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Hora de la Verdad / オラ・デ・ラ・ヴェルダッド


<香 調> スパイシーアロマティックレザー
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 50ml
<濃 度> EDP

トップ
ベルガモット、セビリアオレンジ、コリアンダー、ティムットペッパー、ピンクペッパー
ミドル
サフラン、ローズ、ゼラニウム
ラスト
ベチバー、レザー、アンバーグリス、ムスク、ラブダナム



2022年6月23日発売。ヘミングウェイの書いたDeath in the Afternoon (午後の死)というノンフィクションの書籍へのオマージュ。 闘牛の歴史は古く、スペインやポルトガルの支配下だった国々で1,000年以上前から行われてきました。その流れや内容は時代と共に変化しましたが、基本的には貴族の遊びの中で行われていたもので、古代ローマ時代の剣闘士たちと大差ないのではないでしょうか。

 

 

いたぶって殺す、その血沸き肉躍るアドレナリンが煮えたぎる様子が貴族たちを虜にしたのでしょう。いつも時代も残酷な遊びは血に飢えた人々を虜にしています。ヘミングウェイもその一人だったわけで、闘牛に魅了され、Death in the afternoon (午後の死)を執筆したのです。闘牛は美しさ、カッコ良さを求めるスポーツの1つとなり、2名の助手が優雅に銛を筋肉に埋めた後、花形であるマタドールが15分間の見せ場(正念場)を迎えます。やるか、やられるか。いかに牛を苦しませずに絶命させられるか。急所である後頭部へ剣を突き立て、拍手喝采を得るのです。その最後の瞬間のことを闘牛用語で「真実の瞬間」と言い、それがタイトルとなりました。ヨーロッパの神話では時の女神をホラと呼ぶそうなので、そうした意味合いも含まれているのかもしれません。

 

 

時代と共に様子は変わり、2011年にはスペインのカタルーニャで闘牛が禁止され、放送も禁止され、カタルーニャ州の州都であるバルセロナの闘牛場(アレナ)は外観を残したまま大型のショッピングセンターへと姿を変えました。

何とも残酷で時代に合わなくなった競技ですが、豪華な刺繍が施された伝統衣装は身体の線に沿ってぴったりで、厳重に体重管理をしないと着られません。

 

 

さぁ、肝心の香りは、伝統的な衣装のレザーに、情熱のローズを合わせたレザーローズとなりました。トップではレザーを柔らかなサフランが彩り、ゼラニウム強めの少しシャープなローズがサフランに重なって広がります。ゼラニウムが強めなのは、闘牛士の最高峰であるマタドールの多くが男性であるからなのかもしれません。

 

 

トップではシトラスと共にペッパー類が血のように鮮やかに弾け、そこからサフランローズへと切り替わります。ローズの華やかさにアロマティックで少し男性的なゼラニウムが加わり、少しワイルドなスタイルへ変化した後に、強すぎないオリエンタルウッディへと続くのです。ラブダナムは重く香ることなくサフラン調のゼラニウムローズを支え、レザーもスモーキーではなくサフランの残り香を少しけん引して引き継ぐ役目。

どうしても闘牛そのもののイメージ、特に最後の瞬間を思い浮かべてしまうといたたまれなくなりますので、強く照り付ける太陽の下で行われたアレナの様子を、かたずをのんで遠くから見守る位置でお楽しみ下さい。

(12/08/2022)

 

 

 

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