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New Horizons / ニューホライズン


<香 調> フロリエンタル
<仕 様> レディース
<容 量> 15ml
<濃 度> Extrait de Parfum

トップ
アルデヒド、スズラン、カーネーション
ミドル
ヴァイオレット、ヘリオトロープ、ジャスミン、ローズ
ラスト
アイリス、ベチバー、アンバー、バニラ、ムスク、サンダルウッド



1941年、第二次世界大戦中のアメリカ女性の気持ちを高める香りとして発売されたと言われたニューホライズン。悲しい戦争の中でも明るく生きましょう、というメッセージだったのかもしれません。

 

 

当初は別のボトルで発売されていたのですが、1955年にこの画像のボトルを大きくした形のEdT(120ml)が発売されていますので、その際にパルファムボトルも変更されたのかもしれません。

 

 

香りは、ヴァイオレットとジャスミンを軸としたようなフローラルブーケとなっていて、そこにカーネーションが重なり、少しフロリエンタル風というか、厚みのあるフローラルが広がります。おそらく当時はアルデヒドのアクセントも強かったのではないかと推測されるのですが、このヴィンテージからはあまり香りません。香りはそこからジャスミンがメインとなり、スイートフローラルがウッディノートの中に溶けていきます。クラシカルというほどクラシカルではないものの、その後の時代につながっていく要素を存分に感じさせてくれる香りでした。

 

 

Rainer氏には春の展示会でまたお会いできると思うのですが、一番上のボトルを差し上げようと思います。大分の小さなオフィスにあるよりも、ブランドが所有している方が価値がありますし、世界中で一番「あるべき場所」ですから。

(25/01/2019)

 

手元にあるEssence Mistは1950年代に、ホリデーシーズンの限定品として発売された6種の香りのうちの1つです。戦後にはエアゾール製の商品がアメリカから持ち込まれたのですが、フレグランスにもエアゾール製のものがありました。香りは6種で、Danger (ピンク)、Surrender (ブラウン)、Refrections (グリーン)、New Horizons (ブルー)、Ricochet (パープル)、そしてDoux Jasmin (不明)。

 

 

当時の記事、広告から120gと67gの2サイズ展開で発売され、120gは3.85ドルだったことがわかります。

 

 

ということで、劣化せずに残っていたエアゾールでスプレーしてみると、第一印象はとても甘いというものでした。しかも樹脂系ではなくバニリン、エチルバニリン系の甘さでオリエンタルというほどのアンバーベースではないスイートノートが広がったのです。そこにクローヴが重なったことで一気に形となりました。それはカーネーションです。トップはカーネーションで始まり、そこからクローヴ調のジャスミンとなって広がったのです。じっくり香るとヴァイオレット調の香りも結構あることがわかるのですが、全体としてカーネーションとジャスミン調のフロリエンタルとなっており、30年代に発売された他の香りよりもずっとモダンになった印象を受けます。作られるようになった合成香料も多いですし、フローラルノートもそうした香料を使うことで透明感が出せるようになったのでしょう。それでもフロリエンタルなカテゴリにあるわけですが、それは90年代ほどの透明感は出せなかった、ということです。

全く古くはなく、この香りであれば今でも十分愛される香りだと思います。このまま復刻してしまえばいいのに。当時はもっと美しくこの香りにアルデヒドが効いていたとしたならば、それはヴィンテージファンを喜ばせる香りになるはずです。

(08/12/2021)

 

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