Sampleレビュー

■ Passion Boisee (2007年)

冷え込んだ地下室で一仕事した後の楽しみは、お気に入りのチェアに深く腰掛け、暖炉の前で温まりながらゆっくりとコニャックを味わうこと。

トップ:マンダリン、ナツメグ
ミドル:ラム、オークモス、クローヴ
ベース:レザー、パチョリ、シダーウッド

この香りはレザー、タバコ系のセクシーなメンズ香です。ラム酒の香りというのもはっきりとはわかりませんが、タバコをくゆらす場の雰囲気にはぴったりで、レザージャケットなんかが似合いそうな感じです。甘さがあまりないのですが、ドライすぎることはなくて、トップからミドルにかけてはクローヴの甘さが出ています。オークモスも出ているのですが、ミドルだからメインになっているかというとそうでもなくて、ベースノートな感じです。逆にシダーウッドの方が強く感じるくらいなんですよ。ラストになればなるほどシダーウッドは強くなり、男性的な強さは薄れて行きます。渋さ、セクシーさが薄れて柔らかく優しいウッディ系の香りで落ち着きます。レザーも薄れてしまうのですが、マンダリンの酸味は少し残っている感じです。暖炉の前で・・・ということで少しスモーキーな香りが入っているんでしょうね。(それをタバコっぽく感じたのかも)


■Terre de Sarment (2007年)

まだ肌寒い春先、18世紀に作られた木の床を踏みしめて外へ出る。シャラント川のほとりの広がる私のブドウ畑は、朝日が大地を温め、霧と露がブドウの香りを漂わせる。ここが、ブドウの大地(Terre de Sarment)なのだ。

トップ:グレープフルーツ、ネロリ、クミン
ミドル:インセンス、シナモン、ナツメグ、オレンジブロッサム、ミルラ
ベース:ベンゾイン、アミリスウッド、バニラ、タバコ

一番変わった系統の香りです。フルーツの甘さにシトラスのさっぱり感、そこにインセンス(というかフランキンセンスっぽい香り)がドライにまとわり尽きます。シナモンやナツメグも香っているのですが、ベースのバニラはなかなか顔を出しません。少し渋みのある樹脂系フルーツという印象で、色で例えると乳白色なんです。濁った黄土色というか。全くこういう系統の香りがないわけではないのですが、あまり多く見られない系統ですよ。メンズかユニセックスかと聞かれたら、メンズ寄りのユニセックスと答えたい香り。基本的にこのブランドはメンズ向けに作っている気がしますから。ラストノートになるとバニラが出てきますが、ベタベタしたものではなくてあくまでも乳白色的な優しいイメージです。


■Esprit de Fleurs (2007年)

グランシャンパーニュ地方のブドウで作られるコニャック。その樽が眠る貯蔵庫に漂う「天使の分け前」と言われるその香りを香水として表現したもの。

トップ:ベルガモット、マンダリン、グレープフルーツ
ミドル:バジル、ペッパー、ピンクベリー、アイリス、ジャスミン、ローズ
ベース:バニラ、シダーウッド、ベチバー

付けた瞬間はシトラスが満開に広がり、あれれ ? シトラスコロンなの ? という雰囲気になります。そこから真っ先に顔を出すのはアイリスです。シトラスの残り香と重なって少しパウダリーなウッディがスパイスに引き締められてキリリと香ります。ウッディも強くはないのですが、優しい雰囲気で香っていますね。シトラスウッディにアイリスを加えた感じもしますが、メンズのシトラスウッディだとグリーン香が強く出ていたりするものが多いのですが、こちらはグリーン香が強くなくてユニセックスな優しい香りになっています。バニラも決して強くは無く、甘さはほとんどないんですよ。ジャスミンやローズもとても控えめです。


■Caravelle Epicee (2007年)

タイトルの意味はおおよそスパイス貿易です。スパイスを積んだ中世の高速船をカラベルと言うそうです。スパイス貿易の船に乗ってコニャックも世界へ運ばれたのでしょうか。船乗りに愛されて広まったのでしょうか。

トップ:コリアンダー、ナツメグ
ミドル:オールスパイス、ペッパー、タイム、ガイヤックウッド
ベース:パチョリ、アンバー、タバコ、サンダルウッド

これはメンズらしいスパイスぱっちりの香り。ナツメグにタバコ、パチョリにアンバーが強いかなぁ。ペッパーも香りますから結構スパイスが効いています。ベースノートがとてもしっかりとしていてトップからかなり強く出ています。ただ、重さはそれほど強くなくてアンバーの甘さがある程度です。タバコのスモーキーな部分も良く出ていて、セクシーな香りになっています。チャイ系のスパイスというかオリエンタルさを男性っぽく変更してタバコなんかをくわえるとこういったニュアンスになりそうな気がします。最終的にはスパイシーなアンバー系に落ち着きますので、スモーキーなアンバーがお好きな方には良いかも、です。

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