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Sampleレヴュー

■Ocean of a Midnight Moon (2022年)

Poetry of Nightシリーズ6つ目の香りで、月夜に海で出会う恋人同士の詩がオフィシャルに記載されています。

 

 

トップ:マリンノート、オゾンノート、レモン、グレープフルーツ、マンダリン、ベルガモット、ペティグレン
ミドル:マートル、ミント、アルテミジア、ジュニパーベリー
ベース:オークモス、ファーバルサム、パチョリ、スエード、ドリフトウッド

真夜中の海なのにとてもフルーティーでジューシーに始まるのは、そこに恋人たちがいるからでしょうか。マリンノートをアクセントにしたシトラスノートが飛沫となって広がるのですが、ミドルにあるアロマティックな香りよりもどこかココナッツに似たラクトニックなニュアンスが感じられるのです。以前は旅の記憶が詩につながっていましたが、この香りには旅の要素があまりなく、海であることだけです。だから、ラクトニックだと南国に感じられるのです。香りはそこからどんどんとダークなオリエンタルへと変化していきますので、全体としてはマリンウッディアロマティックというよりも、マリンセミオリエンタルという感じで、ベースがフレッシュではない分、マリンノートが強めでも違和感なく楽しめます。(08/09/2022)


■Smoke of God (2018年)

オマーン旅行をテーマとした香り。フランキンセンス、それは神の声を聞くためのツールである。

 

 

トップ:ソマリアンフランキンセンス、エレミ、スティラックス
ミドル:カシミア、アブサン、アミリスウッド
ベース:オマーンフランキンセンス、レザー

パッと香った瞬間から、フランキンセンスがアロマティックに香り始めました。オマーン産とソマリア産のフランキンセンスをトップとベースに配置し、エレミを抱き合わせることで、最初から最後までフランキンセンスらしさを楽しめるように工夫してあるのですが、レザーの力強さ、スモーキーノートがないのが特徴です。本当にフランキンセンスを焚いた場合、精油よりも樹木らしいテイストが感じられるのですが、彼はそこをアミリスウッドで補填したのかもしれません。ゆっくりと、とても静かに肌の上で広がって消えていきます。濃度的にはEdPで、シンプルなまとまりです。(25/09/2018)


■Pacific Park (2018年)

サンタモニカをテーマとした香りで、ブランドとしては初めてのグルマンに。怖いものを知らず、無邪気に遊んでいた子供の頃の遊園地の思い出。いつだってキャンディーを食べていた。

 

 

トップ:ブラックカラント、ペア、マンダリン
ミドル:カラメル、、スズラン
ベース:バニラ、ホワイトムスク

スプレーした瞬間から広がるのは、本当にジューシーで美味しいオレンジ。フレッシュなオレンジというよりも、甘くて美味しいオレンジなのです。そこからスズランにフルーツの残り香が重なった形となっていくわけですが、シトラスが持続をせず、ブラックカラントやペアも主張をせず、カラメルも決して強い香り方をしていないため、仄かで優しいテイストとなっていくのです。これは、トップこそ美味しかったけれど、グルマンではない。案外あっさりとしたバニラムスクとなって終わりますが、持続はしますよ。(04/06/2018)


■Malibu (2018年)

マリブとは、LAに近いカリフォルニア州の地名でもあるのですが、この香りはイギリスで作られているマリブというお酒をイメージした香りとなっています。ラムをココナッツで香り付けしたココナッツリキュールで、トロピカルなビーチカクテルにぴったり。

 

 

トップ:ライム
ミドル:ココナッツ、シュガー
ベース:ラム、サンダルウッド

ココナッツの波を受け止めようと、心してプッシュをしたら、なんともキラキラと輝くライムが押し寄せてきました。これは、ココナッツリキュールというだけでなく、ライムジュースを使用したカクテル風に仕立てたんですね。ライムがとてもアロマティックで精油感が強く、そこからゆっくりとスイートノートへと移っていくのですが、シトラスのアロマティックな部分が意外にも持続をし、ニュアンスが続きます。沈みゆく夕日を眺めるベイエリアでのパーティーで飲むカクテル。シトラスバニラは良くありますが、シュガーライムとなると多くはありません。ココナッツをアクセントに留めたあたりが好感度高いのです。このアロマティックな感じは、サイプレスにも通じる気がするで、ひょっとしたらわずかにニードル系の精油が使われているのかもしれません。(04/06/2018)


■Don't ask me permission (2017年)

春に新作をリリースした後、秋にも新作をリリースしていたことに気づきませんでした。リリースペースがアップし、ラインも豊かになってきましたね。これは、リオをテーマとした香りに。許可を求めるなというタイトルは、リオのグルーヴ感を思考なく身体で感じて欲しい、ということから。ベースにあるカシャッサとはサトウキビから作られるブラジルのお酒のこと。

 

 

トップ:ライム、スイートオレンジ、シュガー
ミドル:パッションフルーツ、ピーチ、イランイラン、ヘリオトロープ
ベース:アンバーグリス、ホワイトムスク、サンダルウッド、カシャッサ

トロピカルなフルーツに少し瓜系の香りを足して作ったようなフルーティーノートがトップで弾けて始まります。可愛らしい香りかと思いきや、時間と共にどんどんそれらを押しのけてアンバーグリスが台頭してくるのです。もはや後半はアンバーグリス一色のアンバーグリスムスクとなって終わります。残り香の最後は何となくキュウリ(メロン)とアンバーグリスムスクという組み合わせに感じられて、あまりリオではないなぁ。(04/06/2018)


■L'Or du Sillage (2017年)

8歳の頃、グラースに連れて行ってもらったことで調香師を目指した彼にとっては、コートダジュール(フレンチリヴィエラ)の思い出もかけがえのないもの。船から眺めるコートダジュールというのが新作に。

 

 

トップ:ペティグレン、ベルガモット、ピンクペッパー、パインニードル
ミドル:サイプレス、シダーウッド
ベース:パチョリ、オークモス、レザー

海や水の香りをマリン、アクアノート不使用で表現した香水がいくつか登場してきましたが、こちらもマリンノートを使用せず、フレッシュな夏の風景を表現したもの。サイプレスとパインニードルが放つ爽快なピネンの香りを軸に、なんとベースはシプレでまとめたという若い彼からは想像出来なかった香りでした。ラベンダーがあったらフゼアに感じていたことでしょう。でも、少しクラシカルな良さを秘めたアロマティックウッディシプレに落ち着いていて、レザーも往年の香料を使用することで更にクラシカル感を楽しめるものに。しかも、彼はきちんとオークモスはアブソリュートを使用していますよ。トップはトップで楽しめますし、ラストはラストで楽しいという時代に流されない香りです。この香りに、彼の新たな一面を感じました。(10/04/2017)


■Eterno (2016年)

Extrait de Parfumですので、Distant Pagesのカテゴリとなるのでしょうか。2015年から展示会に参加し、勢い良く世界展開をし始めた若き才能です。

 

 

トップ:ブラックペッパー、ベルガモット、セドラリーフ
ミドル:オポポナックス、ヘリオトロープ、ラブダナム、フランキンセンス
ベース:パインレジン、シプリオール、レザー、サンダルウッド

彼自身、オリエンタルな香りが好きなようで、ラインの中にはフローラルが1つしかありません。今回もまたオリエンタルな樹脂香をテーマに永遠を表現したようです。永遠という言葉にはいくつもの解釈がありますが、彼にとっては必ず立ち返る、戻ってくる場所のような意味合いも含んでいて、結果としてホッとする松林になったのではないかと。香りは、トップからアロマティックなリーフ系に交じりレジンノートが香ります。ラブダナムが強いかというとそうでもなく、ファーバルサムをヘリオトロープで柔らかくし、少しレザーでアクセントをつけたという雰囲気です。あまり強く感じられないほどにオークモスが入っており、どっしりと大地に根付いたオリエンタル感で楽しませてくれますよ。Extrait de Parfumということもあり、パッと散るような香り方ではなく、肌に馴染んでじわりじわりと香り続けますので、冬場の重ね着した中からふわりと立ち上がると素敵なのではないでしょうか。(13/10/2016)


■Moorea (2016年)

ポリネシアのタヒチ(ムーレア島)をテーマとした香り。彼女と過ごしたビーチでの思い出という感じですね。

 

 

トップ:ライム、ネロリ、ベルガモット、マリンノート
ミドル:ティアラフラワー、ヴァイオレットリーフ、ナルシス、イランイラン
ベース:アンバーノート、パチョリ、ベチバー

ポリネシアと言われたらマリンノート無くしては作れないよね、という感じですが、このマリンノートが意外にも控えめで、フロリエンタルの方に重点が置かれています。マリンノート以外どれ一つとして調香のあるような香りがしないのですが、全体として太陽が降り注ぐ暖かな南国ムードを感じさせる香りとなっていて、でも良くあるココナッツフローラルではなく、少しユニセックスなまとめ方となっています。このビジュアルを見てとても違和感を感じたのですが、タヒチでナルシスは咲くものなの? と思ったら、この香りを作ることになったステキなストーリーが隠れていました。可愛らしいなぁ。(11/05/2016)


■Silenzio (2015年)

Scent of loveと副題のついた香りで、これだけテーマが旅行の日記ではなく、濃度もExtrait de Parfumとなっています。誰のために書いたでもなく自身の日記・・・ということだそう。タイトルはサイレント、静けさのこと。

 

 

トップ:ローズ、ナツメグ
ミドル:レザー、ガイヤックウッド
ベース:バニラ、ベンゾイン

香りはオリエンタルレザリーです。レザーノートはそこまで強くはなく、ローズもそれとわかるほどではなく、ただただ、ベンゾインを軸としたオリエンタルノートが広がるのですが、ガイヤックウッドの少しスモーキーでスパイシーなニュアンスが見え隠れしています。パルファムである分香り方が穏やかで、スパークするようなトップノートがないのですが、寒い冬の日にコートの内側から立ち上がるとセクシーそうなオリエンタルノートですよ。(11/05/2016)


■Business Man (2011年)

テーマはロンドン。ロンドンで会った男性からは、ロンドンっぽいとイメージしていた香りがしなかった、と。もっと洗練されたユニークな香りがしていたそうで、それを表現したのでしょう。

 

 

トップ:グレープフルーツ、ブラックカラント
ミドル:カシスリーフ、グリーングラス
ベース:ベチバー

グリーングリーングリーンフルーティーな香り。グリーンフルーティーなブラックカラントに、グリーンノートとシトラスを合わせ、キリッとした爽快な香りとしています。ブラックカラントの良さもいきていますし、グリーンノートの爽やかさもいきていて、明るい気持ちになる調香です。ベースにあるベチバーは大きく前に出てくることはなく、ムスクらしい残り香もあまり強くはなく、最初から最後まであまり大きく香りは変わらずシンプルに消えていきます。このシンプルなテイスト、明るさがイギリスらしいと言えばイギリスらしく、Jo Malone等に通じる感覚です。ただ、こちらはEdPですけどね。(10/05/2016)


■Deep Island (2011年)

なんとテーマとなっているのは安芸の宮島。フェリーから見た厳島神社の鳥居に、日本古来の文化を感じ、とても神聖な気持ちになった、と。

 

 

トップ:ミネラルノート、ソルトノート
ミドル:ミルラ、フランキンセンス
ベース:ムスク、バニラ

トップに微かなマリンというか塩っぽいミネラルノートを感じるのですが、バニラもトップから香っており、鉱物のような硬さ、ミネラル感というものに冷たさを感じない調香となっています。ミルラとムスクというコンビネーションを軸にしているようですが、ミルラがほとんどわからず、オポポナックスベースにも感じられる少しパウダリーなアンバームスクへと変化し、最後はラブダナムがムスクと共に肌に残ります。宮島の印象をフランキンセンスで表現するのはとても良いと思うのですが、ミルラが香っていたらもっとミステリアスになっていたのではないでしょうか。(10/05/2016)


■Sentosa (2011年)

シンガポールの夜をテーマとした香り。どうもシンガポールの印象がダークなアンバーの香りだったようで、彼女と過ごす夜という妄想を広げていくエロティックな香りをシンプルに表現したもの。

 

 

ラブダナム、バニラ、シダーウッド、サンダルウッド、アンバーグリス

香りは良くも悪くも調香通りで、バニラとアンバーウッディというコンビネーションです。ラブダナムはあまり強くはなく、軸となっているのはアンバーウッディノート、アンバーグリスノートにバニラ。シンプルですが、好きな人は間違いなく好きですし、苦手な要素もとても少ないので広く受け入れられそうではあるのですが、いかんせんありふれたテイストであるのが難点でしょうか。特に近年はアンバーグリスが強く肌に残る香りも多くなってきていますから。ただ、ミドル以降に少し感じるようになってくるのはジャスミンで、それを感じられるようになるとありふれた感が薄れると思います。後、ベースには典型的なクラシカルムスクが使われています。(09/05/2016)


■Camouflage (2011年)

テーマは中東のドバイ。子どもの頃を過ごしたというドバイをテーマに、都市と砂漠、宮殿と砂、そして煙・・・それらを夜のイメージで表現したもの。

 

 

ローズ、エボニーウッド、サンダルウッド、フランキンセンス、ウード、ムスク

2011年というのはすでにウードブームも一段落した時期ですが、こうしたウードは珍しかったのではないかと思います。それは、トップからとてもカンファーが効いているから。涼しくさえ感じほどユーカリっぽいカンファーが香り、パチョリっぽい黒褐色の香りの中に歪んでいくのです。ウードというほどウードは強くなく、飽くまでもウード系という程度のまとまりで、後半になってローズが出てくるのもユニークな点。ありがちなローズウードではなく、夜の海っぽくも感じられる墨っぽいカンファーが良いアクセントとなったまとまりです。(09/05/2016)

 

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