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JUL ET MAD

12/1よりproficeのトップを飾っているのがこちらのブランドです。9月に世界にお披露目され、あっという間に世界各国での販売が開始されたというこれからが楽しみな香りたちのご紹介です。ブランド名はJulienとMadalinaという意味なのですが、2人の恋の行方というかラヴストーリーが3つの香りとなって発売されたのです。

ルーマニア出身のMadalina StoicaはNYのファッションスクール在学中にパリを訪れていました。一方で旅行好きな起業家であり学者のJulien Blanchardは時を同じくパリにいて、サンジェルマンのカフェで彼女に一目惚れをする・・・。その後にデートを重ねて結婚し、新婚旅行はヴェネツィアに行ったというストーリーなのですが、お2人の恋物語は事実なのです。2004年に出会い、2007に結婚したお2人が2012年に創設したフランスブランドなのです。

普通に考えると、そんな他人の恋物語なんて・・・と思ってしまいがちですが、お2人はなんと言っても美男美女!! 現在、ブランドを仕切っているのは奥さんのMadalinaさんで、彼女が3本のフルボトルを贈ってくれました。調香は全てRobertet社の女性調香師Dorothee Piotが担当しています。

1、Stilettos on Lex

まずは奥さんの方の香り。NYのファッション業界をイメージしたような美しく妖しいフルーティーフローラルシプレで、タイトルはNYのレキシントン通りをハイヒールで歩く姿からハイヒールの名前を付けたそうです。

トップ:レモン、ペア、ダヴァナ、プラムリキュール
ミドル:スズラン、ヴァイオレットリーフ、ローズアブソリュート、ヘリオトロープ、アイリス、カーネーション
ベース:ムスク、マダガスカルバニラ、インドネシアンパチョリ、アトラスシダーウッド

2、Terrasse a St Germain

パリのカフェで偶然出会った2人が、サンジェルマンのカフェテラスというタイトルでユニセックスなフローラルウッディムスキーな香りとなりました。

トップ:グレープフルーツ、タンジェリン、ルバーブ
ミドル:フリージア、ロータスフラワー、ブルーローズ
ベース:ムスク、サンダルウッド、インドネシアンパチョリ

3、Amour de Palazzo

恋に落ちた2人はヴェネツィア旅行をします。だからタイトルは愛の宮殿。イメージしたのはヴェネツィアのラグーン、古い革の家具、香りに満ちた庭、石造りの建物と水のある風景・・・で、香りはラブダナムの効いたウッディレザリー。

トップ:ペッパー、ジンジャー、ナツメグ
ミドル:ヴァイオレットアブソリュート、アトラスシダーウッド、レザー、インドネシアンパチョリ、ラブダナム
ベース:ムスク、ウード、アンバー、パピルス、カストリウム

さぁ、どうですか?
香ってみたくなりませんか?

彼らの作った香水は、50mlのスプレータイプで価格も230ユーロ(280ドル)ととても高価なのですが、濃度はパルファムです。スプレーしても平気なほどのパルファムということですから、少し濃い目のEdPという感じですね。何よりもまず、ボトルを手にしてその美しさに魅せられました。ボトルの半分がフロストになっており、手前半分がクリアです。ロゴも背面を透かして重なるというつくりですし、何よりも個人的に大好きな底の厚いボトル!! 更に、Lubinと同じように余計なシール等の装飾が全くないのです。

そう、とにかく美しい!!

良い香水は、香りのバランスが良いだけでなく、その香りの向こうにあるストーリーが楽しめるということ、そしてパッケージやボトルのデザインが美しいこと。この3点が完璧に揃ったブランドなのです。今後はどのような展開をしていくのか、恋物語の続きはどうなるのかわかりませんが、追ってレヴューをしていく予定ですので、どうぞお楽しみに。そして、セミナー等でオフィスにお越しになる皆さまは、是非手にとって香ってみて下さいね。オフィシャルサイトでは日本への郵送もしてくれるはずですから、個人輸入も可能ですよ。


■Fueguia 1833

それは、今までにないほど、リスキーなチャレンジでした。 フエーギアと発音するこのブランドはなんと2010年にアルゼンチンはブエノスアイレスで創設されたまだ新しいブランドなのです。創設者はJulian BedelとAmalita Amoedoの2人。その後2011年4月にショップをオープンさせたところ、告知を全くせずにアメリカでも紹介される人気店となり、来年はロンドンとパリにまで進出する勢いなのですが、アルゼンチンとチリにまたがるパタゴニアの大地をイメージした商品群を引っさげて、9月にフィレンツェで開催された香水の展示会に初出展したことで注文を浴びました。展示会にとっても初の南アメリカからの出展です。パタゴニアの固有種である樹木のケースに収まった香りたちはすでに50種を超えており、キャンドルと香水がラボのような空間で発売されています。青山にお店があっても不思議でないほど洗練された空間に陳列されているこのブランドは、とにかく種類が多い、多すぎます。でもそこはうちのPalazzo Vecchioと同じですから、選ぶ楽しさを味わいながらゆっくりとセレクトしていったわけですが、カタログには調香がたった3種しか記載されていないのです!! 困った、これだけでは判断が出来ない!! でも、一応全てをメモ程度ですが列挙してみますね。

Jorge Luis Borges Collection
1、Alguien Suena (カシス、イランイラン、パチョリ)
2、Biblioteca de Babel (シダーウッド、カブリューバ、シナモン)
3、El Mono de la Tinta (コパイバ、サンダルウッド、シナモン)
4、El Otro Tigre (ムスコン、アンブレット、チュベローズ)
5、Elogio de la Sombra (アイリス、ミモザ、ベルガモット)
6、Metafora (ピンクペッパー、ジャスミン、ジンジャー)
7、Pulperia (シダーウッド、ペッパー、エレミ)
8、Sur (オレンジ、ジャスミン、ダヴァナ)

Destinos Collection
1、Castillos (チュベローズ、ジャスミン、マテ)
2、Colonia del Sacramento (ベルガモット、オレンジブロッサム、レモン)
3、Entre Rios (アカシアファルネシアーナ、アカシアキャヴァン、ブッチュリーフ)
4、Ibera (ぺティグレン、ジャスミン、オレンジブロッサム)
5、Lago del Desierto (ムスク、Lenga、Caibue)
6、Misiones (フランキンセンス、レモン、ナツメグ)
7、Pampa Humea (リーフアルコール、ユーカリ、ローズマリー)
8、Sudestada (アトラスシダーウッド、ネロリ、ブラックタバコ)
9、Zonda (ガイヤックウッド、シダーウッド、ペッパー)
10、Beagle (オーク、ラム、ガンパウダー)
11、El Drado (グレープフルーツ、タンジェリン、マグノリア、ムスク)

Personajes Collection
1、Acacia (ミモザ、アカシアキャヴァン、アイリス)
2、Bonpland (リツィアクベバ、ヴァーベナ、レモン)
3、Candido Lopez (ガイヤックウッド、ローズ、タバコ)
4、Dawin (シダーウッド、ベチバー、グレープフルーツ)
5、Fitz Roy (ヴァイオレット、アイリス、シダーウッド)
6、Humbldt (ベルガモット、Maracuja、タンジェリン)
7、Juan Manuel (センティフォリアローズ、ダマスクローズ、ピンクペッパー)
8、La Cautiva (ムスク、バニラ、ブラックカラント)
9、Magallianes (シダーウッド、アニス、ブラックペッパー)
10、Tagore (カルダモン、アンブレット、コリアンダー)
11、Thays (オスマンサス、グリーンティー、マテ)

Fabula Fauna Collection
1、Ballena de la Pampa (ムスク、Gramineae、アンバグリス)
2、Corvina Negra (ヴァイオレット、シーウィード、ソディアム)
3、Hornero (ベチバー、オポポナックス、タンジェリン)
4、Huemul (ムスコン、大環状ムスク、ジャスミン)
5、Melabrigo (カシュメラン、コパイバ、ガイヤックウッド)
6、Yaguarete (サフラン、マソイア、ジンジャー)

Linneo Collection
1、Agua Magnoliana (アマゾンマグノリア、ジャスミングランディフローラム、サンタラムアルバン)
2、Fueguier (フィグ、ムスク、ぺティグレン)
3、Jacaranda (ベルガモット、シダーモス、パチョリ)
4、Mbucuruya (Maracuja、シトラスフルーツ、ミルク)
5、Quebracho (フランキンセンス、ケード、ベルガモット)
6、Caoba (パチョリ、カカオ、アンバーグリス)
7、Galbano (ガルバナム、ムスク、オレンジブロッサム)

Amalia Collection
1、Amalia Gourmand (ジャスミン、バニラ、カラメル)
2、Amalia Primavera (ジャスミン、ヘディオン、アンバーグリス)
3、Amalia Verano (ジャスミン、タンジェリン、グレープフルーツ)

Armonias Collection
1、Dos Gardenias (ガーデニア、チュベローズ、サンバックジャスミン)
2、Fruta Amarga (マンダリン、ベチバー、パピルス)
3、Malena (ムスク、マグノリア、カシス)
4、Naranjo en Flor (ネロリ、ミモザ、ぺティグレン)
5、Tinta Roja (バニラ、チュベローズ、ガーデニア)

Home Collection(Candle)
1、Conquista (ジュニパーベリー、シダーウッド、ベルガモット)
2、Guayacan (ガイヤックウッド、ペッパー、スイートバルサム)
3、Mulata (バニラ、ミルク、アンバー)
4、Traslasierra (ラベンダー、ローズマリー、ベルガモット)
5、Yrupe (グアヴァ、パパイア、マンゴー)
(以下、香りは上記と重なっています)
6、Amalia Primavera (ジャスミン、ヘディオン、アンバーグリス)
7、Fueguier (フィグ、ムスク、ぺティグレン)
8、Juan Manuel (センティフォリアローズ、ダマスクローズ、ピンクペッパー)
9、Pampa Humea (リーフアルコール、ユーカリ、ローズマリー)
10、Pulperia (シダーウッド、ペッパー、エレミ)
11、Tinta Roja (バニラ、チュベローズ、ガーデニア)

どうですか?
圧倒されません?

Fueguiaは商品展開が特徴的で、濃度は16%、24%、32%の3種があります。

Agua de Perfume (16%) - 100ml / 155ドル(ウッドボックス入り)
Agua de Perfume (16%) - 30ml / 85ドル

Perfume (24%) - 100ml / 230ドル(ウッドボックス入り)
Perfume (24%) - 30ml / 110ドル

Absolute (32%) - 30ml / 161ドル(ウッドボックス入り)

Agua de PerfumeはいわばEdP濃度で、perfumeはパルファム濃度。Absoluteに至ってはかなりの高濃度で直接肌にスプレーしても平気なのかどうか疑問に感じるほどです。そんな彼らの商品ですが、サンプルは・・・わずか2ドルなんですよ!!

しかもすでに世界対応しています。フルボトルを1本購入すると送料無料で全世界に送ってくれるという太っ腹なブランドなのですが、問題は支払いにありました。なんと、このご時世にはあり得ないカード情報をメールするというのが必須項目だったのです・・・。

そんな、そんなリスキーなことする人が世界にいるのか?
と疑ってみても、そこは南米。それが当然のようで、カタログにまできちんとそれが記されていました・・・。あり得ない。
あり得ないと思ってはみても、誰かが買ってみないと、チャレンジしてみないといけないのならば、それはproficeが先陣を切るほかあるまい、と腹を決めてオーダーしましたとも。

1、カード情報の半分をweb上に掲示 → 確認した、と連絡があったらすぐに消去
2、カード情報の残り半分をメール
3、セキュリティコードをメール

そう。3分割してのメールでした。カード情報というのは、国内で買い物をしていてもスキミングされる機会は多々ありますから、「絶対に安全」なんてことはありません。危険はいつだってあるわけです。メールでの情報漏れはメールが残っているからに他ならないわけですから、web上にアップして速攻で消去してしまえば情報の一部しか残りません。彼らは本店だけではなく支店もあるちゃんとした企業です。顧客対応も担当がいますし、決済の担当もいるようです。ですから、彼らが情報を悪用するとは思えませんので、あったとしたらそれは漏洩なわけですよ。

怖い、確かに怖い。

でも、何かあったらすぐにカード会社が対応してくれますし、止めることも支払いを拒否することも可能です。後はただ、日々カードの使用状況をオンラインでチェックして、項目が正しいかどうかをマメにチェックしていくだけ・・・。そこを怠らなければなんとかなる!!

ということで、無事に決済も済みまして、先方から商品が届きました。Fedexで配送されるのですが、配送からわずか4日で手元に届いたのは最速だったかもしれません。Fedexは現在、(手数料のかかる)国際着払いというサービスも開始していますが、彼らに問い合わせたところ、それは使用できないとのこと。でも、カード情報をメールする危険さをとくと説明したので、今後の対応として検討してみるよ、と言ってくれました♪

まだちょっと危険な空気が漂うブランドではありますが、とりあえずフルボトル1本とサンプルが19種ありますので、年内にドバーッとレヴューしていけたらと思います。天然香料の使用率がどこまで高いかがポイントなのですが、僕の購入した1本は抜群に良い香りでしたので、早々にレヴューしていきたいと思います。でも、こればかりは皆さんにおススメ出来ませんよね。カード情報を分割して暗号化して送付するなどのやり取りを英語できちんとできないと難しいわけですし、何よりもハイリスクを覚悟しなくてはならないのですから。
(※上記の画像はムエットの代わりにフラスコを乗せているようです。フラスコ内にプッシュして香る、ということですね。)


(03/12/2012)

 

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