがフィグです。ココナッツの効いたフィグ。フィグリーフではなくて果肉の方の香りです。フィグが弾けるように香った後、付けた場所よりも高い位置でミントを感じました。パッと散るように揮発してしまったのでしょう。岩塩っぽいマリン系の部分やアルデヒドは感じられず、ウッディノートもありません。フィグとアンバーは相性が良いので混在一体となって香っているのだと思いますが、ぺったりと甘いココナッツではなく、EdTらしい軽めなフィグになっていますので使い安い香りですよ。ちょっとフィグが強すぎてLucien Clergue作品のような素肌感のあるものではなく、「フィグ」として感じられてしまうのが残念ですが、フィグとして香れば明るいフィグの香りで良いのではないかと思います。(24/03/2011)


■Gardenia Grand Soir (2010年)

2010年春の限定品。ガーデニアとサンダルウッドを核とした香りで、ラベルも更にシンプルになりました。

ガーデニアアコード、オーストラリアンサンダルウッド、マイソールサンダルウッド、サンダロール

サンダロールとはサンダルウッド系の合成香料なのですが、おそらくサンダルウッドの天然香料に加えることで、サンダルウッドをより柔らかくふんわりとさせているのだと思います。香りはStyrallyl acetateの効いたグリーンガーデニアで始まります。styrallyl acetate(グリーンノート)はあまり持続をしませんので、5分ほどで薄れて行くのですが、その後でココナッツが広がり始めてサンダルウッドと交じり合って香るのですが、サンダルウッドは強くはなりません。生花そのもののガーデニアではありませんので、生花らしさを期待すると残念なのですが(生花らしい香りの再現って本当に難しいです)、クリーミーなココナッツフローラルがお好きな方には良いのではないかと思います。特にラストノートはとても綺麗で、このブランドにしては少しクセが少ないので使い安い香りだと思います。(05/01/2011)


■Cuir d'Iris (2007年)

Private Collectionとして作られていた香りが2008年に限定で50mlサイズで発売されました。彼のの得意なレザーノートにウッディやインセンスを加えた香り。

カルダモン、ブラックアイリス、レザー、ウッディノート、ベチバー、Rizophora tannin、アンバー、インセンス

Rizophora tanninとはマングローブのようなヤマヒルギ科の樹木のタールで、植物性のレザーノートの代用ではないかと思います。香りはウッディ系のレザーノートにアイリスが加わるという典型的なこのブランドの良さが満載で、ドライというよりも艶やかさを持っています。アンバーが出ているからかなぁ。フランキンセンスのような香りもしているのですが、レザーノートと重なって織物のようになっています。絨毯というか、毛布というか。温かみを感じる手織りの優しい香りなのですが、レザーがこれだけ出ているにも関わらずユニセックスだよ、と思わせてくれるのが不思議です。


■Psychotrope (2006年)

向精神薬(精神科で処方される薬、睡眠薬とか抗うつ薬等の総称)をテーマとした香りで、モスクワ店のためだけに作られた製品。(2008年秋に限定で世界発売となりました)

シクラメン、ヴァイオレット、ダークジャスミン、ライラックウッド、ブラックレザー、ムスク

香りのメインはジャスミンとレザーで、2つともしっかりと出ています。レザーの乾いた香りにホワイトフローラルとグリーンフローラルが重なるのですが、僕はジャスミンよりもライラックの香りの方が近いかな、というくらいのグリーンフローラルです。パウダリーさも少しあって、レザーととても良く調和しています。とても面白い組み合わせですよ、これ。付けた瞬間は梨をむいたときのようなフレッシュ感がありましたが、次第にレザーに押されて品のある大人の香りになっていきます。レザーがこれだけ出ていると不思議な感じです。レザージャケットの下にライラックの香りを付けている、そんな雰囲気かも。これは通常ラインになっていたら購入しそうな香りです。持続もとても良くて、5時間くらいは平気で持続しそうです。


■Cedre Sandaraque (2006年)

アフリカ原産のシダーウッドと、ヒノキ科の針葉樹サンダラックをテーマとしたウッディにグルマン系の香りを加えた不思議な香りで、Private Collectionの1つ。

ベチバー、アフリカンシダー、サンダラックレジン、シリアル、プラリネアンバー

ドライフルーツやナッツを加えたシダーウッドとのことなのですが、思ったほどのグルマンさは感じないですね。基本はやはりシダーウッドなのですが、他のウッディ系と比較すると甘さが出ているのが特徴です。甘さがあるので艶やかになっているかというとそうではなくて、ウッディオリエンタルという雰囲気かも。アガーウッドっぽいのではなくて、飽くまでもバニラにウッディです。そこに今度はインセンスっぽさが加わってスモーキーで少し甘いウッディへと変化していきます。ミドル以降は随分スモーキーですよ。これも使いこなせるとしたら男性だろうなぁ。


■Marylin & John

マリリンとジョンのために作られたPrivate Creationの1つで、濃度20パーセントのパルファムです。

タンジェリン、シャンパン、アカシアハニー、ハニーサックル、ピーチ、アミリスウッド、レザー、オークモス、タバコ、ムスク

このブランドには珍しくフルーツがドカッと出ています。ピーチにシトラス、そこにこの苦味はシャンパンだったのですね。ハニーノートもちゃんと出ています。甘くジューシーなフルーツというよりも少し渋めにまとめられた香りですので、独自性がとても出ていてプライベートクリエーションであることが理解できます。香りは次第にフルーツが薄れて行き、ベースの渋さにスライドしていくのですが、思ったほどメンズよりにはならずにちゃんとユニセックスに留まっています。二人で使える香り、という依頼で作られたのでしょうね。大きなクセがなくて、使いやすそうな気はしますが、独自性は出ています。


■L'Oiseau de Nuit (2008年)

ナイトバードと名づけられたPrivate Creation No.199の香りで、テーマはモダンレザーとラブダナム。(2008年春に限定で世界発売となりました)

フルーティーフローラル、ベンゾイン、ダバナリキュール、レザー

とても不思議な香りです。確かにフルーティーフローラルがあるのですが、樹脂系の香りにレザーが重なるんです。ラブダナムとはまた違った感じの樹脂系に感じるのですが、少しアーモンドってぽい香りと、ベンゾインが混ざった感じですか。フルーツがひと段落するのも早くて、香りは少し甘さを持ったオリエンタルな香りになっていきます。トップに少しアニマルノートっぽさを感じていたのですが、ミドル以降はなくなって丸く柔らかな香りになってきます。スパイスがほとんどわからないからか、全体的にとても優しい香りになりますね。付けた瞬間、とても強い独創性を感じたのですが、ラストノートは甘いパウダリーでとても使いやすい香りになりました。レザーっぽさは最後にわかりやすくなります。


■L'Ombre Fauve (2007年)

アニマルノートのアンバーをテーマとしたタイトルで、2007年の限定品。アンバーグリスではなく、アンバーと動物という意味なのか動物の影という意味なのかがわかりません。

パチョリ、アンバー、ムスク、ウッディ、バニラ

アンバーグリスの香りでもなく、アンバーそのものでもありません。トップにはびっくりするほどシトラスが入っていて、一見フレッシュに感じるほどです。しかし、すぐにシトラスの下にあったアンバーが出てきて甘くしっとりとしたシトラスアンバーになります。ツンと突き出た攻撃的な濃厚さはなく、これもふんわりとした柔らかさをもっています。やはりスパイスが少ないのかなぁ。パチョリが思ったほど出ていないのも柔らかさを感じる要因かもしれません。ミドル以降はしっかりとアンバーを楽しめる香りになっていますよ。基本、使いやすいアンバー香がメインです。(アニマルノートは全くないです)


■Bois de Copaiba (2006年)

アマゾンの奥地で採取されるコパイバウッドをテーマとした香りで、Private Collectionの1つ。

トップ:オレンジキャンディー、レッドジンジャー、アマレット
ミドル:コパイババーム
ベース:マホガニーウッド、ミルラ、サンダルウッド

基本はやはりウッディなのですが、キャンディー系の要素が入っているのが良くわかるユニセックス系になっています。トップでこのキャンディーっぽさは消えて、一気にウッディオイルに変わって行きます。ドライなウッディではなくどちらかというとオイルっぽい香りを含んだ香りになっていて、ウッディ系のパフュームオイルなのかと思うくらいの香りです。ミルラらしさはあまり出てこないのです(ちょっと含まれたインセンスっぽさはミルラなのかもしれませんけどミルラっぽくはないです)。コパイバとマホガニーが核となっているのかなぁ。 野生を感じるワイルドさをイメージしていたのですが、思っていたよりも大人しい雰囲気です。かといって優等生的ではないのがこのブランドらしさだと思います。

 

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