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Sampleレヴュー (Collection White)

■Intime Extime (2022年)

英語のintimeではなく、私的な、親密な、という意味のフランス語です。いわば内なる自分なのに対し、Extimeはその逆で、つまりは外面。

 

 

トップ:ホワイトティー、アイリスパウダーアコード
ミドル:フランキンセンス、バニラ
ベース:イタウバウッドアコード

リナロールたっぷりなホワイトティーというよりグリーンティーの香りで始まり、一時期大流行したグリーンティー系を思い起こさせた香りが、静かにウッディムスクへと変化していきます。流行系で分かりやすい香りだと思ったトップから一転、彼らしい落ち着いたパチョリの効いたウッディノートへと引き継がれていく。それでも、このホワイトコレクションは比較的誰もが使いやすい香りを目指しているのかとても軽やかで、彼のラインの中では最初の1本に良さそうです。(23/08/2022)


■Dialogue With Venus (2022年)

Pierreが生まれた1977年に、Helmut Newtonが毛皮のヴィーナスと題した写真展を行い、起用されたCharlotte Ramplingが一躍有名になりました。猫のようにセクシーな彼女のイメージを、パチョリが効いた70年代の香り、特にFidjiへのオマージュとして作られた香り。

 

 

トップ:バニラ、シースプレー
ミドル:イランイラン、ピーチ
ベース:サンダルウッド、ホワイトムスク

あれ? 香りを間違えたかと思ったほど、バニラとココナッツの香りで始まりました。でも、上記の調香を見ると納得です。最初からバニラが効いた香りが広がり、煙幕のように広がったバニラココナッツの奥からフローラルノートが見えてくるのです。マリンノートではなくシースプレーはソルティなアクセント。それでもイランイランにココナッツとバニラとなれば、それはもうトロピカルなのです。特に可愛らしいピーチもアクセントとなっていますから。でも、トータル的にはこの滑らかなココナッツピーチの香るスイートムスクは彼女のセクシーな素肌のイメージにつながっていくのでしょう。全くクラシカルな要素はなく、夏らしいトロピカルなスイートフローラルムスクです。(22/08/2022)


■Oshiso (2022年)

OはEauでありOde(抒情詩)の最初の音だから、とShisoと組み合わせたタイトルです。Aqaysosがベストセラーであることを用いて、その中のスパイシーウッディノートにフレッシュなパウダリーノートを重ねたもの。

 

 

ベルガモット、シソ、アップルブロッサム、ヘリオトロープ、ウッディノート

シソの香りが顕著にする香水というのはほとんどありません。それはシソの精油の半分以上を占めるPerillaldehydeがアレルゲン性の成分であり、香水への使用は0.3%までと規制されているためです。これは100mlの香水の中に0.3gまでしか使用できないということであり、仮に20%のExtrait de Parfumだった場合、処方中の0.015%しか配合出来ないということを意味しています。精油中に50%含まれていた場合、0.03%までの配合が可能です。もともとパワフルな香料ではありますが、それでも微量しか使えない香料です。それをどのように増幅させたのか、アレンジしたのか楽しみに香ると、想像の斜め上を行くナッツで始まりました。これはパウダリーでありつつ、ナッツ調の香りが強く爆発するのです。Eauというよりグルマンなほど。そのパウダリーなナッツ感がウッディノートに支えられ、少し香ばしいグルマンウッディムスクへと変化していくのです。シソはどこへやら・・・な香りですが、ある意味独特な感性で作られた香りだと感嘆です。(08/08/2022)

 

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