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Sampleレヴュー

 

 

■Crush On Me (2021年)

このブランドのラインの中でもひときわ高い340ドルで発売となった、カラメルパチョリのグルマンなパルファム。

トップ:ライム、ジンジャー
ミドル:アイリス、マグノリア、サフラン、ローズ、カラメル
ベース:パチョリ、ウッディノート、カラメル、ムスク、アンバー

説明文を読む限り、ただただ濃度の濃いカラメルパチョリでしかないのだろうと思ったら、想像の斜め上を行くアイリスで始まりました。合成香料のアイリスですが、アイリスがスパイシーに感じられるほどドライに香り、そこからアイリスのパウダリーさがバニラとウッディムスクに包まれていくのです。アイリスがとても効いた香りで、アイリスのパウダリーな部分、金属的な部分、柔らかな部分がパーツとなって散りばめられて香り、甘いグルマン系でありながらも平凡なグルマンにはならないアクセントを添えています。強さで言えばパチョリよりもアイリスの方が強く、時間を経てからパチョリに切り替わる感じです。高濃度ながら押しつけがましい消えていかないものではなく、肌に馴染んで薄れていきますので、安心して使えるパルファムです。ただ、これが340ドルなのかと思うと、買い物リスト上で眺めるに留まる確率は高そうです。(19/01/2022)


■Chypre Toscano (2018年)

トスカーノのシプレというタイトルですが、樹木の下に座ってリラックスできる香りだとしています。調香はJorge LeeとSylvain Caraが担当。

トップ:ヴァイオレット、タイム、ラベンダー、サフラン、クローヴ、シナモン、ブラックティー
ミドル:スモーク、レザー、スティラックス、シダーウッド、パチョリ
ベース:ウッディノート、ムスク、フランキンセンス、バニラ

トスカーナと言えば、誰もが想像するのはアイリスとサイプレスではないでしょうか。僕の記憶の中にもラベンダー畑はありません。でも、彼らが表現したのはラベンダーをアクセントとしたレザーの香りでした。そう、フィレンツェと言えばレザーの街ですからね。スモーキーなレザーがパッと弾け、それがラベンダーとサフランをアクセントに柔らかくアロティックに香ると、ゆっくりと静かにウッディムスクに溶けていきます。きちんと香りはあるのにとても穏やかで、トップこそスモーキーでしたが、一瞬だけで女性でも違和感のないバランスとなっています。オリエンタルなどっしり系ではなく、強いタール系でもないレザーウッディムスクですね。ちょっと最後の最後に残るムスクがアニマリックだなぁ。(07/08/2019)


■Aphrodisiac Touch (2018年)

媚薬風な香り。調香はJorge Lee、Sylvain Cara、Selim Ozenの3名。

トップ:ベルガモット、スズラン、ライラック、サフラン、クローヴ、シナモン、カルダモン
ミドル:ローズ、ゼラニウム、シダーウッド、パチョリ、アイリス
ベース:サンダルウッド、ウッディノート、ムスク、アンバー、バニラ

こ、これは何だ? とても違和感のある香りでスタートするのですが、それは可愛らしいフルーティーフローラル調の香りにスパイスが重なって始まったから。この香りの軸はLanvinのEclat d'Arpegeタイプの香りに、サフランを少し足し、スイートウッディムスクに溶かし込んだような香りです。Eclat d'Arpegeのようにハニーノートはなく、可愛らしいというほどの香りではありません。全体的に主張がとても少なく、薄っすらとした砂糖水のようなスイートフローラルウッディムスクとなって広がっていきますので、少しくらいつけ過ぎても平気そうです。(07/08/2019)


■Woud And Mood (2018年)

いろいろと業界を賑わせているウードも外せないよね、ということなのでしょう。調香はJorge LeeとSylvain Caraが担当。

トップ:オレンジ、レモン、ティー、サフラン、クローヴ
ミドル:ローズ、スズラン、ライラック、サンダルウッド、ガイヤックウッド、ウード
ベース:アンバーグリス、アンバー、バニラ、ウード、アニマルムスク、サンダルウッド

トップから、あー、これはウード系だよね、という香りでスタートするのは確かなのですが、香りはどんどんウードからかけ離れていき、とても薄いアンバーウッディムスクへと変化してしまいます。こんなに薄い、軽やかなウードはウードらしくないというのがユニークなのかもしれないのですが、ウードファンからしたら、少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。誰もが気軽に楽しめる、主張の少ないウード風アンバーウッディムスクといったところでしょう。この香りが一番高価で、200ドルですので、多少はウードオイルが使われているのかもしれません。(06/08/2019)

 




■Hidden Accords (2018年)

ピンクペッパーは胡椒の仲間ではないんだよ。それとジャスミンは世界中のスパメニューの中に必ずある香り。それらを隠されたアコードでまとめた、というもの。調香はSylvain CaraとSelim Ozenが担当。

トップ:ピンクペッパー、オレンジブロッサム、ペア
ミドル:コーヒー、ジャスミン
ベース:バニラ、パチョリ、シダーウッド

香りはあまりピンクペッパーが印象的に香らないオレンジブロッサムバニラで始まります。コーヒーは印象的に香るほど強くはなく、比較的平凡なスイートフローラルウッディという印象で、ジャスミンも主役ではありません。少し世界観というかストーリーが弱いというか、もう少しきちんとしたベースがあれば香りの印象も変わると思うのですが、単純に香りだけを香るとあまりユニークなものではありません。もちろん悪くはないのですが、その他大勢というグループの香りなのです。(06/08/2019)


■Istanbul (2018年)

世界中の香水は、日々自然淘汰されている。その中で残ったものたちは、最も強いものと最も愛されたもの。調香はJorge LeeとSylvain Caraが担当。

 

 

トップ:シトラスノート、パセリ、レモン、ティー、グレープ
ミドル:ネロリ、ジャスミン、ピンクペッパー、ゼラニウム
ベース:ウッディノート、ムスク、バニラ、タフィー

これは美しいジャスミンを軸とした香りです。でも、それだけではなくジャスミンに微かなスモーキーノートが重なり、とてもリアルにインセンスを焚いている雰囲気が感じられるのです。ジャスミンの花籠の横で炊かれているインセンス。そのインセンスは風に運ばれてくるような微かなニュアンスで、トップで薄れていくのですが、その頃にはジャスミンもスイートノートに包まれてセクシーに香ります。これは、ネロリやオレンジブロッサムの香りを作る際に使われ、グレープの香気成分でもあるメチルアンスラニレートという香料が多く使われており、そのニュアンスが強く残ります。(05/08/2019)


■Izmir (2018年)

イズミールは彼らの故郷。だから思い入れの強いその場所を香りにしたのも当然のこと。フランス人調香師とトルコ人調香師が東西の香りをミックスさせて作った、愛の街、イズミールの香り。調香はSylvain Cara、Selim Ozen、Bihter Turkan Ergulが担当。

 

 

トップ:ベルガモット、レモン、マンダリン、パイナップル
ミドル:ローズ、アイリス、クローヴ
ベース:トンカビーン、バニラ、パチョリ、サンダルウッド、オークモス

香料にはないマリンノートがアロマティックな香りたちをけん引して始まります。調香だけを見るとベースが強く、フローラルウッディ、フローラルシプレを想像させますが、香りはフレッシュアロマティックという感じで、ローズもわからず、アイリスも行方不明でクマリンやモスがアクセントとなったあまりマリンっぽくない海の香りに感じられるのです。それもそのはず、イズミールはとても美しい海辺の街なのですから。(05/08/2019)

 

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