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Vele / ヴェーレ


<香 調> フルーティーフローラルムスク
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 100ml
<濃 度> Extrait de Parfum

トップ
フィグ、グリーンリーフ、マンゴー、パッションフルーツ、レッドカラント
ミドル
カジャ、ヘリオトロープ、ジャスミン、イランイラン、ヒヤシンス、ローズ
ラスト
オールスパイス、パパイヤ、パウブラジルウッド、アンバー、ムスク、バニラ



2017年発売で、テーマはブラジルです。Vele(Vela)とは帆座のことで、南天の星です。これは、二人のお子さんを連れて叔母の住んでいたブラジル旅行をした時の思い出をテーマとした香りなのです。イタリアにとってブラジルは遠い国であり、ミステリアスだったはず。そこで叔父と叔母の別荘に行き、巨大な焚火を囲んで、ブラジリアンボサノバを聞きながら星空を見上げたのです。カラフルでエキゾチックなブラジルの果物や植物、取り囲む風景は調香師であるパオロに豊かなイマジネーションを与えました。炎を囲んで夜空を見上げた時、叔父が彼らに帆座の伝説をしてくれたのだそう。それはブラジルで伝統的なボートであるアルゴに乗って旅に出る話でした。そこから生まれた、ブラジルの香りはいかに?

 

 

 

調香の中にブラジルが組み込まれています。それはカジャというウルシ科のフルーツ。現地では生食はせず、ジュースや加工品として親しまれている果物だそうですが、同じウルシ科のマンゴーとの掛け合わせもあるそうですから、果実としてはマンゴーに近いフルーツなのでしょう。もう一つは赤い染料が取れるパウブラジルという樹木です。心材がオレンジで、弓や楽器に使われる木材だそうですが、赤い染料が取れることから珍重され、ブラジルの国名の由来になった樹木のようです。それが香り高い樹木なんですね。

 

 

香りはフィグを軸としたフルーティーフローラルムスクとなって広がります。フィグのアクセントは、全体を可愛らしいフルーティーフローラルにすることなく、トロピカルだけどユニセックスな香りへと傾けています。これはフィグの中にグリーンノートがあるためなのですが、それがスパイスのように効いているのです。トロピカルフルーツはマンゴーもパパイヤもどこかクリーミーな要素を含んでいたりするものなのですが、フィグも同じであり、そのクリーミーな香りがムスクへとつながり、とても滑らかな素肌感を感じさせるラストとなります。いわば、トロピカルフルーツの花束のようなニュアンスで、トップでパッと弾けたフルーツはトロピカルで賑やかだけど、時間と共に一つにくくられた花束の持ち手の部分へと移動していく、という雰囲気です。ココナッツ過ぎないフィグ系がお好きな方は是非、お試しを。

(05/09/2019)

 

 

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