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■The Scent of Excellence

 

 

今まで、Esxkinと呼ばれるスキンケア、コスメ部門が少ないながらも一角にありました。出展社たちは出口に近い場所だったのですが、それが遂に追いやられ、別会場となったのです。関係者たちは一様に、Esxkinのための別会場だと直前まで疑っていなかったのです。僕もそうでした。ところが、Blood ConceptのGivanniから連絡を貰って初めて、その別会場にもパフューマリーが出展していることを知ったのです。これは大変!! みんなにアナウンスしなきゃ!! 誰も行かないよ、きっと。

 

 

連絡をくれたGiovanniはパフューマリーのPR会社を立ち上げ、5つほどのブランドを展示していました。彼の扱う香りの中で一番目を引いたのはスタートしたばかりのRajaniというブランド。インドをテーマに夜をイメージした4つの香りでデビューです。彼からの連絡がなかったら、別会場には最終日までいかなかったでしょう。しかも、初日の受付で別会場のパンフレットが配布されなかったんですよ。2日目に慌てて会場の外で配布されましたが、時すでに遅しですよね。余程人が入ってなかったのでは? 僕も出かけてみてびっくりでした。4階建ての会場の2階分は全てパフューマリーでしたから。1つ1つじっくりと見たら1日要してしまうでしょう。最終日にしよう・・・と思ったジャーナリストもいたと思うのですが、驚くことにこの別会場は3日目で終了したのでした。本会場は4日間なのに。

 

 

Acqua di Stresaからは、新たにStresaとは関係ない歴史上の人物をテーマとした4種の香りがラインナップ。 発売は少し先、9月のようです。

 

 

別会場の中で一番楽しませてくれたのはOlfactoというパフューマリーでした。一番試してみたかったのです。

 

 

何故なら、アイボリーコーストと呼ばれるアフリカの国、コートジボワール出身のパトリックによるブランドだから。そう、リアルなアフリカンの作ったアフリカの香りなんです。それぞれ1つずつアフリカのエッセンスが使われていて、レアなカロカロンデやアフリカンストーンももちろんありました。彼は大学卒業までをコートジボワールで過ごし、その後はフランスのルーアンへ。話をしてみて驚いたのは、彼は半年間向島に住んでいたことがあるのだそう。何だかそれだけで親近感がわいてしまい、皆さんに紹介してしまいましたよ。残念ながらサンプルの用意はありませんでしたが、フランスのJovoyで発売中。スタートしたばかりですので、流通が広がるのを楽しみに待ちましょう。

 

 

ギリギリで展示会に間に合ったのは、パリ発のニューカマーLORです。調香は全てNathalie Feisthauerさんで、ボトルにはまだタイトルの印刷すらなく、底に手書きで書かれていました。でも、サンプルは用意されていたという拍手のブランド。少し違う角度から表現してみました、という感じのつ5の香りでこの春デビューとなります。

 

 

今年は他にも羽をブランド名にしたブランドがありましたが、こちらもそう。Plume Impressionと言います。フランスブランドとしているようですが、中東のパリジャンというテイストです。ボトルの底が厚く豪華で、パッケージには写真を入れて結婚式などの記念品にも使えるようになっています。また、簡単に言うとフレッシュで明るい3種と、オリエンタルな3種の2つのコレクションに分かれていて、ボックスもホワイトとブラックに分かれています。把握しやすいですよね。

 

 

今まで、ホテルでの展示会というのはありましたが、朝食ミーティングが行われたのは初めてでした。友人からの誘いだったため、単純に日本市場について聞きたいとか、その程度のことだと思っていたら、直前になってジャーナリストたちに招集がかかっていたことが判明して慌てました。世界名香物語(パフュームレジェンド)の著者であり、Fragrance of the Worldというデータベースを管理しているMichael Edwards氏による朝食ミーティングだったのでした。昨年のPittiでランチをご一緒した際にはそんなこと全然言ってなかったのに、続編が発売されるそう。上記の用紙の裏新たな目次となっていました。

 

 

蓋を開けてみたら、皆さん知り合いばかりで一安心。なんだーーー、朝8時のご挨拶です。アメリカ、イギリス、イタリア、ポーランド他のジャーナリストたち。Youtuberさんたちも何人かいますね。一番奥はジェレミー。僕の向かい側は日本語を少し話せるニック。

83年からデータを取り始めて36年。その分析を説明してくださいました。ニッチなフレグランスがいかに成熟してきたかというデータによる分析と、今後の展望についてのお話、そして新刊の説明など。Michael Edwards氏も覚えて下っていて、Nightingaleがすごく良かったんだよ、とリップサービスまで。

 

 

早朝過ぎたので、展示会に前に1つ別のミーティングを済ませて向かったのは、ホテルでした。会場近くのホテルのスイートルームを使用して、クローズドの展示会をしていたのがCarbonnel社です。彼らの会社で製造をしているブランドが展示会をしていたのです。もちろんそこにはZoologistが。ということでVictorとも会って話をし、少し外でミーティングも。彼は今9種を抱えているんですよ。2、3年は安泰ですよね。でも忙しそう〜。

 

 

Carbonnel社の友人クリスによると、今度Qvro & Joosというブランドがスタートするのだそう。え? どこ? と聞いたらセネガルだって!! アフリカ発はまだまだミステリアス。注目をされますからね。

 

 

本会場に戻っていた僕にメッセージが届いたのは午後のこと。Stephane Humbert Lucasのインスタメッセージで届いたのは、ステファンはここにいるよー、というもの。そんなこと知ってるよ、と思ったけれど、人がいないのかな、と心配になって部屋番号を聞いて駆けつける。

駆けつけてみて分かったこと。それは、彼のブランドのインスタやFBを管理しているのが奥さんだということ。奥さんはマネージメントの会社を経営しているんですよね。彼をマネージメントしている・・・そう。だから、毎回ふらふらとあっちこっちに出かけてしまって自分のブースにいない彼を、ホテルの部屋に閉じ込めたのです!! なんというやり手!! ホテルならコーヒーもルームサービスで飲めますから、彼は外に出られません。奥さんと大爆笑でしたよ。

 

 

昔話に花を咲かせた後、彼は限られたごく一部に公開された新展開を見せてくれました。ジャーナリストでは僕が初めてだったのだそう。これは情報が解禁になったら、ということで。彼はタバコもお酒もやめたんだよ、と言っていたのですが、それでは何だかステファンではなくなってしまう。そうか、だから新作はあんなに繊細だったのか、と伝えたら大笑い。そう、彼はもっとこう、ダークなちょっと怪しい展開をしていないとだよ、なんて無駄話をしていたら、「そのアイデアすぐやろうよ」なんて盛り上がったのでした。いやぁ、こういう無駄話が本当に楽しい。髪は白くなってきたけど、ステファンは13年前と全然変わっていないんですよ。

 

 

そろそろ今日は終わりだよね、という時間にスタートしたのはCarbonnel社のホテルのスイートで開催されたカクテルパーティー。Ramon Monegal氏のご挨拶でパーティーはスタート!! 動画で撮影してしまい、うっかり写真はこれだけだったのでした。手前右側に映っているのは活躍が目覚ましい若手調香師のAlex Leeくん。彼はこの日、最後までご一緒だったのですが、さすかに若い!! 体力の差を感じました・・・。そして中央にいるのがVictor。

 

 

ホテルをそそくさと後にして向かったのは19時に始まったMasque Milanoのシャンパンパーティーでした。彼らは今年2つの新作を公開したのですが、その1つが日本の金継ぎをテーマとしたタイトルもすばり、Kinthugiでした。もう一つはロミオとジュリエットをテーマとしたLove Killsで、そちらはそれはもう万歳したくなるほどローズが美しい香りでした。上の画像で分かりますか? 左側にいるの・・・Alex Leeくんです。

 

 

30mlだけでなく新たに100mlと10mlの展開もスタートするそう。いつも「このトランクはどこで買えるの?」と聞かれるそうなのですが、これは非売品ですよー、と。

 

 

Masque Milanoのパーティーをそこそこで抜け出して、21時スタートのNishaneのパーティーでした。Masque Milanoは10 Corsocomoだったのですが、少し離れたホテルまで大急ぎで移動します。この春、Nishaneは6つの新作を公開しましたから、それらを試せる空間になっていました。しかも、飲みながら。

 

 

ホテルはゴシックな雰囲気漂う豪華な作りで、4つの部屋がパーティー用に用意されていました。1つは歓談用の間。1つはカクテル用の間。シャンパン、カクテル、ビール・・・全て飲み放題です。

 

 

21時はまだ始まったばかりの状態で人も少なかったため、ボトルを持ち出して自由に撮影することも出来ました。信用されているとナンでも許してくれちゃう。

 

 

22時を過ぎた頃から人が増え始め、22時半にもなるとDJブースの間が人気に。誰でも知っている音楽でみんな踊る踊る踊る。わかりますか? 一番奥にいる背の高い男性が、Alex Leeくんです。そして手前にいる男性は、この春ようやく対面することが出来ました、Rocardo Lamos氏です。一気に距離が縮まり仲良くなったのでした。April AromaticsのターニャもMasuqe Milanoのパーティーから一緒で、友人たちとの時間を深夜まで楽しんだのでした。さすがに3つ梯子したのは初めてでしたよ。

 

 

展示会の会場には、出展していないブランドの人たちもたくさん来ています。メールのやり取りしかしていなかった人たちと実際に会うことのできる場所なのです。そこで会いましょうという約束になっていたのは、Senyokoというパリ発のパフューマリーです。彼らは昨年2つの香りでデビューしたのですが、この日そのうちの1つの香りが、Art & Olfaction Awardでファイナリストに選ばれました。オーナーさんの奥さんがフレンチジャパニーズだということで、日本の障子紙をモチーフとしたとても和風なテイストで凝りに凝った、細部まで手を抜かない商品づくりをしています。いろいろと個人的にミラクルな出会いでもありましたので、それは後日レヴューに記載したいと思います。彼らは今年さらに2種の新作をリリース予定です。情報解禁のタイミングで残り2種もレヴューしたいと思います。この日、会場の片隅のテーブルで彼らを待機させ、そこに会場を一周してジャーナリストの友人たちに声をかけて集合してもらいました。一気に、とても効率良くPR出来たよね、ということで。頼ってくれているのだから、力いっぱい協力しますとも。

 

 

左端にするのはすっかり仲良くなったRicardo Ramos氏、そして僕の両隣はNishaneのお二人。右端にいるのは昨年の秋からMichael Edwards氏の Fragrance of the Worldを手伝っているオーストラリアのジャーナリストクレイトンくん。彼とは3、4年振りの再会で、彼が朝食ミーティングに誘ってくれたのでした。

 

 

今年、一番嬉しかったのは彼との出会いだったかもしれません。Olfactive Studioはこの秋発売予定の3つのフローラルの香りを用意していましたが、そのイメージ写真を撮影したフォトグラファーが彼、Roberto Greco氏なのです。 インスタもFBでも有名な香水を専門に撮影している方で、ありとあらゆるブランドかに声がかかっている、ニッチな市場で大成功しているフォトグラファー。僕は彼のテイストが大好きでフォローしていたので、声をかけてくれた時には驚きましたよ。フォトグラファーたちは、被写体になることを嫌がる人たちが多いと思いましたが、彼は快く撮影に応じてくれたのでした。感謝!!

 

 

Esxence 11。ここまで10年かかったんだよね。主催の一人であるシルヴィオ氏とのコメントのやり取りが思い出されます。 今年もたくさんのブランドと知り合い、仲良くなり、駆け足で過ごした4日間でした。本当に僕にとっては世界規模のオフ会で、友人たちのありがたさを実感する季節でもあります。さぁ、勢い良くレヴューを始めましょうか。

(04/05/2019)

 

 

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