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Sampleレヴュー

■Fleur De Mai (2016年)

Floral Collectionの1つで、タイトルは5月の花。Rose de Maiではないということですね。

ローズ、ジャスミン、スズラン、ライラック、シトラスノート、ホワイトフローラル、チュベローズ

あれ? ベースノートがないの? と思うほどシンプルで調香にある通りの香りです。香りの軸はスズランとライラックで、共に相性の良いグリーンノートに乗せて軽やかなグリーンフローラルがハニーノートと共に広がっていきます。とてもシンプルでわかりやすい香りです。調香にはないベースノートはハニームスクで、少しパウダリーなふんわりとしたムスクとなって消えていきます。(12/02/2020)


■Antoinette (2016年)

もちろんタイトルはマリーアントワネットのこと。捉え方は国によって違うと思いますが、「人生を謳歌した美しい女性」だそう。

アイリス、チュベローズ、ローズ、トンカビーン、リリー、ジャスミン、パピルス、フランキンセンス、ガイヤックウッド、グリーンマンダリン、レモン、ユズ、レザー

マリーアントワネットと言うとどうしてもヴェルサイユの庭がイメージされてしまうと思うのですが、これは香りの軸をアイリスに配置し、とてもしっとりと冷たい空気に合うパウダリーフローラルとなっています。とても静かな香りで、清潔感のあるリネンにも似た美しいアイリス。後半になってレザーのニュアンスが重なっていきますから、キレイなだけでは終わらない、とてもシックなスタイルとなっています。(10/02/2020)


■Stone Flowers (2016年)

一見するとCaronのFleurs de Rocailleのコピーなのかも、と身構えてしまうタイトルですが、こちらは北欧の巫女のシークレットガーデンがテーマ。全てが凍てつく場所にある、石を削って作ったローズガーデンのよう。

アイリス、フランキンセンス、シダーウッド、ラブダナム、ウード、バーチタール、レザー、ローズ、ジャスミン、ヴァイオレット、チュベローズ、トンカビーン、スズラン、ヴァイオレットリーフ、チョコレート、貝香、ムスク、アンバーグリス、ベルガモット、ユズ

凍えるようなパウダリー系かと思いきや、なんと調香の通りにたっぷりタールとレザーが香りだしました。そこには全くガーデンはなく、石造りの宮殿の床にトラやクマの毛皮が敷いてあるという映画のシーンのような風景が浮かぶばかり。ワイルドなタール系レザーオリエンタルだと思えば悪くはないのかもしれませんが、タイトルに惹かれると痛い目を見るかも。(10/02/2020)


■Hetera (2016年)

古代ギリシアの時代に実在した、教養をもった高級娼婦がタイトルに。だから、男性を惑わせる香りに。

ジャスミン、レザー、アップル、レッドワイン、スティラックス、ナツメグ、ベチバー、パピルス、ローズ、アンバー、ブラックカラント、サンダルウッド、オークウッド、マンダリン、トンカビーン、ライム、シナモン、パッションフルーツ

うーん、と唸ってしまったのは、調香にある香りを全て混ぜただけに感じてしまったから。本来バランスが良ければ弾けるはずだったトップがなくじんわりとスタートしたのが、何となく固められたアロマティックノートでした。全体的にとてもアロマティックな部分が強く、フローラル感は待ったくありません。それは彼女がフローラルアコードを作れないからなのかな、とも思ってしまったり。通常高級娼婦であれば、ホワイトフローラル感を強くしたり、ムスクで包み込んだりするものですよね。決して悪くはないのですが、テーマとのズレが大きく、調香途中で発売してしまったような香りです。(07/02/2020)


■Isis Temple (Храм Изиды) (2016年)

シークレットということで、調香が伏せられた香り。静かに佇む古い寺院の、古代の女神。何となくオフィシャルサイトに記載してある内容が、カンボジアの朽ちた寺院を彷彿とさせるものでした。

これは、合成香料のイソブチルキノリンというクラシカルなレザーノートを使用したアイリスレザーです。とてもドライなパウダリーさで、フローラル感は薄く、とてもシンプルな調香であることがわかります。クラシカルでシンプルだけど悪くない。Roberto PiguetのBanditがお好きな方ならば、こういうテイストもお好きなはず。静かな寺院という印象にはぴったりで、ウードがなかったことも好印象でした。(07/02/2020)


■Shaman (2016年)

馬に乗って牧草地を駆けるシャーマン。神秘的な呪術師である彼らをテーマとした香り。

アブサン、ダヴァナ、オークモス、コニャック、ガルバナム、ローズ、アルテミジア、ネロリ、タラゴン、オスマンサス、レザー、シベット、ベチバー、ハニー、セージ、タール、ブラックティー、サフラン、フランキンセンス、ライム、ベルガモット、グリーンマンダリン

シャーマンと言えば呪術。呪術と言えばインセンス。特にホワイトセージは有名ですよね。この香りは馬に乗るということでレザーが、呪術ということでタールが使われた、つまりはスモーキーなレザーです。その力強くスモーキーなレザーに、アクセントとしてスパイスやハーブ類が重なっているというのが全体像。ベチバーの香ばしく土っぽい部分も効いていて、大地を駆け抜ける騎馬の民というニュアンスにも思えてきます。(06/02/2020)


■Chili Choco (2016年)

アステカ人とマヤ人をつなげるレザーとチョコレート。

ダークチョコレート、ムスク、シナモン、チリペッパー、レザー、フランキンセンス、ウッディノート、エキゾチックフローラル

カカオアブソリュートがしっかりと感じられるとてもリッチなチョコレートの香りです。甘くて美味しいチョコレートではなく、ビターなカカオドリンクをイメージしてしまう香りで、チリペッパーのピリピリとした香りは強くはありません。ただ、液体が唇に触れてしまうとピリピリしてしまうはずです。香りの軸であるカカオアブソリュート以外の部分はとても控えめで、カカオの香ばしいトップノートが薄れた頃を補強し、やがてはカカオの残り香にハニーレザーウッディが重なって消えていきます。カカオの中のクッキーのような香ばしい部分がもう少し持続をしてくれると良いのですが、天然香料のカカオアブソリュートがお好きな方にはたまらない香りだと思います。(06/02/2020)


■Tobacco Rose (2016年)

イメージしたのはムーランルージュの様子。それはタバコの煙に包まれる踊り子たち。赤いストッキングに赤いリップ。

ローズabs、ローズオットー、ホワイトタバコ、ラブダナム、パピルス、カストリウム、ナツメグ、レザー、カシュメラン、ベルガモット、ジュニパー、ムスク

ローズアブソリュートがタバコと共に香っていたら、それはさぞかしセクシーだろうと予想していたら、これは調香にないハニーノートがたっぷりとフローラルノートを従えて登場しました。全てが夢だったと言わんばかりのハニーっぷりで、ローズの良さもタバコのとがったセクシーさも消してしまっています。確かに可愛らしい香りではないし、フェミニンなパーツとダンディなパーツが重なって香りますが、どうにも違和感を感じてしまうのはハニーノートが強すぎるから。少しスモーキーなラストノートは、テーマの雰囲気に合っていますが、もう少し危険な香りがしても良かったのかな。(05/02/2020)


■The Delhi Dance (Танец Дели)

スパイスとチャンパカ、サフランとハチミツ入りの紅茶、フルーツと焙煎されたスモーキーな香り。ニューデリーの市場で香ってきたものを全部混ぜてしまったわけですね。

パチョリ、オークモス、ベルガモット、タバコabs、チャンパカ、オスマンサス、ブラックカラント、サフラン、ナツメグ、ライム、ヘイ、ジュニパー、セージ、ムスク、グリーンマンダリン

笑ってしまうほど、精油感の強い刺激的な香りです。それはタバコアブソリュートにオークモスや干し草から得られるレーズンを苦くしたようなヘイアブソリュートが香っていたから。混沌としたカオスという言葉がぴったりなあの場所、しかも少しぬかるんだ衛生的ではない路地、犬の糞があっちこっちにあるストリート。その混沌とした雑踏に何ともぴったりな香りではないですか。フローラルノートもアロマティックな香りも全てがオークモスとタバコに押し消され、スイートビターなヘイで蓋をされたような香り。とても個性的ではありますが、クセになるような香りなのも事実です。インドと言えばカラフルな印象だったり、やはりスパイス、ジャスミン、チュベローズなどでまとめることが多い中では、変化球で楽しませてくれます。(05/02/2020)

 

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