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SAUF / サーフ

 

2016年9月の展示会の二日目、彼は展示会を早めに抜け出し、パラティーノの丘の上にある教会へと向かいました。夕暮れから夜に切り替わる頃、その教会で彼のオルガンコンサートが開催されたのです。彼の香水は香っていますし、アルバムも聴いていますが、コンサートで生音を聴くのは初めてのこと。特に教会音楽、パイプオルガンの重厚な音色が好きな方にはたまらないひと時。女性ボーカルとのコラボということで、音と声が響き渡ります。

 

 

■Contre bombarde 32 (2016年)

砲撃に備えて・・・というような意味なのですが、どうしてこのタイトルになったのかは彼の頭の中だけに・・・。忘れられない音楽の風の中に身を置く、その瞬間の幸福感のようなものを表現したようです。

トップ:エレミ、ジュニパー、ビターオレンジ
ミドル:シダーウッド、サンダルウッド
ベース:アンバー、カラメル、バニラ

一瞬、これはスパイシーだぞ、と感じたのですが、少しクミンっぽいスパイシーさがトップで香ります。エレミやジュニパーのアロマティックさ、レモンやペッパー系の特有香は強くはなく、スイートウッディの中へ溶けていきます。3種の中でこちらだけはフランキンセンスを使用していないのですが、雰囲気としてはフランキンセンス系で、エレミがそう感じさせているのかもしれません。微かにキャンディー調の甘さに感じるにはカラメルがあるからだと思うのですが、甘さは強すぎるようなことはなく、ウッディノートをドライにさせない良いベースとなっています。(27/10/2016)


■Plein Jeu III-V (2016年)

光とフランキンセンスの調べをコロンのような軽やかさで表現したもの。彼は香水とはプチミュージックだと語っています。香りは良く音楽にたとえられますからね。

トップ:レモン、ジンジャー、ミモザ、ブラックペッパー
ミドル:ジャスミン、フランキンセンス、アンバー
ベース:ベチバー、シダーウッド、ファーバルサム、モス、パチョリ、サンダルウッド

光の筋のようなフレッシュさを期待すると少し違うのですが、レモンとジンジャーがスイートアンバーと共に香り始まります。結構な甘さがトップから感じられ、一瞬キャンディー風にも思えるのですが、香りはすぐにフランキンセンスへとつながっていきます。フランキンセンスの配合はたっぷりで、フランキンセンスが軸であることをしっかりと主張しています。その周りの香りたちが全てフランキンセンスを盛り立てるために配置されているのですから。甘さ、モス、ウッディノート、どれ一つとしてフランキンセンスを邪魔することなく、温かみを加えており、3種の中では一番オーソドックスなフランキンセンス系の香りと言えそうです。(27/10/2016)


■Voix humaine 8 (2016年)

人間の声というタイトルなのですが、人間にとって一番古い「香水」をイメージしたようです。

トップ:ベルガモット、カルダモン、エレミ
ミドル:ジャスミン、アンブレット、オレンジブロッサム
ベース:アンバー、レザー、フランキンセンス、モス、ムスク、バニラ

GuerlainのHabit Rougeのようなスイートパウダリーオリエンタルで始まります。これはかなり甘いぞ、と思っていると、香りは次第に、柔らかく甘いふわふわとしたムスクに包まれたフランキンセンスへと変化していきます。樹脂のワイルドさを軽減し、優しい声で包み込む子守歌のようなフランキンセンスとなっているのですが、このようなフランキンセンスのフレグランスは珍しいのではないでしょうか。とても良い夢を見られそうです。このラストノートは往年のフレグランスらしい形となっていますので、クラシカルな香りがお好きな方にも良さそうです。(27/10/2016)

 


 

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