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Femme / ファム


<香 調> フルーティーシプレ
<仕 様> レディース
<容 量> 15ml、7.5ml、30ml
<濃 度> P、PdT、EdP

トップ
ベルガモット、クミン、ピーチ、プラム、ローズウッド
ミドル
ローズ、クローヴ、ジャスミン、イランイラン、アイリス
ラスト
オークモス、バニラ、パチョリ、ベンゾイン



1943年制作。マルセルロシャスが2番目の奥さんのための香水を作りたい、と言う心から生まれた香りで、彼の最初の香水ではありません。3番目くらいのようですよ。調香はEdmond Roudnitskaなのですが、1989年にOlivier Crespがリニューアルしています。(調合が変わりました)後年にヒット作を次々生み出すEdmond Roudnitskaですが、この香りが2つ目でまだまだ若かりし日のことだったようです。マルセルロシャスが彼にあった時、彼は調合香料を作り出す仕事を香料会社でしており、このファムの原型が作られていたのだそうです。たまたま、Edmond Roudnitskaが自身で趣味のために作り出していた香りと、マルセルロシャスが望んだイメージが合致した、ということなのです。すでに調合されていた香りにほとんど手を加えることなく発売したそうです。当時、Parisは戦火の中だったため、使用する香料もボトルも限られていたようですが、1944年12月に限定品として発売されました。

15年後にOlivier Crespが再調香することになった際、 病に伏せていたEdmond Roudnitskaがレシピを渡さなかったことから、 Olivier Crespは自身の鼻だけを頼りに現代風に再調香せざるを得なかったそうです。上記の左のポスターは1981年のものなのですが、リニューアル後もボトルはこの形で、パルファムのキャップは透明です。

当初のものはムスクやサンダルウッドがあったようですが、リニューアル後はベルガモットを強く入れたフレッシュな香りになったそうです。手元のものがいつの時代のものにのかはわかりませんが、驚くほどどっしりとパチョリの効いたヴィンテージな香りです。年代を経てパチョリが強くなったような香りは多いと思うのですが、もとともはもっとフレッシュだったのでしょう。ピーチやプラムのフルーティーさよりもパチョリの方が強くて、ヴィンテージのMitsoukoに近い雰囲気を持っています。フェミニンな奥ゆかしさを持っており、オリエンタルに憧れた時代に大ヒットをしたのがわかります。とにかく、パチョリがどっしりなのですが、柔らかくフェミニンに感じるのがおそらくフルーツとフローラルの名残なのですね。

新品だったらもっともっとフルーツが綺麗に香っているのだと思いますが、古くて香りが崩れてしまっていても尚、楽しみたいと思わせてくれる香りです。いつかきちんと新しいEdTやEdPと比較して追記しないと、です。

(09/09/2010)

 

Parfum de ToiletteとヴィンテージなEau de Parfum intenseを追加です。何故古いものの方がEdPという表記になっているのか時代がわからないです・・・。1965年の書籍に登場しているアトマイザーなのですが・・・。1プッシュどれをとってもやはりフルーツ香は少なく、基本的にはどっしりと渋いクローヴ、パチョリ、オークモスがメインとなっており、奥座敷の絨毯のような雰囲気を持っています。これをフルーティーと呼ぶにはあまりにかけ離れていて香る方にイメージを伝え切れていません。確かにフルーツは香りますが、飽くまでも端や奥に微かに香るだけで料理で言うスパイスみたいな程度のものなのです。そのフルーツをかき消すかのようにカレー粉っぽいクミンの香りがしていてとても美しいとは言いがたい香りになっています。妖艶ですが、美しくはありません。クミンが出ているために腋臭臭と感じる方もいらっしゃるのかもしれませんね。アレキサンダーマックィーンのキングダムがお好きな方には良いのではないかと思います。もう少し顕著にフルーツが出ていれば良かったのですが、決して使い安い香りとは言えない渋さを持った香ですよ。ただ、でもMitsoukoやMiss Diorと比較するとちゃんとフルーツがあることが分かりますので、問題はクミンなのでしょう。一筋縄ではいかない危険な妖艶さを持った香り。Eau de Parfum intenseはPdTよりも濃度が高いと思うのですが、1番さっぱりとしていることに驚きました。ひょっとして昔のものはもう少し控えめなバランスだったのでしょうか?

(25/11/2010)

 

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