2022年発売。インドのRajasthan州のある砂漠の遊牧民、Kalbelia(カルベリア)にインスパイアされた香り。宝石が散りばめられた色とりどりの衣装に身を包んだ女性たちが、蛇のようにしなやかに、トランス状態になるまで踊り続ける。そう彼女たちは蛇使いなのです。

最初に試した中では、一番好印象だった香りです。ブラウンというよりもキャラメルに近いカラーで、香りもグルマンに近いオリエンタルウッディなのです。カカオが一瞬香ばしく香るものの、香りはすぐに滑らかなオリエンタルウッディへと変化していくのですが、彼はもともとMortal Skinで蛇の感触をサンダルウッドで表現していました。こちらもそのサンダルウッドを踏襲し、もちろんインドということでたっぷりと配しています。このサンダルウッドがCrying of Evilに通じる香りで、インドのマイソール産サンダルウッドに近づけるため、ココナッツを用いるのが通例のところ、ミルクを用いているのがIFFのコンパウンドです。おそらくそのタイプを使用したのでしょう。とてもミルクっぽいラクトニックなサンダルウッドが全体をまとめているのです。シダーウッドとウッディムスクのカシュメランに彩られたとてもスムーズなサンダルウッドで、色に例えたらブラウンというよりもベージュ。となると、タイトルの砂にとても近いことがわかります。インドなのにスパイスが控え目で、チャイではなくてカカオにしたのがユニークなポイントで、自由な発想で楽しませてくれます。

(20/05/2022)