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Macaque / マカク


<香 調> アロマティックオリエンタル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 60ml
<濃 度> Extrait de Parfum

トップ
ユズ、マンダリン、ジュニパーベリー
ミドル
ミルラ、ヒノキ、ハイドロカーボンレジン
ラスト
オークモス、ニューカレドニアンサンダルウッド、フランキンセンスハイパーアブソリュート



2016年発売。Sarah Mccartneyによる調香でタイトルはニホンザル。外国人がテーマにしがちなのは温泉に入っているサルだと思うのですが、東北を旅した時、寺院にいたサルたちがとても幸せそうにリラックスしていた姿を見て、日本の平和さ穏やかさを感じたのだそう。だから森の香りにお寺のフランキンセンスという組み合わせに。

 

 

トップ:シダー、グリーンアップル、レッドマンダリン
ミドル:フランキンセンス、ハニー、ガルバナム、ローズウッド、ジャスミンティー、イランイラン
ベース:シダーモス、グリーンティー、ムスク、ホワイトウード

ムエットで香った時はグリーングリーングリーンだったのですが、肌の上ではきちんとフルーツが出てきます。ハニーもガルバナムもジャスミンティーもイランイランも全てが感じられるミックス加減で、フランキンセンスだけが影を潜めています。とてもアロマティックな部分とアップルが重なり、次第にジャスミンティーベースの香りへと変化していきます。ジャスミンティーやグリーンティーベースの香りに落ち着くところが日本的なのでしょうが、フランキンセンスがもう少し主張してくれると楽しかったかな、とも。全体的にはハニーも強すぎず、ユニセックスで使えるお茶系フレグランスとなっています。

(21/10/2016)

 

 

2021年、Mackenzie Reillyによってリフォーミュラ。彼女はその際に日本のNose Shopの限定品としてフジリンゴのバージョンを作成しました。まずはユズエディションの方から。

 

 

日本人からするとユズなのか? と思ってしまうシトラスノートで、残念ながらリアルなユズ感はありません。それよりもアロマティックなジュニパーベリーが際立ち、そこからゆっりとフランキンセンスへと引き継がれていきます。とてもアロマティックでフレッシュなウッディノートにフランキンセンスが重なり、平和に暮らしている(実際はどうであれ)ニホンザルたちの日常を表現するにはぴったりの香りです。以前のバージョンはとにかくグリーンノートが強くバランスも悪く、正直サンプルで十分だったのに比べると格段の進化、改善。フランキンセンスのハイパーアブソリュートというのはIFFの技術で得られた新しいリアルな精油です。ヒノキの特徴である鼻に抜けるボルネオールの部分をジュニパーベリーのピネン類でマスキングし、ウッディノートで支えたウッディフランキンセンスとなって肌に残ります。25%と高濃度ですが、香りの展開が比較的早く、あっという間にラストノートになりますので、高濃度の方が良いのでしょう。

フジリンゴバージョンの方は、ユズをアップルに置き換えて日本人好みにしました風かと思ったら、シトラスノートをアップルに置き換えただけではなく、フランキンセンスをトップにも追加して補強されていました。それは香ってみたら納得だったのですが、アップルノートが強く長く香るため、フランキンセンスが沈んでしまうのです。アップルというのは罪作りな香料で、リアルにすればするほどチープ感が増してしまうところがあります。でもその分初心者には優しいというか、若い世代でも楽しめる、それこそD&GのLight Blueを意識したような、受け入れられそうな香りにしたということです。ユズエディションの方が定番であり、フジリンゴが限定品であることの意味はそこにあるのでしょうね。フランキンセンスを楽しむならばユズの方が良いですし、ラストノートの伸びもユズの方がしっかりとしていて、フジリンゴはあっさりと消えてしまいます。サンダルウッドの滑らかな香りがフランキンセンスと共に残るのがユズで、ムスクもほとんどなく日本人向けにあっさりと消えるのがフジリンゴです。

ニホンザルの好物のフルーツはストロベリー、みかん、リンゴだそう。意外にもバナナではないんですね。というか、刷り込まれた印象だということでしょう。フジリンゴを使った意味はそこにもあると思われるのですが、みかんは食べれどユズは食べないだろうと思ったら、彼がイメージしたのは上記の画像のように外国人にとっての定番、温泉のユズ湯に入るニホンザルだったよう。そうか、ヒノキ風呂なんですね。

(29/03/2022)

 

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