1921年にNYで生まれたブランドが復活となりました。でも、拠点はアメリカではなくドイツで、Linariの創設者でありオーナーのRainer Diersche氏によるブランドなのです。

Parfums CIROは1889年、ブルックリン生まれのJacob S. Wiedhopfが創設したアメリカのパフューマリーです。この方はドイツ語を話す移民の息子で、ドイツ系なわけですよ。だから、Rainer Diersche氏も注目したのかもしれません。ChanelがNo.5を発売した1921年、ビジネスパートナーと共にFifth AvenueにGuy T. Gibson Companyという会社を立ち上げ、当初はCaronの輸入販売をしていたそうです。1923年、当時知名度もあったフランスの老舗パフューマリーGabillaに製造を依頼し、CIROの名前で発売されたのが、Ptah、Chevalier de la Nuit、Le Chypre du Nil、Maskeeという4つの香りでした。1936年、社名をParfums CIROと変更し、パリのヴァンドーム広場に店舗を構えます。そして1949年アメリカでThe Fragrance Foundation(フレグランス協会)が発足し、Wiedhopf氏はその初代代表に就任。1961年Panoramaを発売するまでに30本近くをリリースし、その香りを最後にブランドは幕を閉じることとなります。そして、2018年春に復活となったのです。

Alexander StreeckとAlexandra Carlinによる調香で、6つの香りでデビューとなったのですが、ボトルがとにかく美しく、デザインに力を入れているのがわかります。また中身も負けてはいません。

ボトルはまず、昔のデザインを踏襲しています。1920年代にすでにこのようなデザインがあり、それが今見ても全然古くないところが素晴らしい。そして、そのボトルは横をぐるりと黒で塗られ、重い金属キャップが収まっています。それを収納するボックスが四角ではないため、専用の収納方法を採用し、特別に作らせたというこだわり。また、ムエットも可愛らしくボトルの価値をしており、ムエットケースまで可愛らしいんですよ。これこれ、このこだわりこそがブランドをラグジュアリーにしていくのです。サンプルまでこだわっていますからね。

Linariは国内にも代理店がありますから、そのうち日本発売もあるかもしれませんよ。というか、Linariよりずっと良いので、是非日本発売して欲しい。

2018年6月現在、サンプルセットの発売はなく発送もドイツとオーストリアだけとなっていますが、つい先日公開されたばかりなのでしばらく待ちましょう。100mlのEdPが158ユーロで発売に。EdPですが、濃度は20〜30%となっています。(27/06/2018)

2018年10月5日、六本木エストネーションで発売開始となり、日本上陸です。価格は25,000円です。(04/10/2018)

彼らの会社名がParfums Ciroのため、ブランド名はそのように表記していたのですが、ブランド名はCiro Parfumsで統一しているようです。(31/08/2021)