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Green Collection

 

■Ricina (2018年)

リシンは、トウゴマの種子から得られる毒で、精製されたものを吸引するとわずか1.78mgで死に至るそう。トウゴマと言えばヒマシ油が得られることで有名ですが、圧搾をしてもリシンは油にはないそうなのです。搾りかすの方に5%ほど残留しているんですね。しかも、ヒマシ油用に大量に栽培された経緯があり、日本でも自生しています。レッドコレクションのストーリーになっているボルジア家のルクレツィアはこの毒をとても好んでいたそう。

トップ:ベルガモット、オレンジ、プラム、ピーチ
ミドル:ジャスミン、アイリス、ピオニー、オレンジブロッサム
ベース:パチョリ、ウード、サンダルウッド、オークモス

そう言えば、彼の調香の中で、フレッシュで明るいシトラスというのは今までなかったのではないかと思い出しました。印象的なほどシトラスが強く香って始まるのです。ジューシーで搾りたての香りが広がった後、香りはゆっくりとシトラスフローラルムスクへと切り替わっていきます。ただ、透明感のあるホワイトフローラルムスクではなく、どことなくオークモスやパチョリの欠片を感じるようなフローラルムスクで、パウダリーではなくオイリーなアイリスがムスクを支えている感じです。(04/07/2018)


■Curaro (2018年)

Strychnos toxiferaという樹木から得られるクラーロという成分がタイトルに。これは、ストリキノス・トキシフェラというマチン科の樹木で、ペルー、ブラジル、エクアドル、コロンビアなどアマゾンの原住民たちが矢じりに塗り、狩りのために使用していた毒です。

トップ:パチョリ、マグノリア、ジャスミン、アイリス
ミドル:ローズ、アミリスウッド、サンダルウッド、トンカビーン、ベチバー、インディアンウード、シナモン
ベース:カラメル、アイリス、パチョリ、バニラ、ベンゾイン、シダーウッド、カンボジアンウード

パチョリがトップから登場するフロリエンタルです。少しチョコレートにも感じられるカラメルとベンゾインが、パチョリとウッディノートと共に香るのですが、驚くほど重くないのです。軽すぎないオリエンタルで、随分軽めなエッセンスを軸に、少しずつアクセントを加えて調香されたものなのではないでしょうか。1つ1つの香りが際立たない辺りが彼らしい調香だと思うのですが、これはその中でも特に主張が少なくて大人しいタイプの香りです。(04/07/2018)


■Cianuro (2018年)

シアン化物がタイトルに。シアン化合物と言えばごく少量で死に至ることから、中毒死を目的とした毒殺や自殺に用いられてきた成分です。

トップ:マンゴー、パッションフルーツ、パパイヤ、パイナップル、ネロリ
ミドル:ナルシス、ウォーターリリー、スズラン、トルコローズ
ベース:オークモス、パチョリ、サンダルウッド、レザー、カシミアウッド

こちらは比較的わかりやすい、アクア系のフルーティーフローラルで始まります。一世を風靡した懐かしさを感じるほどのフレッシュフルーティーフローラルで、ベースのシプレやレザーがほとんど感じられないばかりか、あっという間にフレッシュムスクに切り替わる辺り、初心者が使いやすい香りと言えます。たっぷり使っても全然平気で、持続はあるものの、薄いヴェールのまま消えていきますので、ある意味優等生的です。ウォーターリリー、スズラン系のフローラルムスクにトロピカルフルーツのトップを加えた、という香り。(04/07/2018)

 

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