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Sampleレヴュー (White Collection)

■Verdant Delirivm (2022年)

満を持して発売されたのは、White Collectionのグリーンでした。実に6年ぶりの新作です。

 

 

ベルガモット、ユズ、ジャスミン、ローズ、ミント、オレガノ、マダガスカルバニラ、ブルボンバニラ、ベチバー、

グリーンならはグリーンでしょう、とどれほど青さが際立つのかを楽しみにスプレーすると、透明感のある合成香料のグリーンノートがフルーツと共に弾けました。シトラスノートと相性の良いグリーンノートで、葉のグリーンでなく、かといって草っぽいグリーンでもなく、シトラスとの相性が良いグリーンノート(Tripral)なのです。そこにミントが重なり爽快に弾けるのです。フローラルノートはジャスミン、ローズどちらもとても控え目で、ベチバーを軸としたベースに支えられ、ゆっくりとグリーンウッディへと姿を変えていきます。少し合成のグリーンノートが強く感じられますが、ここまで強く香る香水はなかなかないため、ユニークなスタイルに感じられるはずです。(27/06/2022)

 

 

彼の大好きなモチーフ、アリの巣(インスピレーションの源のような意味合いだと思います)・・・から生まれたというホワイトコレクション。キャンバスに絵を描くように、カラフルなシリーズとなっています。ルールを一切設けずに作り出していくシリーズで、ウッドキャップは廃材のリユースだそう。価格は100mlのEdPが145ユーロなのですが、Oud de Burgasのみ295ユーロとなっています。


■Eau Dada (2015年)

第一次大戦中の1916年、チューリッヒで始まった芸術運動、ダダイズムにインスパイアされた香り。ダダイズムに関してはこちらがとても分かりやすくまとめられています。ダダムーヴメントの創設者であるTristan Tzaraが7つのマニフェストを出版したけれど、これは8つ目のマニフェストだそう。

オレンジブロッサム、サフラン、ラブダナム、トンカビーン、パチョリ、バニラ、フランキンセンス、ウード

肌に乗せた瞬間からたっぷりのパチョリが広がります。精油そのままのパチョリがバニラやウードを重ねたことで深みを増し、サフランやクマリンがあることでくすんだレザー感が加わっています。パチョリがこれだけ強く香るとなるとかなりの量を入れていることになるのですが、パチョリをしっかり軸として感じさせつつ、パチョリだけではないオリエンタルに仕立てていますので、シングルノートの香りではありません。混沌とした時代の、特に反戦の中で始まったダダイズムを表現するには、こうしたちょっとダークで歪んだ雰囲気のものが似合うと僕も思います。僕ならば少しだけ赤を連想させるものを入れそうですが。(16/06/2016)


■Egnaro (2015年)

1992年の暑い夏、ヴァレンシアからパレルモへ地中海クルーズをした思い出。途中にバルセロナ、マルセイユ、ジェノヴァ、ナポリなどに停泊した子どもの頃の記憶を香りにしたようです。オレンジがあるからかカラーはオレンジに。

ヴァレンシアオレンジ、アニス、ジンジャー、カラブリアンベルガモット、シベットアブソリュート、サンダルウッド、アンバー

爽快なオレンジがジューシーに香ると期待していたら、思いのほかアンダートーンなシトラスがゆっくりと香りだしました。シベットが臭みを感じるほどではないもののアクセントとなり、シトラスアンバーな香りとなっているのです。調香だけ見るとクリスマスの雰囲気ですが、クローヴがないのは大きな違い。シトラスの精油は皮の苦みもあって絞りたて感が強く、少し持続の長いスイートオレンジをオリエンタル調に楽しめる香りですよ。系統としてはやはりシトラスアンバーではありますが、僕には最後までシベットが感じられるのです・・・。(16/06/2016)


■Miss Betty Vair (2015年)

ベチバーをテーマにフェミニンにしたかったのか、幸せを願う優しい女性像をイメージしたベチバーだそう。

ナツメグ、パチョリ、オークモス、ベチバー、ホワイトムスク

フェミニン? と首をかしげてしまいましたが、香りは精油ではなく単品香料を使用したメンズっぽいベチバーです。シプレというよりもどことなくメンズのファッションフレグランスにありがちな軽やかさを感じるのですが、チークウッドのような調合香料を使用しているのかもしれません。系統的にはCreedやGuerlainのメンズのベチバーを想像すると良いかもしれません。ベチバーの香ばしい土っぽい部分がなく、少しオイリーな粘土っぽい部分が香るのが特徴です。男性であれば落ち着いた品の良いダンディさといったところでしょうか。(16/06/2016)


■Oud de Burgas (2015年)

君と僕は砂漠で星の毛布を着て静けさに包まれている。君の瞳に映る月明り、僕らは一緒にいるんだ。

クローヴ、ガジュンバルサム、シプリオール、シダーウッド、アイリス、ガイヤックウッド、ウード、オーストラリアンサンダルウッド

ロマンティックな風景とはかけ離れた、でも危険な匂いという点では合致するとてもアニマリックなウードです。いろいろとウードを彩る香料を使用していますが、アニマリックな香料、カストリウムやシベットがトップでスパークしてびっくりしてしまいました。これぞ、ウードらしいウード香。スモーキーで野獣のようなワイルドさ、カストリウムのようなアニマリックさとレザー感、ウードを表現する際のキーワード全てが他の香料で強化され、ウードをさらにワイルドに、素敵な香水へと昇華させています。この香りのみ295ユーロと高価ですが、ウードが本物である限り、仕方のないこと。100mlですからね。迫力のある本気のウードを求めている方は是非サンプルセットでお試しを。(16/06/2016)

 

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