*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Sampleレヴュー

 

■Blanc Ciel (2019年)

鳩をテーマとした香り。鳩と言えばピジョン(pigeon)でしょう。と思ったら、彼女はいやいや、これはドーヴェ(dove)なの、と言うのです。え? 鳩じゃないの? いや、ドーヴェなのよ。これは帰国してから初めてその意味を知りました。平和の象徴となったり、飼育されている鳩(ホワイト)はドーヴェ、よく見かける野生の鳩(グレー)がピジョンなんですね。ピジョンは少し悪い意味にも使用されますが、ドーヴェはそうではないという区分けがあり、そこにこだわりがあったわけです。某有名ブランドの石鹸ダヴはこのDoveから名付けられたのですね。何とユニークな!! 嵐の後、雨が止み晴れ渡る空に飛び立つ白い鳩。それが雲と同化していく・・・という平和を祈る鳩の香り。調香はBertrand Duchaufour氏。

 

 

アジアンペア、アンブレット、アイリス、ミモザ、サンダルウッド、ホワイトムスク、ベチバー

これは、ムエットで香った際は白のイメージだよね、とストレートに感じられたのですが、とてもユニークな香りで始まります。それは、少しメタリックにも感じられるフルーツノートにカラメルのような甘さが重なっているから。それが今度は青空をイメージしたようなオゾン系や湿布香を感じるようになり、今まで香ったことのないユニークな香りへと変化していきます。青空の湿布香。そしてそれを支えているのはスイートウッディムスクなのです。アイリスやミモザはパウダリーさを出す大切なエッセンスですが、そこが全面に出ているわけではなく、全体としてふわふわとした湿布香になっていくのです。Bertrand Duchaufour氏ならではの調香でしょう。(25/06/2019)


■Joyeuses Tropiques (2019年)

カラフルな南国のオウムをテーマとした香り。熱気に満ちたジャングルで、オウムが飛び立つ姿は、花火のようにカラフルで美しいのだそう。調香はBertrand Duchaufour氏。

 

 

パイナップル、キンカン、マンゴー、ペティグレン、チュベローズ、トロピカルリーフ、チョコレート、パチョリ

これは分かりやすいトロピカルです。キンカンやマンゴーはグレープフルーツのような苦みがあり、それらがパッションフルーツへとつながっていくのですが、全てがトロピカルさを感じさせてくれます。そのトロピカルフルーツの余韻を柔らかく感じながら、香りは少しオリエンタルなウッディムスクへと変化して落ち着きます。チョコレートやパチョリはオリエンタル感、特にインドネシアなど南国のそうした雰囲気を感じさせるものだと思うのですが、トロピカルノートを押しのけるほどの強さではなく、オリエンタルというよりもスイートウッディムスクと言った方が伝わりやすいラストノートとなります。(25/06/2019)


■Parade du Soir (2019年)

孔雀をテーマとした香り。孔雀と言えばインドだと、スパイスを多用し、メタリックなブルーを作りだしたそう。そこに夜のイメージの香りを重ね、キラキラと輝く豪華な香りにしたのは、スパイス使いのBertrand Duchaufour氏。

 

 

カルダモン、ジンジャー、ブラックペッパー、アイリス、プラム、イランイラン、オーキッド、ミルラ、サンダルウッド

確かにスパイスは香っているのですが、それがスパイシーに香っているわけではなく、柔らかな甘さに包まれています。アイリス、バニラ、フルーティーなプラム、そして少しクリーミーな甘さの中に溶けていきます。スパイスの中で一番強いのはカルダモンなのですが、カルダモンはそれほど持続をせず、スイートウッディムスクへと変化していきます。フローラルノートやその他のウッディノートなどもあるのでしょうが、1つ1つはあまり際立つことなくベージュやアイボリーに近いイメージの香りとなって終わります。孔雀のキラキラしたイメージではなく、インドをテーマにしたサンダルウッド系という印象ですね。(25/06/2019)


■Reflet Rose (2019年)

フラミンゴをテーマとした香り。フラミンゴの羽の色を夕焼けと服の色に合わせ、ピオニーに紐づけて表現したフラミンゴピンクの香り。調香はAnne-Sophie Behaghelです。

 

 

グレープフルーツ、ピンクペッパー、ピオニー、ローズ、ネロリ、アイリス、ヴァイオレット、アンブロックス

あぁ、これはアンバーグリスノートが強く出た香りです。もう、それを感じてしまうとそれしか感じられないほどのインパクトなのですが、アンバーグリスにピオニーを重ねた香りは今までなかったのではないでしょうか。トップでは精油感のあるグレープフルーツが鮮やかに弾け、そこから香りはアンバーグリスフローラルへと切り替わります。甘さのないアンバーグリスですから、ピオニーが少しスパイシーでドライに感じられるほどで、その後はピオニーからヴァイオレットへとスライドし、フロリエンタルとなって終わります。でも、この香りのユニークなポイントは、グレープフルーツのニュアンスが持続する点です。ピオニーの香料はグレープフルーツと相性が良く、少しビターなテイストをもっています。でも、それ以外にもビターなシトラス系香料を加えて持続を伸ばしているように感じられるのです。(24/06/2019)


■Tapage Nocturne (2019年)

真夜中のその後・・・ということでフクロウがテーマとなりました。音もたてず飛び立つフクロウを、ウイスキーコカ・コーラの香りでナイトラウンジへとつなげ、新たなウードの形としたもの。調香は調香はAnne-Sophie Behaghelです。

 

 

ライム、ジンジャー、リツィアクベバ、オスマンサス、コーラ、コーヒー、ウード、ラム、タバコ

5つの中では一番個性的な香りで、ニッチなフレグランスファンに支持されそうな香り。それはパチョリやウードにタバコが重なり、スモーキーでスパイシーで、くぐもった煙の中にいるような香りだから。ナイトラウンジというよりタバコの煙が蔓延するクラブのイメージですが、コカ・コーラのスパイシーな部分がタバコと重なるミドルから、タバコに焦点がすーっと合い、オリエンタルなタバコへと変化していきます。これはクールだ。(24/06/2019)

 

<Plumages Parfums Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜