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Van Cleef / ヴァンクリーフ


<香 調> フロリエンタル
<仕 様> レディース
<容 量> 50ml
<濃 度> EDP

トップ
ラズベリー、ガルバナム、ネロリ、マリーゴールド、ベルガモット
ミドル
オレンジブロッサム、ジャスミン、ローズ、ゼラニウム
ラスト
サンダルウッド、トンカビーン、ムスク、バニラ、シダーウッド



1993年発売で、Pascal Girauxによる調香。ヴァンクリーフという宝飾ブランドに相応しいというか、一発でブランドらしさをつかめるジュエリーボトルが人気の一つ。香水というのはやはりこうしたボトルの見た目の楽しさも重要なポイントですよね。ボトルの正面は平面になっていますが、裏はダイヤモンドのようなジュエリーカットデザインになっているのです。

 

 

香りは93年ということもあり、プワゾンの築いた個性的で濃厚な流れを汲んだ当時らしいバブル期の香りで、懐かしく感じるものの、やはりこれはこれでとても素敵に感じる古くないテイストです。ラズベリーという甘酸っぱいフルーツに、シャープなグリーンノートのガルバナムを重ねていますが、香り自体はそこまでフルーティーなグリーンなのではなく、飽くまでもメインはフローラルブーケ。甘さやパウダリーさを秘めたラグジュアリーなこってり感が、当時も今もセクシーに香ります。パルファムで一滴・・・というのが一番似合いそうなフロリエンタルで、ジャスミンとローズがオレンジブロッサムで明るくまとめられているのが全体像です。きちんとベースの甘さや、パウダリーなウッディノートも感じられるものであることが、大人っぽい印象を感じさせてくれているのでしょう。

時代はこの後、ベースノートがとても軽いフルーティーフローラルへと移り変わっていくわけですが、その前に流行した華やかな香りです。

(12/05/2015)

 

 

今思うと、このボトルはオリジナルの金型ですから、キャップを豪華なものに交換するだけで随分見栄えが変わるのではないかと思います。まずキャップのプラスティック部分があまりにも軽くて安っぽい。そこはシリコンやガラスに変え、ゴールドの部分もしっかりと本物のメタルに交換する。そうするとキャップ自身が重くなり、どっしりとしたスタイルになるはずです。ボトル自身、背面がミツバチのおしりのように尖ったダイヤになっている、ブランドらしいカットです。

香り自体はレヴューから8年ですので、それほど変わってはいないのですが、バブル期特有のハニーフローラルにガルバナムをアクセントに配し、少しパウダリーなスイートウッディムスクへと変化していきます。上記に記した通り、フローラルノートの軸はオレンジブロッサムで、そこにジャスミンとローズが重なり、フロリエンタルを形作っています。とてもモダンクラシカルな香りですが、そのクラシカルさを感じさせているのがガルバナムとパウダリーなベースです。セクシーでリッチという、実に時代に合った香りでした。でも一巡して今こうした香りが発売されたら新鮮に感じられるのかもしれませんよね。現代版のこの香り、創作のテーマとして面白そうです。

(13/10/2023)

 

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