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Sampleレヴュー

 

■Io Non Ho Mani Che Mi Accarezzino il Volto (2017年)

何とも長いタイトルですが、Mario Giacomelliというフォトグラファーのプロジェクトにインスパイアされたもので、そのタイトルがそのまま香水のタイトルに。もともとは神父の言葉だそうで、意味は、「私には自分の顔を愛撫する手がない」。彼の写真もモノクロですが、マリオもまたモノクロで、神学校で撮影した輪になって踊る様子となっています。これは、1961年に彼が発表した「若き司祭たち」というシリーズの写真なのですが、喫煙しているところを撮影された司祭は、それが理由で破門となってしまったのだとか。

 

 

トップ:ペティグレン、ベルガモット、ガルバナム、ミルラ
ミドル:シダーウッド、ゼラニウム、クラリセージ、シナモンリーフ、スティラックス、イランイラン
ベース:フランキンセンス、ベンゾイン、トンカビーン、タバコアブソリュート、アンブロキサン、サンダルウッド

ガルバナムにミルラ? と一見不思議な組み合わせですが、香りはシナモンの効いた少しスモーキーなウッディオリエンタルです。トップでは香ばしいスパイスにガルバナムが混じって香り、ガルバナムがこんなユニークな香りになるんだ・・・と驚いた瞬間、香りは全てシナモンに包まれていくのです。シナモンから次第に変化していくのをチェックしてみても、結構しっかりとシナモンが居座り、その奥にあるフランキンセンスやタバコなどがあまり前には出てきません。彼の撮影した写真にはぴったりのモノクロ感を感じられる香りなのですが、もう少しいろいろなエッセンスが香っていた方が楽しかったかな、と。

 

 

シナモンを用いて黒色を表現した香りと言えば、Serge LutensのSerge Noirがありますが、こちらはもっと落ち着いた物静かなトーンの香りです。そのあたりも修道士っぽいのかも。ボトルキャップには修道士の踊る裾をイメージした黒色のレザーが取り付けられており、ボトルには修道士がそのまま描かれています。テーマも香りも、全てがフィリッポというフィルターを通して作られた感じが伝わり、嬉しくなります。アーティストそのものですよね。(14/04/2017)


■Symphonie Passion (2016年)

オルガン奏者である彼にとって、音というもの、音楽というものはどういったものなのか、言葉で伝える代わりに香りにしたというもの。自然界には様々な音があり、静であり動であり、彼にとっては言葉のようなものだと。

 

 

トップ:ピオニー、レモン
ミドル:カシュメラン、ベチバー
ベース:サンダルウッド、ムスク、シダーウッド

香りは、ベチバーを軸としたウッディムスクとなっています。とても肌馴染みの良い柔らかなウッディノートで、ベチバーのスモーキーなテイストがムスクで丸められ、穏やかな表情となって肌に染み込んでいくのです。ピオニーの要素は全く感じられないのですが、ひょっとしたら微かにピオニー系の香料を単品で1つ入れているのかもしれません。でもウッディムスクの圧勝で、全てが1つとなってゆっくりと広がっていくのです。この穏やかさはムスクだけではなくパルファム濃度だということも理由の1つだと思いますが、彼にとってのシンフォニーは、自然の中で感じるこういった穏やかなものなのかもしれません。(13/05/2016)


■Ennui Noir (2016年)

目を閉じて深い倦怠感の中に沈んでいく瞑想の黒。アンニュイな黒は霧のように全てを包み込み1つとなる・・・。彼が撮影する写真は全てモノクロであり、彼は白と黒であることにとても強いこだわりをもっています。彼にとっての黒は、ダークなサイドではあるけれど、始まりでもあり、明るい希望も含んでいる、と。暗い中だからこそ微かな灯りも見えるというような感覚かもしれません。

 

 

トップ:ラベンダー、マートル
ミドル:シダーウッド、ヘリオトロープ
ベース:パチョリ、バニラ、ベチバー

とてもユニークな香りです。パチョリを軸としながら柔らかで微かにアロマティックなニュアンスをもった黒い霧のようなイメージの香り。パチョリにバニラとヘリオトロープを重ね、ウッディノートでアクセントを付けたもので、ラベンダーは強く香るほどではありません。僕はオリジナルとして柔らかな黒に包まれるイメージの「ラストダンスは私に」という香りを作りましたが、そのニュアンスに似ていて、そこからワインを抜いてパチョリを強化したような香りとなっています。特に近年大ヒットしているパチョリ系ウッディノートの香料クリアウッドを多めに使用しているのも特徴で、パチョリのニュアンスがとても長く持続しています。(13/05/2016)

 



■Rosa Nigra (2015年)

Opus 1144のベースを引き継いだ言わばツインの片割れ。黒色ローズという意味のタイトルですが、ローズではなくゴシック建築の香る石を意味しているようです。

トップ:ピーチ、アルテミジア
ミドル:フリージア、アイリス、ローズ、ヴァイオレット
ベース:カシミアウッド、アンバー、ムスク、サンダルウッド、バニラ

共通ベースを持ちながらもこちらはとても可愛らしいニュアンスを含んだフルーティーフローラルウッディといったところ。ピーチはトップからラストまで香りますが、ココナッツ系の甘さが少なく、とてもさっぱりとしたフルーティーフローラルで始まります。さっぱりしつつも爽やかではないのは高濃度だからでしょう。香りは時間と共に少しウッディノートが見え隠れするようになり、やがてはウッディムスクへと変化して落ち着きます。トップこそ女性的ですが、ミドル以降はユニセックスな雰囲気になりますので、男性でも使えない香りではありません。(11/12/2015)


■Opus 1144 (2015年)

彼の愛するゴシックへのオマージュ。1144年に建築されたパリ郊外にあるサンドニ修道院が、現存する最古のゴシック建築だと言われていることからタイトルに1144が付けられています。ゴシック以前のロマネスク様式と比べると、格段に技術が進歩していて、ステンドグラスが美しく、複雑で緻密な装飾が可能となりました。

トップ:エレミ、ジャスミン、ベルガモット、マンダリン
ミドル:アイリス、オーキッド、カシミアウッド
ベース:ホワイトムスク、アンバーグリス、バニラ、レザー、サンダルウッド、ベンゾイン

トップでは、ジューシーなシトラスフルーツが弾け、明るい香りでしたが、香はすぐにクマリン調のパウダリーなフローラルへと変化し、少しオポポナックスベースのようなニュアンスとなって落ち着きます。どこかでShalimarに通じる香りだと読みましたが、それはこのベースをGuerlainっぽいオポポナックスベースだと感じているからでしょう。確かにとても良く似ていますから。Extrait de Parfumですが、ShalimarのパルファムではなくEdTをパルファムにしたような雰囲気で、最後はクマリンだけが印象的に残ります。(11/12/2015)

 

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