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Sampleレヴュー

 

■Corpi Caldi (2019年)

火照った身体というセクシーなタイトルは、晴天の休日を過ごす、夏の日の香り。

トップ:プラム、ガーデニアリーフ、グレープフルーツ、ミント
ミドル:イランイラン、ローズドゥメイ、アイリス、オレンジブロッサム
ベース:オークモス、バニラ、ヘリオトロープ、パチョリ

ガーデニアリーフとわざわざリーフであることを記載していますが、グリーンノートが印象的に広がるのではなく、ココナッツ調の甘いガーデニアが軸となって広がります。いわゆるフルーティーフローラルに少しグルマンが足されたような香りで、トロピカルカクテルと言われればそうなのかな、という夏の香り。取り立てて個性があるわけではないのですが、このブランドがある場所はマリンリゾート地であり、最初の香りがココナッツだったことを思い出しました。ひょっとしたらサンオイルのココナッツ香が、彼らにとっての夏の印象であり、とても馴染みのあるものなのかもしれません。(19/11/2019)


■Toscanello (2017年)

トスカネッロとは、イタリアで生産され4ヶ月熟成させた葉巻のこと。だから、香りは熟成させた葉巻の香りに。しかも、イタリアらしくそこにコーヒーを合わせたのが特徴でするコーヒーの香りが近年のブームですから。

 

 

トップ:ココア、コーヒー、ミルク、ラム、ベルガモット
ミドル:タバコ、ティー、ヘイ、ハニー
ベース:ムスク、アンバー、シダーウッド、バニラ

葉巻を知らなくても、うっとりとしてしまうほどのグルマンです。特にリキュール感が強いグルマンで、トップからビターチョコレート、とろりとしたハニーと共にラム酒が香るのです。チョコレートというカカオのクッキーっぽい部分が薄れるとタバコらしさが感じられるようになるのですが、そこも甘く苦い渋めなトーンでまとめられていますので。グルマンだけど、美味しいというには少し考えてしまうような媚薬系のグルマン。ただ、ちょっとラストノートとして肌に残る香りがこれまた流行系のアンバーウッディ、アンバーグリス系の香りで、とにかく頻繁に使われるため、僕にとってはもうおなか一杯な香りです。

チョコレートが大好きだった子どもが、大人になってコーヒーの味を覚え、やがてお酒と共にタバコや葉巻へと惹かれていく。そんなイタリア人の一生を凝縮した香り。(18/10/2017)


■Vetiver Moderno (2017年)

彼らはTorre of Tuscanyという別ブランドがあるのですが、そちらの方に同じタイトルで同じ方による調香の香りがあります。ということは、ボトルリニューアルを機に一緒にしたということなんでしょうね。

 

 

トップ:レモン、グレープフルーツ、ストロベリー
ミドル:カーネーション、スズラン、ラベンダー、ジャスミン、ローズ、アイリス
ベース:シダーウッド、ベチバー、ホワイトムスク、アンバーグリス

香りはストロベリーが全く分からないくらいのスイートウッディを軸とした柔らかな香りで、トップではシトラスとスパイスが弾け、すぐにカーネーション調のフローラルが顔を出します。でも、そこからはスズランを軸としたフローラルが軽やかなウッディノートを包むのですが、甘さが後を引かずムスクと共に柔らかなベチバーを包み込んでいるのが印象的でした。ベチバーは精油ではなく単品香料を使用しており、あまり土臭くなくどっしりとした香りではありませんので、エレガントなユニセックスになっていますよ。ハニー調のベチバーが残る、モダンというタイトルがぴったりな香りだと思います。(18/10/2017)


■Mythical Woods (2016年)

調香はArturetto Landiで発売された香り。初期の香りたちも他の香りたちもおそらく調香は彼だと思います。この香りの発売を機にボトルがリニューアルとなりました。

トップ:グリーンノート、サフラン
ミドル:サンダルウッド
ベース:アンバー、ウード

展示会で香った際は、あー、ウッディね、ととてもシンプルな香りに感じたのですが、肌の上では少し香ばしくも感じるウードがサンダルウッドの中に感じられます。トップのグリーンノートはグリーンとするほど強くなく、薄っすらとした軽やかさを感じる程度のもの。サフランも柔らかさを感じる程度のものでレザーというほどではありません。合成香料でなければ表現できないウッディノートで、少し金属的な冷たさを感じるものとなり、アンバーウッディノートとなって終わります。(26/12/2016)


■Prima Rugiada (2014年)

地中海の庭をイメージした最初の露というタイトルで、Bertrand Duchaufourによる調香が話題となりました。ローンチパーティーには彼も参加していましたから。

クミン、ブラックペッパー、カルダモン、ミント、オレガノ、アルデヒド、ガルバナム、トマトリーフ、プラム、レモン、ベルガモット、オールスパイス、レッドベリー、スズラン、シクラメン、ローズ、ジャスミン、ヴァイオレット、フリージア、アクアノート、オークモス、パチョリ、アンバー、ガイヤックウッド、アトラスシダーウッド、ベチバー、ファーバルサム、ムスク、

これはまたとても彼らしいテイストです。トップではとてもアロマティックなグリーンノートが香るのですが、スパイスあり、ミントあり、アルデヒドの欠片あり、そしてトマトリーフのグリーンノートが強く香ります。スパイシーなアロマティック香が一通り香ると、ごくごく微量なアクアノートを感じるアロマティックウッディへと変化していきます。朝露の清々しさをミントとスパイスで爽やかに表現した、というものでしょう。いろいろな香りが感じられるのに全体として一つにまとまっていて、とても楽しいユニセックスフレグランスです。(26/12/2016)


■Versilia Aurum (2010年)

Aurumとはラテン語でゴールドの意味で、同時発売されたもう一つはプラチナというタイトルでした。

トップ:オレンジ、ストロベリー、プラム
ミドル:ローズ、ジャスミン、チュベローズ、スズラン、イランイラン、アイリス、ヘリオトロープ、オーキッド
ベース:バニラ、トンカビーン、ペルーバルサム、トルーバルサム、サンダルウッド、シダーウッド、ホワイトムスク、アンバーグリス

夏の夜に合うスイートノートということで、ゴールドを甘く仕立てた香り。トップからバニラが溢れ、全てをバニラが覆い隠してしまっていることが少しシンプルすぎて残念なのですが、時間と共に少しずつユニークな部分が見えるようになってきます。それは、ナルシスに使われる少し薬品っぽい臭み成分だったり、スモーキーにも感じる香りだったりするのですが、フローラルノートの中ではジャスミンが一番強いです。その他は、正露丸を彷彿とさせるガイヤックウッド系の成分でスモーキーで少しスパイシーな香料があるのですが、それに近い雰囲気をバニラの中に感じます。確かに甘い。甘いけれど単純なバニラではなく、時間と共にフローラルノートを楽しめるようになりますよ。(26/12/2016)


■by night - Black (2009年)

ビーチに夕陽が沈んだ後、暗闇が訪れる・・・という、テーマはフォルテ・デイ・マルミの夜。

トップ:ビターオレンジ、ライム、マンダリン、フィグリーブス、ジュニパー、ラブダナム、バジル、ラベンダー、サイプレス
ミドル:ジャスミン、パインレジン、マテ、フランキンセンス
ベース:シダーウッド

あれ? これは精油だけで組める? と思えるピラミッドですが、香りそのものも精油感の強いものとなっています。ビターオレンジが精油そのままに香り、すぐにそこにアロマてっぃくなジュニパーやサイプレスが重なり始めるのです。その奥に見え隠れしているのはフランキンセンスとシダーウッド。時間と共にファーバルサムのようなスイートビターになるあたり、Annick GoutalのLes Nuits D'HadrienやNuit Etoileeを彷彿とさせるものに。(23/12/2016)


■by night - White (2009年)

Blackとペアで発売された香りなのですが、陰陽のような夜の二面性を表現したわけではなく、Blackがメンズ、Whiteがレディースという意味なのだと思います。BlackのサンプルにはFor Menとありますから。でも、どちらもユニセックスな香りなのですが。

トップ:ベルガモット、レモン、レモンペティグレン、ブラックペッパー、コリアンダー
ミドル:オレンジブロッサム、ジャスミン、ローズ、ヴァイオレット、オーキッド
ベース:ベンゾイン、バニラ、トンカビーン、ヘリオトロープ、ホワイトムスク、サンダルウッド

バニラの効いた、少しクリーミーなフローラルがトップから広がります。1つ1つの香りはどれとして明確にはならず、全体として1つのフローラルブーケとなっているため、クリーミーなフローラルとしか表現できず、何だか伝えづらい、言い換えればわかりづらい香り。少しパウダリーで甘いベースノートが肌に残りますので、ココナッツジャスミンを少しパウダリーにした感じ、というと伝わるかなぁ。(23/12/2016)


■Tirrenico (2008年)

浜辺を散歩しているイメージの香りで、タイトルはティレニア海のこと。

トップ:バルサムノート、アクアノート、ウッディノート、ビターオレンジ、ベルガモット
ミドル:ジャスミン、エレミ、フェンネル、バジル、ドライフルーツ
ベース:オークモス、サンダルウッド、ホワイトムスク

ココナッツと共に海の香りと言えばマリンノート。こちらはマリンノートを強く打ち出した香りです。マリンノートがメインではありますが、そこに加わっているのはフェンネルやバジルのスイートアロマティックな香りで、突き刺すような刺激的なマリンノートではなく、ほの甘いハーブに包まれたマリンノートとなっています。好き嫌いが分かれるマリンノートですが、意外や意外、これなら使えるかも、という方も多いのではないでしょうか。現地での思い出に購入するとぴったりだと思います。(22/12/2016)


■Vittoria Apuana (2008年)

フォルテ・デイ・マルミの海岸近くにある通りの名前がタイトルとなりました。表現したのは太陽と海の香り。

トップ:オレンジ、タンジェリン、ビターオレンジ
ミドル:ココナッツ、ティアラフラワー、バナナ
ベース:バニラ、アンバーグリス

世界共通な海の香り。でも、リゾートではマリンノートではなくてココナッツだったりもします。それはサンオイルの香りでもありますから。ということで、一言で言うならばココナッツバニラ。フルーツはどこ? と探さないとわからないほどココナッツがメインとなっている香りです。バナナがもう少し前に出てきていたら、珍しいテイストだったのかもしれませんが、いわゆる南国系というくくりになってしまうような気がして残念です。(22/12/2016)


■Vaiana Dea (2013年)

VaianaはForte dei Marmiにあるストリートの名前であり、女性の名前でもあります。Deaは女性や女神という意味ですから、2つの意味をかけたんでしょうね。調香師の方が生まれた場所だ、ということで子どもの頃の思い出の香りをまとめたものに。

トップ:アルデヒド、ベルガモット、ココナッツ、ミルク、ピーチ、ヴァイオレットリーフ
ミドル:ココア、ハニー、ジャスミン、スズラン、チュベローズ、イランイラン
ベース:ベンゾイン、オークモス、サンダルウッド、バニラ、ベチバー、ホワイトムスク

シトラスにアルデヒドとココナッツという異色な組み合わせがそのままトップで香るのですが、基本的にはクリーミーなフローラルで、少しトロピカル調にも感じます。ココナッツとミルクは同じラクトン系の香料ですし、ピーチも同じです。更にはサンダルウッドとチュベローズにピーチやココナッツがあるわけですから、ウッディノートとフローラルをココナッツとピーチが取り持ってまとめているというのが軸になっている香りで、微かに感じるヴァイオレットリーフがグリーンを、ハニーやイランイランがまろやかな印象を与えています。それ以外の香料たちはそれを感じるほど強くはなく、特にココアの香ばしい部分が感じられません。イタリアの中でも高級リゾート地ですから、少しトロピカル調のココナッツの香りというのが街の印象なのかもしれませんね。画像はオフィシャルのものなのですが、これが当時の様子なのだと思います。(25/11/2013)


■Versilia Vintage

無くしてしまった感情、昔の思い出等を蘇らせる香りとして2つで1つとなる新しいライン。VersiliaとはForte dei Marmiを含む地方の名称です。Forte dei Marmiだけではなくて、もう少し地域を広げて捉えよう、という香りたち。

1、Boise (2009年)

1970年代半ばのVersiliaは今よりもっと穏やかで隠れ家的なリゾート地だったそうです。ヴァカンスにわくリゾート地でありながら喧騒とは離れた場所で、ゆったりと過ごす時間。晴れ渡る空を感じながら松の木陰で涼むひと時・・・。

トップ:ビターオレンジ、ベルガモット、ベチバー
ミドル:ラベンダー、ブルボンゼラニウム、ハニー
ベース:テキサスシダーウッド、パチョリ、トンカビーン、エレミ

つけた瞬間は爽快にビターオレンジが香り、そこから柔らかなシダーウッドに変わっていくシトラスウッディの香りです。ラベンダーとゼラニウムのフゼア香はそこまで強くはないので比較的ユニセックスで使えそうな柔らかなウッディノートです。ベチバーの香ばしい香りも全くないのですが、微かにベチバーの残り香を感じられます。シダーウッドにトンカビーンとハニーノートの欠片にムスクが重なる感じの香りです。もうラストノートはフゼアではなくてテンダーウッディと記載した方がニュアンスが伝わるのではないかと思う香りに。甘さは強くなく持続もムスクとウッディノートだけで始終穏やかであることがテーマである「ゆったりと過ごす時間」に合致しているのですが、シダーウッドではなくてパインニードルとかパインウッドにすればもう少し「松の木陰」になったのに・・・なんて。(07/01/2010)


2、Ambra Mediterranea (2009年)

1960年代、小さな島々に小旅行をしていました。それは新たな静けさをもとめての小旅行でフェリーに乗って地中海に繰り出したのです。小さな港からは花々と美しい香りたちが漂ってきます。当時、旅行と言えば船だったのです。港から港へ強い好奇心と豊かな創造力を持って繰り出す楽しかったあの頃の記憶。

トップ:オレンジ、コリアンダー
ミドル:イランイラン、ジャスミン
ベース:アンバーグリス、ベンゾイン、トルーバルサム、シダーウッド、パチョリ、フランキンセンス、バニラ、ホワイトムスク

付けた瞬間に飛び出したのはバニラとベンゾインだったのですが、そこから押しのけて出てきたのが強いイランイランとジャスミンという黄金コンビでした。この2つのフローラルノートがベンゾインやバルサムと重なることでミルラっぽいアンバー香を成しています。精油感ばっちりでミドル以降は甘さを持ったフランキンセンスも顔を出すようになります。時折焦げたようなベチバーっぽいウッディノートも感じられるのですが、やはりメンズというよりもユニセックスになっています。ギャルソンのインセンスシリーズやHeeley等と比べるととても穏やかさというか「ゆったりと流れる時間」を感じさせてくれる香りで、SMNのポプリをアンバーとムスクで包んだようなイメージなのですが、最後はいわゆるアンバー香になって落ち着きます。(07/01/2010)

 

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