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Sampleレヴュー

 

 

■Amiral de Grasse (2019年)

タイトルはグラースの提督という意味で、1781年のアメリカ独立戦争時、チェサピーク湾の戦いにおいて、初代大統領となったジョージワシントンを手助けし活躍した提督だったということで、グラースではきっと偉人なのでしょう。オマージュの香りです。海戦だったということでタッセルはブルーに。

シトラス、アロマティックノート、ジャスミン、マリンノート、ケルプ、ムスク、モス

とても鮮やかに広がるシトラスノートで始まります。マリンというほどマリンは強くはなく、品質の良いシトラスがとにかく鮮やかに香るのが印象的。シトラスがスパークした後、香りは余韻を残しつつマリンノートではないマリン風、つまり微かなモスや海藻で表現した海のニュアンスを少し感じるシトラスムスクへと変化していきます。シトラスムスクのコロンは数多く市場にありますが、この香りはハーブが少ないことと、シトラスの品質の良さが違いを感じさせます。(14/08/2019)


■Ava Fleur (2019年)

95%はナチュラルだという、グラースで栽培されている5つのフローラルを組み込んだ香り。フローラルということでタッセルはピンクに。

フローラルノート、クローヴ、バルサム、ウッディノート

トップで印象的にクローヴが弾けた後、香りはフロリエンタルへと切り替わります。香りの軸はチュベローズとジャスミンで、ジャスミンはアブソリュートが少なからず入っているのではないでしょうか。とてもセクシーなホワイトフローラルで、そこにスイートバルサムが重なり、フロリエンタルを形成していきます。クローヴが入ったことで、トップでは少しカサブランカ調にも感じられたのですが、クローヴが抜けるとそれらしさは消えていきます。あまり強く感じられませんが、後はネロリやローズ、アイリスなどがありそうです。とてもセクシーで豪華なフローラルですが、あれあれあれ? これひょっとしてベースにシベットがあるのかも、なんて。(14/08/2019)


■Bourbon V. (2019年)

何も斬新な香りを作り出すことが必要なわけではなく、家族が作りだした最高の香りを共有したいという思いから生まれた、一番高価な440ドルの香り。Vはバニラの意味で、好きか嫌いか好みは別として、品質は間違いないものだよ、と。タッセルはパープルです。

バニラ、地中海のフルーツ、インディアンブロッサム、ホワイトムスク、ベンゾイン、ピンクペッパー、シトラス

バニラをわざわざタイトルにするからには、余程しっかりとしたバニラなのだろうと予想していたら、バニラではなくウッディで始まりました。ピンクペッパーはほとんどわからず、トータルとしてオリエンタルな香りで、フローラルアブソリュートがあるわけでもなく、バニラのスモーキーなアブソリュート感があるわけでもなく、軽めなオリエンタルとしてまとまっています。後半は少しラクトニックなムスクが感じられるようになりますが、バニラアブソリュートのリキュールのようなスモーキーさ、樹脂っぽさがもう少し生き生きと香っていて欲しかったかな。(14/08/2019)


■C-03 (2019年)

叔父のJacques Chabertが作りだしたヴァーベナを軸とした3つの香り。3年かけて数えきれないほど微調整をした3つの香りの中で一番気に入った1つのコードネームがそのままタイトルとなりました。タッセルはヴァーベナ色のグリーンに。

ヴァーベナ、シトラスノート、ホワイトムスクアコード、アンバーグリスアコード、ウッディノート、オールスパイス

残念ながら、ヴァーベナの天然香料はIFRAによって禁止されているので、調香に使われることはほとんどありません。そこで、シトラールという香料に近いものを配置して表現していくのですが、こちらはそのシトラール調の酸味(レモングラスなど)を生かした香りで、ウッディノートやムスクはそのシトラール調の部分を持続させる保留材のようなもの。とてもシャープなレモン香を優しく包み込んで香り続けます。とてもアロマティックで、摘んだばかりのヴァーベナを感じさせるフレッシュなシトラスアロマティックムスクです。(13/08/2019)


■Helichryse (2019年)

グラースでも栽培されているイモーテルをタイトルとした香り。フランス南部の地中海側では、至る所で見ることができるイモーテルを、グラース産の5種のシトラスオイルとハーブに合わせ、フレンチリヴィエラを表現したもの。タッセルは太陽の色ということでオレンジに。

シトラスノート、タイム、ローズマリー、ウッディノート、ムスク

剥きたてのレモンの苦みで始まる、といも明るいトップです。ビターシトラスの品質の良さにうっとりとしていると、香りは微かなローズマリーの匂いを包み込み、ローズマリーとタイム一色に変化していきます。このローズマリーもタイムも精油そのもので、切ったばかりのローズマリーと、料理に使うハーブらしい香りを楽しむことが出来るのですが、ムスクがそれを包み込んでいるため、ふんわりと柔らかく香るのです。オレガノにも似たタイムの香りは、使い方によっては渋くなってしまいますが、シトラスの残り香がタイムを明るく支えていますので、渋く感じることはありません。(13/08/2019)


■Mateo (2019年)

2003年に発売された一番最初の香りCedreをお好きな方であれば・・・というウッディノートの香り。地中海の多年草から得られるエッセンス、つまりシスタスを利用したグリーンウッディムスク。もちろんタッセルはブラウンに。

シスタス、フランキンセンス、アイリス、ウッディムスクアコード

新たな8種の中では一番オリエンタルな香りです。フレッシュで明るいものが多い中で印象的なのはアンバーノートで、それがウッディノートとアイリスを従えて香るため、昔のファッションフレグランス、特にメンズの香りにあったような懐かしさを感じる香りに。これはベースに使われているウッディノートがそう感じさせているのだと思いますが、チークウッドやオイリーなウッディノートが重なっているような印象を受けます。でも、とても出来の良いサラリーマン風ですので、マルチに活躍する1本となるでしょう。(12/08/2019)


■Place aux Aires (2019年)

風の場所、つまりはグラースの中庭を意味したタイトルで、彼らが生まれ育った場所へ敬意を表して作られた、グラースを表現した香り。それは、花畑ではなくもっと人々に密着した場所であり、子どもの頃、毎週土曜日に参加していた市場の新鮮なフルーツたちの記憶から。タッセルは赤に。

ベルガモット、マンダリン、レモン、ピーチ、ネクタリン、オレンジ、フローラルノート、アンバーグリス、ウッディノート、ムスク

これは、本当に品質の良い搾ったばかりのシトラス精油で始まります。シトラス精油はピンキリですが、高価なものはこういう香りなんですよ、と教えてくれる香りです。ほとばしるシトラスにうっとり爽快感を感じていると、香りはそのピール感が薄れ、合成香料のシトラスフローラルへと変化していきます。オレンジブロッサムではなく、シトラスフローラル調のニュアンスで、エアリーなフレッシュフローラルノートが全体を明るくリフトアップしています。ピーチは強く前に出ることなく、アクセントとなって香りを支えています。シトラスを満喫するための香りですね。(12/08/2019)

 

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