パリのマレ地区に店舗がオープンしてのスタートで、タイトルには数字があるのですが、それはテストした数となっています。店内は、調香師のラボをイメージし、香水がどのように作られるのか・・・器具を揃えてデモンストレーションできるスタイルになっています。実際に充填作業もしているみたいです。全8種でのデビューですが、グルマン系が2種、ムスクが2種、ウッディが2種、オレンジブロッサムが2種という少しバランスの偏った8種です。ユニセックスを目指しているからなのかもしれませんが、今後はもう少しバラエティに富んだラインになっていくことでしょう。

全体を試した印象としては、Alberto Morillas氏が立ち上げているMizensirやMaison Francis Kurkdjianと似た感じで、結局今まで良くあったファッションフレグランスと変わらないよね、というラインでした。どれもこれも、洗練されていて美しい香りかもしれない。でも、それ以上でも以下でもなく、楽しませてくれる要素がないのです。実際に展示会ではBenjamin Almairac氏にもお会いし、店舗の限定だというPapyrus Oudを試させていただいたのですが、それはMichel Almairacが2003年に手がけたGucci Pour Hommeの焼き直しでした。つまりは、そういうことなのです。全てが何かの焼き直しに感じてしまう、目新しさというものが感じられなかったのです。Gucci Pour Hommeは廃番の後、プレミア価格での取引がされるようになってしまいましたが、それが今回Papyrus Oudとして発売された理由なのかどうかはわかりません。スタートした8つの香りに2種が加わりましたが、その2種の方が最初の8種よりは良く、更に今後はGardens of Indiaという香りが年内に公開される予定とのこと。ご兄弟も調香師なのですから、同じように学んでご自身の調香で勝負されたらいいのに、彼は親とは違う道へと、コンサルティング企業へと進みバックアップという形で経営側に徹しているようです。ジャーナリストたちの間の正直な感想はフランカーブランドでした。全てが何かに似ている、と。でも、彼らにとってはフェイクを生み出しているわけではないし、父のフォーミュラは財産だとしていますので、フランカーで構わないわけです。ある意味とても潔い。

50、100mlのEdPが95、155ユーロで発売に。50mlが95ユーロなら比較的買いやすいですよね、1万円程度ですから。サンプルは5mlのものが香りを選べる3つセットで15ユーロ、送料は20ユーロで日本にも対応しているようです。また、ブルーベルの取り扱いで月末から伊勢丹での販売がスタートが決定しています。それは、Michel Almairacが手がけた香り、Bond No.9やChloe、Gucciなどの香りをブルーベルが取り扱っているからだそう。GucciやChloeがお好きな方には、良いのではないでしょうか。(16/10/2018)