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Sampleレヴュー

 

Anna Jarvisという女性がテーマ。母の日の由来となった母親です。Annaの母親は、南北戦争で負傷した兵士たちの世話をする、助ける活動をしていたそうで、その母親の死後、毎年命日に追悼の意を表して母の好きだった白いカーネーションを捧げたというのが始まりだそう。このことから花言葉が「亡き母を偲ぶ」になってんでしょうね。日頃から母親に感謝の意を表するという「母の日」になったわけです。生きているうちに感謝の意は伝えておかないと・・・とは誰もが思うところですから、習慣として広まったのでしょう。


■Blanc d'Anna (2016年)

トップ:カシス、アロマティックノート、フィグリーフ、グリーンアップル
ミドル:ローズ、プラム、ジャスミン、シクラメン、スズラン
ベース:シダーウッド、エボニーウッド、オーク、ローズウッド、アンバー、ムスク

母の日がテーマならば、何故カーネーションにしないのか、と大きな疑問を抱えての試香です。香りは調香そのままのフルーティーフローラルです。トップではカシスがアップルとと共に可愛らしく香り、その後はすっきり系のフレッシュフローラルに溶け込みながら軽やかに消えていきます。彼女のイメージであればもっとクラシカルでも良かろうに、なんだか現代の母親に置き換えて一般ウケの良さそうな無難なフルーティーフローラルにまとめてしまったという印象です。悪くはないのですが、ちょっと残念。(04/07/2016)


■Memoire d'Anna (2016年)

トップ:グリーンアップル、メロン、パイナップル、ヴァイオレットリーフ
ミドル:ジャスミン、スズラン、ピーチ、アクアノート、チュベローズ、カーネーション
ベース:ムスク、サンダルウッド、バニラ

Blanc d'Annaの方は明るくフレッシュでしたが、こちらはチュベローズとカーネーションの入った少し豪華なフローラルブーケです。あれ? あれ? ひょっとして微かに・・・ですがチュベローズアブソリュートもあるのかな? と思わせてくれるフローラルブーケで、アクアノートの軽やかさの中に芯のあるフローラルノートが生きています。それでもメインのテーマはやはりBlanc d'Annaと同じで、現代に生きる全ての母親に向けて・・・といったところでしょうか。(04/07/2016)

 

孟母、つまり孟子の母をテーマとした香り。中国の戦国時代の儒教者として様々な教えを説いた方として有名ですが、その孟子を育てた母親もまた偉大で、中国では母のモデルとして慕われているそう。子どもを亡くした後に引き取ったのが孟子だったようで、実の母ではないそうですが、墓地の近くに住んでいたら孟子が葬儀の真似をした、市場の近くに引っ越したら商人の真似事をしだしたので、今度は学問所の近くに引っ越し、孟子は学問を志すようになったのだという逸話が残っています。孟子が学業を中断して帰ってきた際には、織っていた糸をばっさりと両断し、お前のしていることはこういうことだと説明したそう。勢いのある母親ですが、なんだかとっても中国っぽいかも。

■Blanc de Zhang (2016年)

トップ:ココナッツ、プラム
ミドル:ジャスミン、ローズ、スズラン、マグノリア
ベース:ホワイトムスク、バニラオーキッド、アーモンド、トンカビーン

何故中国でココナッツなのかはさておき、驚くほどココナッツクリーム一色で始まります。今まで、ここまでココナッツを打ち出したものはなかったほど、ココナッツです。その中からゆっくりと登場するのは南国調のフローラルノートたち。ココナッツがあるからそう感じるのかもしれませんが、南国の花々はクリーミーで甘いものが多いですからね。若干ミドル以降にカサブランカっぽいニュアンスがあるかなぁ・・・と感じるのは、ジャスミンだけではなくどこかクローヴを感じるからなのかもしれません。でも、基本的には9割ココナッツですので、サンタンオイルの香りが苦手な方はご注意を。(01/07/2016)


■Espoir de Zhang (2016年)

トップ:ココナッツ、プラム、アニス
ミドル:ジャスミン、ローズ、スズラン、チュベローズ
ベース:ホワイトムスク、バニラ、アーモンド、トンカビーン

Blanc de Zhangがココナッツ一色で始まったのに対し、こちらのココナッツは控えめで、どことなくクミンっぽいメンズ香に通じるニュアンスをもったユニセックスなテイストです。フローラルブーケとなっているわけではなく、フゼアでもトニックでもないメンズ香をココナッツムスクが包み込んでいる感じなのです。それにしても、何故このテーマでこの香りなのか、作った側ではなくて、プロデュースした側にお聞きしないと・・・。(01/07/2016)

 

Sisa Abu Daoohという娘のために43年間男装した母親にインスパイアされたもの。2015年3月、彼女は故郷のエジプト、ルクソールで大統領から表彰されたのですが、その際も男装だったそう。一生を男装のままで過ごしたいと語る彼女は、今66歳。70年代に旦那さんを亡くした彼女は当時身ごもっていた娘を育てるため、男装をしたのです。女性では読み書きを覚えることも許されず、職にも付けないから。様々な嫌がらせに屈せず、現代になって「働く女性の模範」ということで表彰されたのです。なんと娘の旦那さんが働けないということで彼女は今でもルクソール駅前で靴磨きをして家族を養っているそうですよ。

■Blanc de Sisa (2016年)

トップ:ブラウンシュガー、マンゴー、パパイヤ
ミドル:パッションフルーツ、バニラ、アーモンド、マグノリア
ベース:バニラ、サンダルウッド、ムスク、アンバー

ブラウンシュガーのような香ばしい部分もなく、トロピカルフルーツの華やかな南国さもなく、少しソルトノート(塩気)を感じるフレッシュフローラルムスクな感じの香りです。アーモンドにクマリン、そこに何が重なったらそうなるのか、桜餅の葉の特有な香りが感じられます。あの塩気、クマリン、アロマティックな部分も全て含めて。それ以外にはバニラの甘さがあるくらいです。エジプトという国のイメージはないし、男装というちょっとメンズっぽいニュアンスもないのですが、フェミニン過ぎない女性らしさ、というものが感じられるようになっており、濃度だけではなくReve de Sisaよりも軽やかに作られています。ラストノートはReve de Sisaと似てきますので、同じテーマで作られた、同じ方向を向いた香りだとわかります。(30/06/2016)


■Reve de Sisa (2016年)

トップ:タフィー、スイートノート、パイナップル、ガルバナム、オレンジブロッサム
ミドルジャスミン、ローズ、ヘリオトロープ:
ベース:バニラ、トンカビーン、ムスク、タフィー、サンダルウッド

トップでスイートノートが弾けるユニークな調香です。ミルキーやヤクルト、カルピスなどの乳酸菌系のスイートノートはトップで香るのですが、まさにそれらを使用しつつ、スイートフローラルでまとめているというのが全体像ですね。トップでガツンと甘さを出した後は、パイナップルもガルバナムも感じられないほどのスイートフローラルブーケとなって落ち着きます。Blanc de Sisaの方はEdPですが、こちらはExtrait de Parfumで、グルマンに近い香りとなってゆっくりと消えていきます。(30/06/2016)


■Esprit de Candela (2016年)

テーマとなったのはアンダルシアのフラメンコで、ストーリーはEl Amor Brujo(恋は魔術師)です。三角関係のストーリーですが、その中の主役であるCandelaとCarmeloという2人の愛がフラメンコによって1つになる、つまりこの香りの中にメンズとレディースが重なって1つになっている、ということのようです。(恋は魔術師のストーリーについてはこちらを参照ください)

 

 

トップ:ベルガモット、コリアンダー、サフラン、クローヴ
ミドル:ダマスクローズ、アンバー、レザー
ベース:パチョリ、サンダルウッド、ガイヤックウッド、ヴァージニアンシダーウッド、ペルーバルサム、ラブダナム、バニラ、トンカビーン、ムスク

スペインと言えば思い出されるのがレザー。こちらの香りはレザーを軸としたオリエンタルレザリーな香りとなっています。トップではスパイスが一瞬弾け、すぐに質の良い滑らかなレザーへと切り替わっていきます。ベースノートにたくさんのオリエンタルな香りたちがありますが、どれ1つとしてそれらしい顔を出さずに全てがレザーほ補佐するに徹しているという感じで、イタリア人のPaoloの調香ではありますが、往年のクラシカルな調香技術、つまり主役を全てが盛り立てて肉付けているのです。サフランがあった分トップが幾分柔らかなレザーで、次第にオリエンタルなレザーへとレザーを中心として変化していく香りです。タールを使用したスモーキーなレザーではありませんので、ユニセックスで使えますよ。(29/06/2016)

 

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