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<Gタイプ --- 過去の開催内容>
Original Osmanthus
(profice original)
Original Gardenia
(profice original)


1つはフルーティーなキンモクセイで、もう1つはフランキンセンスとレザーの香る大人のキンモクセイです。共に9種類の香料を加えて7.2mlのキンモクセイを作り、そこにフルーティーなキンモクセイは9種の香料を、大人のキンモクセイは11種の香料を追加して14.4mlとします。最後に0.6mlを皆さんのお好みで追加し、合計15mlのオリジナルなキンモクセイの香水とする内容です。
香料を香りながら1つ1つ決められた量だけ入れていくだけの、ほぼ完成のレシピを用意していますので、初心者の方でも気兼ねなくご参加が出来る内容となっています。
毎年、開花の季節にはキンモクセイの香りが話題となり、香水を探す方も増えます。今年は開花の季節を少し先取りして手作りしてみてはいかがでしょうか?

※ただ、レシピはキンモクセイの調合香料を作るところからスタートしますので、キンモクセイの香りの成分などが学べます。
15mlのEdT <4,500円>
2010年 : 9/4、19、23、26


くちなしの花のクリーミーで甘い香りを探し求めていろいろなブランドの香水を買い求めた方も多いことと思います。でも、今、そこに咲いているくちなしの香りを完全に再現した香水というのはそんなに簡単には見つかりません。何故なら、生花は同じ香りを発し続けるのに対し、香水は時間と共に香りが変化してしまうからです。
この夏に開催しますガーデニアま香りは、僕がproficeのオリジナルとして生花を横に置き、香りながら組み立てた納得のガーデニアです。最後に少し香料をご自身で足すことの出来る、余裕を持ったレシピとなっていますので、皆さんも今年版のガーデニアを作ってみてはいかがでしょうか?
15mlのEdT <4,500円>
2011年 : 7/14
2012年 : 6/1、10/22
象牙〜Tuberose Lover
(ぞうげいろ)
萌葱〜Aromatics
(もえぎいろ)
1mlが1万円は下らない高価なチュベローズアブソリュートを使用したチュベローズ好きな方のための香りです。現在の産地であるインドをイメージし、スパイスやウッディノート、トロピカルなフローラル感を合わせた豪華レシピとなります。Rose Oud同様に、希少で高価な香料を多用しますので、それぞれの香料たちを実際に使ってみたかった、香ってみたかったという方にはぴったりなのではないでしょうか。価格もグッと抑えていますので、頻繁に開催することの出来ない天然香料100%の内容です。

<使用香料 24種>
スイートオレンジ、マンダリン、レモン、ピンクペッパー、クローヴ、コリアンダー、チュベローズabs、フランジパニabs、ナグチャンパ、チャンパカフラワーabs、イランイラン、ジャスミンabs、ローズabs、ホワイトロータス、リツィアクベバ、フランキンセンス、ペルーバルサム、コパイババルサム、シダーウッド、サンダルウッド、スティラックス、バニラabs、アンブレットシード

15mlのEdT <5,000円>
2012年 : 7/15
精油はたくさん持っているし、時々使用しているけれど、上手にブレンドが出来ないという方のために、比較的入手が簡単で、とてもメジャーな香料ばかりを用いてまとめたレシピです。アロマセラピーや天然香料を用いたレシピとして書籍に登場するのはほとんど5、6種類のブレンドで、それではアロマブレンドであって香水ではありません。きちんとトップ、ミドル、ベースと香りの変化を楽しみながら使える「香水」としての本格的なレシピの公開。天然香料100%のレシピです。

<使用香料 26種>
ベルガモット、レモン、スイートオレンジ、グレープフルーツ、レモングラス、エレミ、クローヴ、コリアンダー、ブラックペッパー、ペパーミント、ローズウッド、サイプレスパインニードルズ、ファーニードルズ、ゼラニウム、ジュニパーベリー、ローズマリー、クラリセージ、ラベンダー、マートル、イランイラン、ヒノキ、ベチバー、シダーウッド、フランキンセンス、ベンゾイン

15mlのEdT <4,000円>
2012年 : 7/14、11/25
蘇芳〜Rose Oud
(すおういろ)
浅黄〜Elemi Lover
(うすきいろ)
香料の中でもひときわ高価で希少なウード(沈香)は、近年の香水ブームを牽引しています。天然香料100%で、本物のウードの香料を使用したらどのような香りになるのか・・・ということにチャレンジしたレシピです。天然香料のみで組むとローズabsはなかなか綺麗に香りたちません。ですから、とんでもなく多量なローズabsを使用するレシピとなりました。豪華すぎるローズabsとウードだけではなく、他にも希少で高価な香料を多用しますので、そういった香料を「1度使ってみたかった!!」という方にもおススメ。天然の動物香料であるカストリウムも使用します。

<使用香料 25種>
レモン、ベルガモット、サフラン、ナツメグ、コリアンダー、ゼラニウム、ローズabsチュベローズabs、ジャスミンabs、フランジパニabs、チャンパカフラワーabs、シダーウッド、ベチバー、フランキンセンス、ウード、カストリウム、ケード、パチョリabs、サンダルウッド、ガイヤックウッド、ラブダナム、ペルーバルサム、シャムベンゾイン、コスタスルート、イモーテル

15mlのEdT <6,000円>
2012年 : 7/15、11/3(大阪)、25
セミナーを開催していく中で、個性的ながらとても人気の高い香りがあります。それはエレミです。近年、この香りを積極的に取り入れるブランドが増えてきたのですが、なかなか馴染みがなかったり、個人ではブレンドしづらい精油なのではないでしょうか? このエレミをしっかりと楽しめるよう、フランキンセンスとエレミを軸とした香りのレシピを組みました。フランキンセンスがお好きな方にもぴったりな天然香料100%のレシピです。

<使用香料 26種>
エレミ、レモン、セドラ、イランイラン、ナグチャンパ、チャイニーズペッパー(山椒)、ブラックペッパー、ピンクペッパー、ジュニパーベリー、サイプレス、コリアンダー、フランキンセンス、コパイババルサム、ローズabs、グレープフルーツ、スプルース、ツリーモス、パチョリ、オポポナックス、ペルーバルサム、ラブダナム、シャムウッド、スパイクナード、ボワ・ドゥ・アンサン

15mlのEdT <4,500円>
2012年 : 7/14
白橡〜Sandalwood Lover
(しろつるばみ)
黄蘗〜Yuzu & Hinoki
(きはだいろ)
セミナーを開催していると、男女問わずサンダルウッドの香りを愛する方の多さに驚かされます。古来よりいろいろな形で日本文化の中に溶け込んできた白檀ですが、香水となるとそれらしさを存分に楽しめる香りが意外と少ないことに気付かされます。それは、メインにするには地味だというのがヨーロッパを始めとした華やかな文化圏での考え方だからのようです。でも、日本人にとってはとても心落ち着く安心感を感じられる香りですよね。今回は、その質の高さから世界的に注目されているニューカレドニア産のサンダルウッドと貴重なサンダルウッドアブソリュートを含め3種4タイプのサンダルウッドを比較しながら豪華に使ったレシピを公開していきたいと思います。学名の違うサンダルウッドを比較しながら手作りする楽しさを体験いただけることと思います。

スパイシーなトップノートから微かにフローラルの香るしっとりとしたサンダルウッドへの変化した後、柔らかなサンダルウッドが肌に残ります。

<使用香料 28種>
4種のサンダルウッド、アイリス、マソイアバーク、トンカビーン、ヴァージニアシダーウッド、ジャスミンアブソリュート、オポポナックス、スティラックス、ラブダナム、ナガルモタ、チャンパカフラワー、メース、ピンクペッパー、サフランアブソリュート、パチョリ、オークモスアブソリュート、イランイラン、シャムウッド、マンダリンペティグレン、コリアンダー、ビターオレンジ、ウード、ローズアブソリュート、ターペンティン、ケード

15mlのEdT <5,000円>
2012年 : 9/9、13
日本をイメージした香りを創るとなると必ず最初に思い浮かぶのが柚子とヒノキの香りだと思います。ところが、柚子はまだしもこのヒノキの香りというのは香水の中ではとても個性的で使いづらい香りなのです。それは、竜脳と呼ばれる樟脳のような成分が鼻に抜ける。ヒノキの精油分の中のこの竜脳はトップノートで揮発し、ウッディ部分が肌に残るのですが、ヒノキの配合が多すぎると肌に乗せた瞬間の竜脳のパワーに全てがかき消されてしまうのです。一見メジャーな香りながら使いづらいこのヒノキの香りをうまく使いこなした香水というものに僕はまだ出会ったことがありませんでした。セミナーに参加された皆様のリクエストにお応えする形で生まれた、proficeのオリジナル柚子 & ヒノキの形。それはもちろん天然香料100%のレシピです。

柚子が印象的に香った後、軽いウッディノートが爽やかに香ります。 白橡よりも幾分爽やかで、少しハーバルノートも感じられるのがこちら。

<使用香料 28種>
ヒノキ、ヒバ、柚子、ベルガモット、レモンペティグレン、マンダリンペティグレン、ネロリ、アトラスシダーウッド、アミリスウッド、マソイアバーク、シャムウッド、ローズウッド、ブラックペッパー、ジンジャー、ファーバルサム、ナガルモタ、カーネーションアブソリュート、ハニーサックルアブソリュート、ライトパチョリ、フランキンセンス、オポポナックス、シャムベンゾイン、グレープフルーツ、ビターオレンジ、トンカビーン、ターペンティン、アンブレットシード、コスタスルート

15mlのEdT <4,500円>
2012年 : 9/9、13
香光
(こうこう)
月光
(げっこう)


仏教用語に「香光荘厳」という言葉があります。香りに染まれば自らが香りを放つようになる(だからしっかり念仏を唱えて仏心に包まれなさい)という意味の言葉なのですが、香りに染まれば自らが香りを放つようになる・・・という姿がとても神々しく思え、この香りのタイトルとしました。この香りの特徴はもちろん、画像のような金木犀の香りなのです。真夜中、大きな金木犀の樹木の下に佇むと、香りが降ってくるように感じる・・・そんな瞬間をオリジナルの香りとしてまとめました。下記にありますOriginal Oamanthusとはまた別の細かなレシピで、こちらは天然香料100%ではありません。感動するほど素晴らしい金木犀の天然香料(オスマンサスアブソリュート)を入手したことで開催を決定したのですが、開催日程はちょうど咲くか咲かないか、という時期のはずです。天然香料の良さを活かしたproficeらしい金木犀の香りはいかがでしょうか?

<使用香料 30種>
トップ:スイートオレンジ、ピーチ、サフラン
ミドル:オスマンサスアブソリュート、オスマンサスアコード、ローズ、ジャスミン、スズラン、ヴァイオレット
ベース:ケード、トンカビーン、フランキンセンス、イソイースーパー、アンバーグリス、ウード、ムスク

15mlのEdT <5,500円>
2012年 : 10/6 、8


「秋風に たなびく雲の たえまより もれいづる月のかげのさやけさ」
藤原顕輔が詠んだこの和歌は新古今集のものですが、百人一首にも収められているのでご存知の方も多いと思います。雲間から漏れてくる月光はなんと清々しいことか、とその月明かりを詠んだわけですが、涼しくなり始めた秋の空。深夜ではなく夕刻から夜な感じですよね。太陽の光は黄色のイメージなのですが、月明かりは乳白色からクリーム色のイメージなのです。ですから、乳白色のフランキンセンスをキラキラとアルデヒドで輝かせ、そこに貴重なハニーサックルアブソリュートやフローラルノートを重ね、全体的にフレッシュでいながらフランキンセンスがしっかり香る、という香りにまとめました。こちらも香光同様に天然香料100%でありませんが、大量のフランキンセンスを使用しています。ハニーサクルアブソリュートはネロリとジャスミンを足したような美しい香りで、それをジュエリーのように中に隠しました。作った者だけがその存在に気づいて笑を浮かべる、そんな隠し味として。(2013年の開催は、入手が難しい香料を置き換えた、リフォーミュラレシピでの開催となります)

<使用香料 28種>
トップ:ベルガモット、レモン、エレミ、アルデヒド、コリアンダー
ミドル:フランキンセンス、ハニーサックルabs、ローズabs、ローズ、スズラン、イランイラン、ジャスミン、アイリス
ベース:アンバーグリス、イソイースーパー、スティラックス、ミルラ、ムスク

15mlのEdT <4,500円>
2012年 : 10/6、8 、24
7.5mlのP <4,500円>
2012年 : 12/16、23
2013年 : 10/26
心中
(しんじゅう)
密会
(みっかい)


「契りきな かたみに袖を 絞りつつ 末の松山 波こさじとは」
清原元輔

夫婦の契を交わしましたよね。(約束しましたよね) 互いの(涙に)濡れた袖を絞りながら、末の松山を波が決して越えられないように、私たち2人に心変わりはないのだと・・・という裏切りの情念を詠んだ一首から、裏切ることなく一緒になるためには死を選ばざるを得なかった曽根崎心中の2人になぞらえ、天国で夫婦になることを固く誓い合い、愛と名誉を守るために、心中するその姿を、女性をチュベローズで、男性をスエードで表現し、肌の柔らかさと温かみ、そして決意の漲る悲哀のアクセントを付けた香りとして表現しました。トップでこそ少し可愛らしいフルーツも見え隠れしますが、ベースは和服に似合うシプレで、ツリーモスとパチョリのダブルアブソリュートにし、ジャスミンやチュベローズのアブソリュートも使用した豪華な香りとなっています。(天然香料100%ではありません)

<使用香料 30種>

トップ:ベルガモット、キンカン、カシス、ピーチ
ミドル:チュベローズチュベローズabs、イランイラン、ジャスミン、ジャスミンabs、チャンパカフラワー、アイリス
ベース:スエード、ツリーモスabs、パチョリabs、フランキンセンス、サンダルウッド、ムスク、ケード、シベット

15mlのEdT <4,500円>
2012年 : 11/17、25
8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 4/13


「住之江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通い路 人目よくらむ」
藤原敏行朝臣

昼だけではなく、住之江の岸に打ち寄せる波のように、夜の夢の中でさえも、あなたはなぜ人目を避けようとなさるのでしょうか・・・という夢の中でさえも人目を避けて合うことが出来ないと嘆く様子から、会えるとしたらどんな香りをまとうのか、と想像した香りが密会です。この詩の書かれた平安時代は男性が女性の元へと通うのが常だった時代であり、夢での出来事に一喜一憂していた時代でもあります。そんな中、灯火片手に自ら会いに行くことが許されるのであれば、あなたはどのような香りを選びますか?

香りは4種のローズを重ねたパウダリーなローズに、甘さを持ったスイートシプレノートを重ねて表現したのですが、オンブルローズオリジナルノンブルノワールを重ねたようなセクシーでありつつ和服似合うパウダリーなローズシプレとなりました。近年流行の香りが軽すぎて少しつまらないと感じている方、古き良き往年の「香水らしい香水」がお好きな方はとてもお好みの香りだと思います。(天然香料100%ではありません)

<使用香料 31種>
トップ:ベルガモット、レモン、ピンクペッパー、アルデヒド、フルーティーノート
ミドル:ローズabsロースドメイabsローズレッドローズ、イランイラン、ジャスミン、ヘリオトロープ、アイリス、ヴァイオレット
ベース:アンバーグリス、イソイースーパー、ハニーノート、バニラ、パチョリオークモス、トンカビーン、サンダルウッド、ムスク

15mlのEdT <4,500円>
2012年 : 11/3(大阪)、11/10、17
8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 4/13

(poison)

(holy)


恋をした少女の唇に毒を塗ってやりたいと思う・・・と詠んだ、元祖肉食系歌人、与謝野晶子。これは恋というのは甘いだけではなく、苦しい部分もあるのだということを示唆している指南歌だと言われていますが、僕にはどうしても若さに嫉妬して詠んだように思えてしまい、毒というタイトルでの制作となりました。レシピの通りに作っていくと、ギリギリのところまで可愛らしいフルーティーフローラルが出来上がります。いつもは0.4mlを各自で加えて完成品とするのですが、今回は多めに1.0ml残しています。最後に加える「毒」の要素で一気に大人の香りにすることも出来ますし、幼さの残る可愛らしい香りにすることも出来ます。あなたなら、どのような「毒」を忍ばせますか?

更に最後に・・・色素を加えて完成です。

<使用香料 26種 + 毒7種 >
トップ:ピーチ、ペア、グリーンアップル、オレンジ、プラム
ミドル:ローズドメイabs、ローズabs、ヴァイオレット、ナグチャンパ
ベース:ハニー、サンダルウッド、バニラ、シダーウッド、ムスク
<毒 : アーモンド、レッドペッパー、シベット、スエード、パチョリabs、クミン、オークモス>

15mlのEdT <4,500円>
2012年 : 12/15


百人一首にも選ばれていますので、認知度の高い和泉式部の詠んだ和歌です。「私はまもなくこの世を去ってしまいますが、あの世での思い出とするため、最期にあなたにお会いしたい」という病床から詠んだ和歌です。死期が近づく不安を詠んだものだとされていますが、悲哀に満ちたものではなく、どちらかというと死を悟った時、好きな相手に「出会えて良かった」と感謝しているようにも思えてきます。自らの死を覚悟した場合、どのような香りで見送って欲しいのか、と考えたら・・・僕はやはり菊と線香ではなく、華やかな花々であってほしいと思ってしまったのです。12月ですから教会の祈りと重ね、聖母マリアの百合を中心としたフローラルブーケが聖歌のように流れて広がるような、静謐な香りを作ってみました。

<使用香料 30種>
トップ:ベルガモット、レモン、ネロリ
ミドル:カサブランカ、ジャスミン、スズラン、スイートピー、ガーデニアabs、イランイラン、ローズドメイ、レッドローズ、ジャスミンabs、チュベローズabs
ベース:フランキンセンス、バニラ、スパイクナード、ミルラ、サンダルウッド、Iso E Super、アンバー、ムスク...など

15mlのEdT <4,500円>
2012年 : 12/15
2013年 : 4/3
西風
(zefiro)
花簪
(plum blossom hairpin)


霞みのかかった春の山辺はまだ遠くにあるけれど、そこから吹いてくる風は春の香りを運んでくる・・・という早春を詠んだ1句です。早春の草原を吹き渡る風が遠くまで春の香りを運ぶ・・・。どのような香りがしたら「あぁ、春になったんだ」と感じられるのか、と考えたところ、それはきっと少しグリーンなナルシスだろう、と。

日本にも水仙の産地はたくさんありますよね。温暖な気候の場所でいち早く春を告げて咲く水仙の香りを、シングルノートとして表現してみました。市場にはなかなかみられない水仙の香りです。そう、春を告げる西風の神ゼフィーロの吐息は水仙の香りだったのです。

<使用香料 33種>
トップ:ぺティグレン、ベルガモット、レモン、ピーチ、グリーンノート
ミドル:ネロリ、オレンジブロッサム、ジャスミン、ローズ、スズラン、ミモザ、ヘリオトロープ
ベース:ハニーノート、ムスク

15mlのEdT <4,500円>
7.5mlのパルファム <4,500円>
2013年 : 1/19、27、4/14


上東門院が出家した際、妹の妍子が詠んだとされる和歌で、「出家して法衣の色が墨染の黒に変わってしまうことを思いやって流した涙は、お贈りする沈香の数珠と混じって区別が付かなくなるでしょう。」という、出家した姉を思いやる妹の気持ちの内容を包み込むように詠んだもの。この方、沈香で出来た数珠を銀の箱に入れ、結び目を手折った梅の枝で留めて贈ったのだそうです。

贈られた姉が、梅の枝を髪にさし、沈香の数珠で祈る姿をイメージして表現したため、悲哀に満ちたダークな香りではなく、喜びをも感じる梅とウード(沈香)のコンビネーションとなりました。梅を生かしたフロリエンタルとなっています。

<使用香料 30種>
トップ:
ミドル:、ジャスミン、ローズabs、レッドローズ、スズラン
ベース:2種のウード、アンバーウッディノート、パチョリ、ムスク
15mlのEdT <4,500円>
7.5mlのパルファム <4,500円>
2013年 : 1/19
薄紫
(hyacinth mint)
恋紫
(violet potion)


北原白秋が詠んだ恋のうた。当時、不倫中だったとされる時期の短歌のようですが、初めて会った女性に一目惚れをし、初恋のように淡い恋心を、ヒヤシンスのようだと詠んだもの。ヒヤシンスには様々な花色があり、ギリシア神話の中では額から流れた血が花となったなど、少しドロドロとした歴史を背景にもっているのですが、春を待つ期待感とフレッシュな初恋のイメージを、ありそうでなかったproficeらしい組み合わせとして、ヒヤシンスとミントで表現しました。薄紫というよりもかなりグリーンに近いイメージカラーの香りとなりましたが、グリーンの中にふわふわと漂うヒヤシンスの薄紫を感じていただけたらと思います。リクエストにより、2月はパルファム濃度での開催となりました。

<使用香料 33種>
トップ:レモン、ベルガモット、ペパーミント、ピンクペッパー、カシス
ミドル:ヒヤシンス、ローズアブソリュート、ローズドゥメイ、ヒヤシンスアブソリュート、ジャスミン、リンデンブロッサム、シクラメン、ヘリオトロピン、イランイラン
ベース:モス、ハニー、ウッディノート、ムスク

8.5mlのパルファム <4,500円>
2013年 : 2/9、23、4/14
2014年 : 2/16


神様、聞いて下さい。恋は野に咲くスミレの紫だと言います。春の夕暮れ、その紫のスミレを、恋を讃える声が聞こえるのです。

「恋はスミレの紫こそ」と最愛の旦那が言ったんだから間違いない。と、熱い口調で詠んだに違いない与謝野晶子の短歌です。紫色のスミレが、私の恋を応援している、と高らかに宣言したような勢いのある内容がいかにも前へ前へと進もうとする元祖肉食系歌人、与謝野晶子に相応しい、と。スミレのあの可憐で小さな姿を最大限まで引き伸ばし、魅力ある様子に引き伸ばしたイメージをパチョリとヴァイオレットという組み合わせでダークに歪ませて表現をしました。恋を湛える紫の花は、中に燃えるローズアブソリュートをたっぷりと潜ませています。夕暮れからが似合う、オリエンタルなヴァイオレットの香り。

<使用香料 33種>
トップ:キンカン、オレンジ、プラム
ミドル:ヴァイオレット、ヴァイオレットリーフ、ジャスミン、3種のローズ、ミモザ、ヘリオトロープ、アイリス
ベース:パチョリ、オークモス、ウード、バニラ、スティラックス、ラブダナム、アンバーグリス、ムスク
8.5mlのパルファム <4,500円>
2013年 : 2/23、24
2014年 : 2/16
桜風
(Cherry blossom breeze)
女神
(Daphne)


桜の香水というのは、国内でもいくつかのタイプが発売されていますし、海外でも季節になると発売されたりします。いろいろなタイプの香りがあるわけですが、短歌の中に詠まれているような、風の中から感じる、とてもエアリーてフレッシュな桜の香りのレシピをまとめてみました。芳香性の桜というのはあまり並木として植えられていなかったりするのですが、桜並木を歩いている時、ふっと風の中に桜の香りを感じた瞬間、この香りを作ろうと決めました。どの桜が香っているのか全くわからない状態ですが、香りで存在を知る、というのはとてもステキな体験ですよね。桜の花弁が満開を過ぎて散るとき、それは水のない空に波がたったようだ・・・というこちらの和歌を選びました。

<使用香料 34種>
トップ:ベルガモット、レモン、グリーンアップル、ピーチ
ミドル:チェリーブロッサム、ヘディオン、ローズドゥメイ、ローズアブソリュート、ヘリオトロープ
ベース:アイリス、サンダルウッド、シダーウッド、アンバーグリス、ムスク

15mlのEdT <4,500円>
2013年 : 3/16、17、30


2014年 : 3/16
2015年 : 2/28


春に咲く花の中でも、香りが強いのに開花しないと気づかれない花の代表です。沈丁花は英語名でダフネと言うのですが、アポロンからの求愛を逃れて月桂樹へと身を変えた女神でもあります。

沈丁花は少し暗い場所で生育するため、日陰の垣根に使用されることが多いのですが、森の中で、死んでもいいと思えるほどに沈丁花が咲き誇っていた、それはそれは素晴らしい香りに違いない・・・ということで、グリーンノートとシトラスを使用した軽やかで綺麗な早春にぴったりな香りとしてレシピをまとめました。パルファム濃度ではなく、こちらは是非EdT濃度でお楽しみいただきたい香りです。

<使用香料 33種>
トップ:レモン、ベルガモット、ぺティグレン、ジンジャー、グリーンノート
ミドル:ネロリ、スズラン、ローズ、ジャスミン、イランイラン
ベース:サンダルウッド、パチョリ、オークモス、ムスク

15mlのEdT <4,500円>
2013年 : 3/10、17、12/13
2014年 : 3/16

(Smile)

(Bracken)


思わず笑みのこぼれるような、優しい顔つきになれるような香りを目指して調香しました。朝起きて、昨日までつぼみだった花が開花している様子を見つけた時の小さな喜び。これは、天皇皇后両陛下が訪米した94年の歓迎式典で、クリントン元大統領が演説に引用したことで有名となって短歌です。こんな小さな、些細なことに喜びを感じられるなんて、なんて日本人の感性は素晴らしいんだ、と。こうしたふとした笑顔になる瞬間を大切に、という気持ちを込めて、フレッシュでありながらも少しパウダリーなスズランの香りとして優しく肌に残るようにまとめたのがこちらの香りです。とても細かく様々な香料を使用いるのですが、レイヤーのように重ねていくことでふんわりとした香りとなる、ミルフィーユのようなレシピとなっています。

<使用香料 33種>
トップ:ベルガモット、フレッシュフローラルノート、リンデンブロッサム、アルデヒド
ミドル:スズランアイリス、3種のローズ、ヘリオトロープ、ヴァイオレット
ベース:サンダルウッド、ムスク

7.5mlのパルファム <4,500円>
2013年 : 4/20


水の滴る滝のほとりに蕨が芽生える、あぁ、春になったんだなぁ・・・と春になった喜びを詠んだ短歌です。この短歌を目にするといつも疑問を感じてしまうのですが、僕の記憶の中の蕨はいつだって滝の近くにはなくて、春の野焼きの後の野原なのです。畦にもありますが、どうしても焼畑、野焼きのイメージが離れず、九州は九重の壮大な野焼きへと・・・。そこで、野焼きの後に顔を覗かせる春のハーブというイメージで少しスモーキーさを感じるアロマティックグリーンなベチバーを蕨のある風景として切り取って表現してみました。個性的にも感じられる香りですが、ユニセックスで使える香りですので、華やかなフローラルやセクシー系の香りが少し苦手な方には良さそうです。珍しい天然香料も使用しますし、何よりもパルファムならではのどっしりとした香り方が魅力です。

<使用香料 32種>
トップ:キンカン、スパイス、ゼラニウム、グリーンティーアブソリュート、ローマンカモミール、タイム、ニガヨモギ
ミドル:ベチバー、ヘディオン、スズラン、アイリス、エンジェルズウィード、カトラファイ
ベース:サンダルウッド、パチョリ、モス、ケード、アンバーウッディノート、ムスク、
7.5mlのパルファム <4,500円>
2013年 : 4/20、28
黒薔薇
(Black Rose)
白薔薇
(White Rose)


大中臣能宣が詠んだ有名な百人一首の1つです。昼間は知られてはいけない恋だから、と心の中にしまい込んで隠しているのに、宮中の御門を守る衛士たちが焚く篝火のように夜になると恋焦がれて燃え上がる・・・という好きな人への想いを詠んだもの。

当初は篝火というタイトルで赤と黒の対比を美しく表現しようとしていたのですが、黒薔薇に合わせて黒の中でチラチラとローズの赤が輝く様子を香りとして表現してみました。黒く感じさせるエッセンス選びは難しいのですが、やはり人気のパチョリとウードを多用し、ローズを多すぎないように、でもそれとわかるように調整しています。ムスク不使用ですが、かなり持続してくれますので、ローズウード系の香りがお好きな方向けです。もっと赤くするも良し、もっと黒くするも良し。あなたは最後にどの香料は足しますか?

<使用香料 33種>
トップ:グレープフルーツ、レモン、ナツメグ、クローヴ、クミン
ミドル:3種のローズ、ゼラニウム、オスマンサス、イランイラン
ベース:パチョリ、ウード、タバコabs、オークモスabs、ラブダナム、ベンゾイン、スティラックス、カストリウム、シベット

8.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 5/12、18
2014年 : 5/11


結婚前の与謝野晶子が詠んだ歌です。京都旅行した折に、隣の部屋から漏れてくる与謝野鉄幹の寝息。「その寝息を愛おしく聞きながら、あなたに抱かれる夢を見ました」という内容で、以前に彼が「君はしら梅のようだ」と詠んだ歌を受けての返歌です。

梅はもともとバラ科の植物。白梅の香りを再現して使用するのも良いと思ったのですが、好きな人に抱かれる夢を見るという誰にでもある恋心を、「抱きしめて眠りたいバラ」の香りとして調香してみました。パウダリーでほの甘いローズが肌に馴染み、時間と共に溶けていきます。そんな夢を見たいという就寝時のお供に是非!!




<使用香料 33種>
トップ:アルデヒド、ローズペタル
ミドル:ローズabs、ホワイトロータス、スズラン、チュベローズ、アイリス、ヘリオトロープ
ベース: サンダルウッド、アンバーグリス、ムスク
8.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 5/12、18
2014年 : 5/11
朝靄
(Morning mist)
清福
(Light of Soul)


じめじめとした梅雨時期、1番活躍するのはアイリスのパウダリーな香りです。重く甘いパウダリーさではなく、軽やかですっきりとした青さを湛えたアイリスの香り。

戸にもたれてあやめを売っている子の額にかかっている薄靄の匂いがとても爽やかな朝だ、という与謝野晶子が詠んだ短歌の中に、アイリスではなく水生植物のカキツバタが群生している様子を感じ、ガマの穂やカキツバタの咲く水辺の風景を、薄紫の朝靄の香りとして表現してみました。梅雨時期の湿気を吸い取ってくれるような爽やかさと、肌に残るドライな甘さは、自分のために作っていたアイリスとラベンダーにフランキンセンスを合わせた香りを基にしています。ありそうでなかなか市販品にはない清潔感漂う香りをお楽しみ下さい。


<使用香料 32種>
トップ:ラベンダー、クラリセージ、ブラックペッパー、ナツメグ、サフラン
ミドル:アイリス、リンデンブロッサム、フレッシュノート
ベース:フランキンセンス、サンダルウッド、ホワイトムスク

8.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 6/15、8/14
2014年 : 5/18


清福という言葉は日頃から頻繁に使われることはありませんが、読んで字のごとく、清らかな幸福の意味です。フン族とツチ族の紛争(大虐殺)はホテルルワンダという映画にもなりましたが、記憶に新しい世界的事件でした。その、ルワンダに住む人たち、そこを訪れる人たち、関わる全ての人たちに幸せあれ、ととても広い心で包み込むような短歌を詠まれたのは、皇太子妃雅子様です。

この短歌の中から感じられたのは、心に小さな灯りを灯す様子でした。全ての人々の心に、小さくて温かな灯りを灯していくような風景。それを、森の小さな光とも言われるジャスミンを軸にフロリエンタルな香りとして表現をしました。セクシーだけど浄化されるような美しさを併せもった清福は、過剰なインドールの投入で完成しました。

<使用香料 37種>
トップ:レモン、ピンクペッパー、オレンジ、クローヴ、ネロリ
ミドル:ジャスミン、イランイラン、ジャスミンabs、ローズabs、チュベローズabs、スズラン、ハニーノート
ベース: フランキンセンス、ミルラ、シャムベンゾイン、シベット、ムスク
8.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 6/15、8/31
木陰
(Under the Linden Blossom)
安眠
(Rest in Peace)


明治から大正時代にかけて活躍した小説家で歌人の長塚節による短歌です。裕福な家柄で育ったからかこんなのんびりとした牧歌的な短歌を残しています。牧歌的ではありつつも、内容は内容で、亡くなった方のために菩提樹の樹を植えるなんて、尊い方だ、と。下妻には親鸞が植えたとされる菩提樹も残されており、そこにはこの短歌の歌碑もあるそうですが、菩提樹はお釈迦様が悟りを開いたとされる樹木ですので、神社には植わっているところも多いことでしょう。

そんな悟りを開くほど心を落ち着かせ、精神が清らかに研ぎ澄まされる香り、吹き抜ける風が運ぶ菩提樹の花の香り(リンデンブロッサム)を清々しいグリーンと大地の香りで組み立てました。トップからミドルはグリーンとグリーンフローラルが、でもラストには肌にパチョリが残る大人の香りです。

<使用香料 34種>
トップ : グリーンノート、キュウリ、レモン、グレープフルーツ
ミドル : リンデンブロッサム、ローズ、イランイラン、ネロリ
ベース : フランキンセンス、アンバーウッディノート、パチョリ、ベチバー、ムスク

7.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 7/14


西行法師が亡くなる前に詠んだとされる死を悟った短歌です。セミナー開催の季節は花の咲く春ではありませんが、この短歌はお釈迦様が亡くなられた(入滅)2月から3月の花ということで梅か桜を意味したものだといわれています。降りしきる花の下で死にたいものだ、という内容から、そっと安らかな顔のまま、安眠するようにすーっと心に静けさと穏やかさを運んでくれる香りがあったら、それはどのようなものだろう・・・と考えた結果、やはり宗教らしいサンダルウッド(白檀)へたどり着きました。

通常サンダルウッドはバニラではなくココナッツ系の甘さを使用して高価なマイソール産のサンダルウッドに近づけることが多いのですが、あえてココナッツを使用せず、甘さを強く出さない穏やかなサンダルウッドとしました。そのサンダルウッドの中に小さな花々をたくさん閉じこめて祈りを表現しています。

<使用香料 33種>
トップ : クミン、エレミ、クローヴ、プラム
ミドル : サンダルウッド、チュベローズ、ナグチャンパ、ホワイトロータス、ヴァイオレット、ジャスミン、アイリス
ベース : ニューカレドニアンサンダルウッド、シャムウッド、パチョリ、ラブダナム、アンバーグリス、ムスク、クマリン
7.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 7/14、8/14
此岸 - しがん -
(land of the living)
彼岸 - ひがん -
(Shangri-La)


仏教用語の中で現世、つまりこの世を指す言葉です。煩悩と恥辱にまみれた解脱すべき世界。だから、死した時に彼の岸(仏の世界)にたどり着けるよう、苦行をつみましょうということでしょうか。でも、ちょっと待って・・・。この世が悪しき世界ならば、輪廻転生で生まれ変わる毎にショックを受けるわけですよね。またこの世界に来てしまったぞ、と。でも、煩悩と欲あってこそ文化が花開いたわけで、それらがなかったら未だに太古の生活をしているかもしれません。

そんな欲と煩悩にまみれた世界を、快楽と官能というイメージで、可愛らしいフルーティーフローラルにまとめました。また、生まれ変わっても楽しい人生が待っていると思わせてくれる香りがテーマです。(でも、こだわりとしてラストノートの最後の最後はパチョリが出てきて大人の香りになるようにしています)

<使用香料 32種>
トップ : ワイン、ベルガモット、グリーンアップル、トロピカルフルーツ
ミドル : フレッシュフルーティーフローラルノート、スズラン、3種のローズ、チュベローズ
ベース : ムスク、シベット、パチョリ、オークモス、アンバーグリス、バニラ、ミルク、サンダルウッド

7.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 8/1、3、13


此岸と相反する川の向こうの彼方の岸、仏の世界はどんなイメージ?

そこは煩悩に惑わされることなく平穏に暮らせる世界。欲や煩悩がなくなってしまった世界というのは果たして居心地の良いものなの? という疑問を感じるのですが、無事に平穏に暮らせる場所を桃源郷と呼ぶわけですから、瑞々しい果実が実る、クリアで澄み切った香りとして表現しました。あの世の世界は天国と地獄に分かれるわけですが、脳がふんわりとろけそうなほど気持ちがリラックス出来る香りとして、桃の紅茶を作ってみました。

紅茶そのものの香りを作るのはとても難しいことだったのですが、意外な香料を意外な感じで組み合わせて作っていくとそれらしい雰囲気を感じるものになりました。

<使用香料 34種>
トップ : レモン、グリーンティー、ブラックティー、グリーンノート
ミドル : ローズ、ゼラニウム、ピーチ、ネクター、ジャスミン
ベース : ホワイトムスク、アンバーグリス 、ハニー
7.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 8/1、3、13
夕紅 - ゆうくれない -
(bloody red)
緋桃 - ひとう -
(red peach)


年上の人妻と不倫中だった若山牧水が詠んだ恋の歌にインスパイアされたもの。上手くいくはずのない不倫という寂しい恋を、実を結ばない雑草に例えて詠んだ短歌です。寂しさを感じる秋の雑草ということでワレモコウが登場しているわけですが、僕はワレモコウに対して寂しいイメージを感じたことはないばかりか、血しぶきのように見えて残酷なイメージをもっていました。そこで、ワレモコウは地味ではない、という反発から香りを作ることとなったのですが、ワレモコウの学名を調べて驚きました。学名のSanguisorbaとは、ラテン語で血を吸収するという意味で、止血効果があるという薬効から名づけられたそうなのです。そう言われると血を吸って緋色に染まった花にも見えてきますよね。しかも、よくよく見ると、バラ科だということも判明しました。ですから、香りはローズを軸としたスパイシーフローラルウッディとなったのですが、スパイスとして選んだのはレザー感漂うサフランです。サフランとローズを軸にアンバーウッディノートでまとめた、とてもカッコいい秋のローズです。

<使用香料 32種>
トップ : レモン、レッドフルーツ、ピンクペッパー、メース他スパイス
ミドル : サフラン、3種のローズ、ゼラニウム、チュベローズ
ベース : スエード、アンバーウッディノート、パチョリ、シベット、ムスク

7.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 9/28


「戒めますか? 道徳を説きますか? 諭しますか? そうではなくて、運命に逆らって恋をしましょうよ」というなんとも血に燃えた情熱的な(不倫の)短歌が与謝野晶子の真骨頂。当人以外、只の迷惑でしかない不倫を正当化し、これだけ情熱的に突き進む様子が、どうしてもドラクロワの著名な絵画「民衆を導く自由の女神」に繋がってしまうのです。好き勝手と自由が別物だということは、大人になれば皆さん気づくことですが、わがままに生きてこその詩人ですよね。

民衆を導く自由の女神の素肌と女性らしさ、力強さ、性というものをとってもジューシーなピーチに込めました。8月開催の桃り紅茶よりももっと純粋に桃を楽しむ香りで、桃の中心の仁にも通じる酸味を表現しています。リアルな桃を香水として楽しめるようにまとめたのですが、どことなくキンモクセイっぽさが漂う辺りが秋にはぴったりな気がします。

<使用香料 30種>
トップ : レモン、スイートオレンジ
ミドル : ピーチ、オスマンサス、3種のローズ
ベース : ムスク
7.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 9/28、29
秋月
(autumn moon)
聖典
(prayer song)


山里に荒れたる宿をてらしつつ幾世へぬらむ秋の月影

初めての、小野小町の短歌です。秋の月の光は、山里のこうして荒れた家を照らしながら、どれほどの月日を経たのだろうか・・・と詠んだ歌なのですが、昨年作りました月光と同じく月をテーマとしながらも、月の光そのものではなく、月明かりの照らし出す日本の侘び寂びというものを香りの中で表現したいと思った結果、やはりそこにはシプレが必要でした。

秋にはシプレが良く似合います。そう、秋こそシプレ!! ということで、グリーンではないMiss Diorというか、 トップに収穫祭のフルーツを少し組み込んだ、渋めなフルーティーフローラルシプレとして完成させました。今までに香ったことのない、新しいシプレの形をお楽しみください。

<使用香料 36種>
トップ : グレープ、ワイン、ネロリ、タイム、クローヴ
ミドル : ジャスミン、スズラン、ローズ、ローズabs、ヴァイオレット、チュベローズ、チュベローズabs、イランイラン
ベース : アイリス、マッシュルーム、オークモス、パチョリ、サンダルウッド、ベチバー、アンバーグリス、ムスク

7.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 10/16


夕映えの沙漠の町にひびきくる祈りの時をつぐる歌声

平成3年の歌会始の儀にて皇太子妃雅子様が詠まれた歌で、お題は「歌」でした。初めての海外公務として訪れた中東の様子を、鮮やかにイメージが広がりそうな簡潔な言葉でまとめられているこの短歌は、近代短歌集にも取り上げられるほど人気があります。いつもはイメージから想像を広げていくのですが、この短歌はあまりにもイメージが固定されているというか、訪れたことがない者にもその様子を伝えてくるため、受け取ったイメージをストレートに中東の香りとして表現してみました。

美しく響くように広がる、オリエンタルなジャスミンとフランキンセンスのハーモニーをお楽しみあれ♪フローラルノートはそれほど持続をせず、オリエンタルノートが続きます。

<使用香料 32種>
トップ : ベルガモット、レモン、アルデヒド、ワイン、カシス、クローヴ、メース
ミドル : ジャスミン、イランイラン、ネロリ、アイリス、ヘリオトロープ
ベース : フランキンセンス、ミルラ、サンダルウッド、アンバーウッディノート、ミルラ、ウード、ファーバルサム、ムスク
7.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 10/16
2014年 : 1/14
ショコラの時間
(time to chocolat)
バニラの時間
(time to vanilla)


時間をテーマとした香りの第一弾です。観劇、特にオペラの幕間にロビーに出てお茶をする・・・そんな時間のことをショコラの時間と呼びます。甘く美味しいチョコレートの香水というのは、今までにいくつかのブランドから発売されていますが、渋めな大人のチョコレートというのはそれほど多くはありません。Serge LutensのBorneo 1834、 Smell BentのHungry hungry hippiesくらいでしょうか。グルマンでありつつも大人のテイストであることを目指し、ショコラオランジュを作りました。トップではオレンジがビターチョコレートに包まれて甘くとろけるように香り、次第にビターチョコレートからミルクチョコレートに変わっていく・・・そんな香りです。

<使用香料 30種>
トップ : オレンジ、柚子、ワイン、ローズabs
ミドル : カカオabs、チョコレート、ミルク、バニラ
ベース : メープル、カラメル、ウード、アンバーウッディノート、レジンノート

8.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 11/16、17


時間をテーマとした香りの第二弾です。バニラは特にたくさんのブランドがテーマとして発売している香りですが、美味しいバニラの方が多く、大人の渋めなバニラというのはやはりあまり多くはありません。特にバニラアブソリュートはバニラそのものではなくリキュールのようなラム酒のような雰囲気をもっており、甘さがダイレクトに伝わらないエッセンスだったりもします。今回は、その雰囲気を大切にし、スモーキーなウッディノートに変化していく少しリキュールっぽい大人のバニラとしてまとめてみました。今までにないほど高濃度のバニリンを温めながら使用するという初の試みも。

<使用香料 29種>
トップ : ナツメグ、クローヴ、シナモン、ピンクペッパー、サフラン、フルーツ
ミドル : バニラ、バニラabs、カカオabs
ベース : パチョリ、シダーウッド、ガイヤックウッド、ベチバー、バーチタール、ハニー、ラブダナム
8.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 11/16、17
2014年 : 2/5
洗礼の時間
(milky musky floral)
秘蹟の時間
(milky frankincense)


時間のシリーズ第三弾。

キリスト教徒ではなくとも、洗礼式という言葉はご存知なのではないでしょうか。洗礼を受けるという日本語も日常的に使われていますが、キリスト教徒の皆さんのお子さんを、本日よりキリスト教徒となります・・・というための入信の儀式です。洗礼式は通常赤子のときに執り行われることが多く、近年ではイギリス王室のウィリアム王子とキャサリン王妃の息子、ジョージ王子の洗礼式かせ話題となりましたよね。そんな子どもとキリストというキーワードに、マリア様の祝福を・・・という意味を込め、ミルクたっぷりの祝福の香りを作りました。パルファム濃度であることも理由の1つですが、トップとミドルを減らし、主軸をベースに置いていますので、柔らかな香りが肌の上で持続する香りとなっています。

<使用香料 30種>
トップ : アーモンド
ミドル : 山百合、カサブランカ、ローズabs
ベース :ミルク、練乳、ヘリオトロープ、バニラ、ムスク、ハニー


8.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 12/7、14、27、29
2014年 : 2/22
2015年 : 2/8


時間のシリーズ第四弾。

教会で赦しを請う告解。小さな扉を開け、牧師に話を聞いてもらうというスタイルは、映画やドラマにも登場しますから、ご存知の方も多いことと思います。日々の罪を告白し、赦しを得る、その時間というのはおそらく、降りそそぐ温かさを感じるほど心が安らぐものだと。もちろん教会ということで聖なる香り、フランキンセンスを主軸とした香りなのですが、乳香と名づけられているわけですから、(理由は違いますが)ミルクの香りがしても良いのではないか、ということで、ミルキーなフランキンセンスとして香りをまとめました。ありそうでなかった、クリーミーなフランキンセンスを是非、お楽しみ下さい。洗礼の時間がマリア様の祝福なのに対し、こちらは牧師様の祝福という感じですね。

<使用香料 32種>
トップ : エレミ、ピンクペッパー、ブラックペッパー
ミドル : フランキンセンス、アイリス、ローズabs
ベース : ミルク、トンカビーン、ムスク


8.5mlのParfum <4,500円>
2013年 : 12/7、14、27
2014年 : 2/22
2015年 : 2/8
雪林檎
(snow apple)
柚子蜜
(yuzu and honey)


2014年、最初の香りは雪林檎というタイトルになりました。北原白秋が不倫の末、拘置所より詠んだ短歌が題材となっているのですが、内容としては、不倫相手を夫の元に返さなくてはいけない・・・その朝の心境を描いたものです。甘酸っぱい恋の香り、林檎。でも、それはおとぎ話の中では毒林檎として登場することもあります。雪を踏むサクサクという音と林檎をかじる音を重ね合わせ、白と赤というコントラストが目や耳にも楽しい題材なのですが、雪を踏んだ時、そこから林檎の香りが立ち上ってきたとしたら・・・それはどのような香りに?

林檎が冬の果物であるのはご存知の通り。でも、香水としては春夏のフレッシュな香りになることが多く、冬のイメージはありません。そこで、少し金属的にも思えるアルデヒドをわずかに使用し、冷たさを感じる林檎を軸に、最後は少し雪のようなダスティーノートを感じる香りとしてまとめました。雪と林檎のコラボーションですが、林檎の香りがどのようにして作り出されるのかお楽しみに!!

<使用香料 41種>
トップ : レモン、グリーンノート、アルデヒド、ヴァイオレットリーフ
ミドル : アップル、ローズabs、スズラン、ジャスミン
ベース :アイリス、ハニー、アンバーグリス、ムスク


8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 1/14、25、2/5、3/28


明治、大正の時代に活躍した、近代詩人の方の短歌を題材としました。イメージが大きく広がるような壮大なテーマではないのですが、短歌にもあるように、蜜柑の香りに冬を感じるということはありますか?

そう。蜜柑は林檎と共に冬の果実です。でも、香りだけは夏のイメージなんですよね。真冬に楽しめる、真冬用のシトラスを作ろうと思い立った結果、そこにマッチしたのは柚子でした。柚子蜜。しっとりと蜂蜜の香る柚子の香水を作ろう・・・。シトラスコロンではなく、出来る限り持続の長いハニーシトラスを柚子で作ろう・・・と。2013年初絞りの素晴らしく濃厚な柚子の香料を使用するのですが、香料ありき、という感じの完成品で、柚子もこれほど大量に使用し、強く香る商品は今だかつて体験したことがありません。ないからこそ、手作りを♪もちろん、持続も抜群です。



<使用香料 34種>
トップ : 柚子、スイートオレンジ、キンカン、レモン
ミドル : ハニー、ネロリ、イランイラン
ベース : カラメル、メープル、スティラックス、ムスク


8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 1/14、25
2015年 : 2/8
舞踏会の時間
(time to ball)
革命の鬨
(time to revolution)


ヴェルサイユ宮殿で繰り広げられた舞踏会の時間。マリーアントワネットとルイ16世との婚姻舞踏会も開催された鏡の間。Jean Desprezは過去にBal a Versailles(ヴェルサイユの舞踏会)というそのままのタイトルで香りを発売していますが、舞踏会の様子を考えればメンズもレディースも作れますよね。正装した男女と煌びやかな空間・・・そこを、その時間のみを切り取った場合、そこに性はなくおそらく混在した空気感だったことだろうと想像し、女性の象徴としてチュベローズを、男性の象徴としてパチョリを組み合わせ、クリーミーでセクシーなユニセックスの香りとしてまとめました。豪華にチュベローズアブソリュートを使用し、希少なパチョリアブソリュートで深みをもたせています。

<使用香料 31種>
トップ : ピンクペッパー、ピーチ、ネロリ
ミドル : チュベローズabs、チュベローズ、パチョリ、ローズabs、ローズ、イランイラン、ジャスミン、ヴァイオレット、アイリス
ベース : クマリン、パチョリabs、モス、サンダルウッド、アンバーウッディノート、アンバーグリス、ムスク


8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 2/15、3/28


中世のパリをテーマとした場合、マリーアントワネットとフランス革命の時代を想像される方も多いことと思います。一度香りとして形にしてみたかったのが、その革命時の雰囲気だったのです。時間として切り取ったのはバスティーユ陥落の瞬間。鬨というのは、戦の中で士気をあげるため一斉に発する叫び声、怒号です。鬨と太鼓の響く中、土煙にまみれた革命の始まりのその時・・・は、なんと勇ましく感動的な瞬間だったろう・・・と想像した結果、たっぷりのスパイスが弾ける土煙の香りとなりました。土っぽいキャロットシードは2013年を代表するヒット香料で、多くの調香師たちが手にした香りです。その土臭いキャロットシードからやがてはパウダリーなアンバーウッディノートへと変化して落ち着く、自らを奮い立たせる香りです。

<使用香料 30種>
トップ : ピンクペッパー、ブラックペッパー、サフランabs、メース、キャロットシード、アルデヒド
ミドル : アイリス、ローズ、ローズabs、イランイラン、ヴァイオレット
ベース : パチョリ、モス、シダーウッド、アンバーウッディノート、タバコabs、カシュメラン、ムスク


8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 2/15
黎明の黄
(morning mimosa)
小夜の紅
(midnight red)


3月9日は世界女性の日であり、ミモザを手渡す習慣があります。早春の喜びを伝える黄色の花、ミモザ。パウダリーで甘いその香りは、アニス調の甘さを主体に作られるのですが、グリーンノートを有しており、さっぱりとした甘さ、青さ、パウダリーさを兼ね備えています。

黎明(れいめい)というのは始まりの時期。新しい季節が始まる時期でもあり、この季節に新たな始まりを迎える方も多いことでしょう。そんな「始まりの時期」を早朝の朝日を浴びて輝きだすミモザの時間として表現しました。肌の上で柔らかく、でもすっきりと香りたつ早春の香りです。ミモザのアブソリュートを多く使用するため、かなりの澱が発生してしまうのですが、そこは黄色の花粉のようなパウダーを加えることでミモザらしく表現してみました。

<使用香料 38種>
トップ:ベルガモット、グリーンノート、キュウリ
ミドル:ミモザabs、ミモザ、リンデンブロッサム、ネロリ、ヒヤシンス
ベース:アイリス、サンダルウッド、シダーウッド、ハニー、ホワイトムスク


8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 3/8
2015年 : 2/28


2013年の桜風を作った段階で、2014年は夜桜だと決めていました。風に舞う軽やかでエアリーな桜の香りは昨年とても好評だったのですが、今年はやはりパルファム濃度で楽しめるような少しダークな夜桜の香りにしてみました。桜を表現するための香料の中にローズを多目に加え、桜の中でも赤みの強い紅桜をイメージしています。そこに加わるのは夜のイメージの重く歪んだ香りたちなのですが、きちんと花の香りを楽しめる程度の暗闇に留めています。夜と言えばパチョリの香りがイメージされるのですが、今回は珍しいパチョリのアブソリュートも使用し、重ねることで深みのある夜の香りとなっています。

<使用香料 39種>
トップ:レモン、アーモンド、ネロリ
ミドル:チェリーブロッサム、ローズabs、ローズドゥメイ、イランイラン、チュベローズ、アイリス、ヴァイオレット
ベース:アンバーウッディノート、ウード、パチョリ、パチョリabs、サンダルウッド、オークモスabs、バニラabs、レジンノート、アンバーグリス、ホワイトムスク


8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 3/8
ラストダンスは私に
(save the last dance for me)
黄昏のビギン
(beguine in the evening)


夜桜をテーマにした小夜の紅を作った際、パウダリーなパチョリというコンビネーションに惹かれ、微かなクリーミーさ、温かさをもったスイートオリエンタルなパチョリをテーマにすることを決めていました。しかし、それだけではまだテーマが弱すぎます。そこで、4月の香りは昭和歌謡をタイトルに、越路吹雪さんの名曲、「ラストダンスは私に」に見合うような、セクシーさを感じさせる厚みと深みのあるパチョリとしてまとめてみました。通常のパチョリの他にアブソリュート、ライト、ダークと4種のパチョリを組み合わせ、それぞれの違いを比較しながら好みに合わせてカスタマイズ出来るレシピとしました。

<使用香料 33種>
トップ:ワイン、スパイス
ミドル:4種のパチョリ、アイリス、ヘリオトロープ、ホワイトロータス、オーキッド
ベース:クマリン、クリーミーノート、サンダルウッド、バニラ、ハニー、ウード、ラブダナム、ムスク


8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 3/8


サンプルプレゼントにてJean Louis Scherrerの香りを取り上げましたが、グリーンシプレなフローラルをとてもかっこ良くセクシーに表現してみたい・・・という気持ちがありました。年々規制の強くなるオークモスですが、オークモスに頼らず、安全性の高くエレガントな合成のモス香料Veramossを使用したグリーンフローラルシプレとしてまとめました。その香りのイメージは、薄暗いスナックで歌うちあきなおみさん。ブランデーグラスを傾け、時折タバコを片手にした場末感。でも、そこには芯の強さと媚びないフローラルが潜んでいます。使用したのは、高価なアブソリュートに近い芳香をもったヴィンテージのイランイランです。豪華さはダイレクトでない方が品があるというもの。全てはシプレの中に・・・。

<使用香料 34種>
トップ:ビターシトラス、グリーンノート、サフラン、メース
ミドル:ヴィンテージイランイラン、ジャスミン、ローズ、ネロリ、ヴァイオレット、ヘリオトロープ
ベース:アイリス、ヴェラモス、クマリン、マッシュルーム、サンダルウッド、タバコ、アンバーグリス、シベット、ムスク


8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 3/8
知恵の実
(The fruit of knowledge)
楽園の実
(The fruit of paradise)


旧約聖書の創世記に登場することで有名な禁断の果実。アダムとイヴがヘビにそそのかされ、知恵の実を食べてしまったことで無垢を失い羞恥を知り、エデンの園を追放されたというくだりはご存じの方も多いはず。知恵の実と言えばまずリンゴを思い浮かべる方が多いと思うのですが、実際には明確に記されておらず、国や宗教によってまちまちなのだそうです。ミケランジェロが手がけたことで有名なシスティーナ礼拝堂の天井画にはイチジクとして描かれています。訳し方によってまちまちのようですが、今回は知恵の実を、イチジクとピーチ、そしてアップルという組み合わせで少し大人っぽいフルーツ香としてまとめてみました。

<使用香料 35種>
トップ:フィグリーフ、アップル、ピーチ、カシス
ミドル:フィグ、ジャスミン、ヴァイオレット、スズラン
ベース:サンダルウッド、アンバーグリス、アンバーウッディ、ムスク

8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 6/8、28


トロピカルフルーツと言えば思い出される代表格、そう、マンゴーです。とってもジューシーで美味しいオレンジの濃縮香料(10 fold)が手に入ったこともあり、それをたっぷりと使用して夏っぽい爽やかなオレンジマンゴーの香りを作りました。雪林檎では赤い林檎の香りの作り方がわかる内容となっていましたが、楽園の実ではマンゴーの香りの作り方、香料の組み合わせやバランスがわかる内容となっています。まずはマンゴーを作り、その後に様々な香りを足してバランスを取る、というレシピとなっており、使用する香料も過去最多の41種です。この香りを使用してメントールボディスプラッシュを作ってみるのも良さそうですよ。

<使用香料 41種>
トップ:オレンジ、レモン、グレープフルーツ、カシス
ミドル:マンゴー、ローズ
ベース: サンダルウッド、アンバーウッディ、ムスク
8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 6/8、28
香りの島
(nosy-be)
ヤドリギ
(mistletoe)


イランイランの栽培地として有名なマダガスカル北部の島、ノシベ。香りの島と呼ばれるその島に降り立った夜、車の中まで入り込んでくるイランイランの香りに酔いしれました。イランイランの生花とは、風に乗って香ってくるその芳香の素晴らしさと言ったら言葉では表現しきれないほどの美しさでした。イランイランの精油は様々なグレードが発売されているのですが、ノシベの農家で、蒸留所で香ったそのままのイメージを大切にしつつ、それらをもっともっとリッチに盛りたて、大地をも少し感じられる香水として楽しめる香りにまとめました。なかなかありそうでない、イランイランを軸とした香りです。ノシベの田舎町で購入した地元の人たちが普段使いしている精油も組み込んでノシベを感じられる香りとしました。渋くまとめたわけではなく、基本的には明るく綺麗な香りとなっており、精油の比較もお楽しみいただけるレシピとなっています。

<使用香料 32種>
トップ : ベルガモット、オレンジ、キャロットシード、ジンジャー
ミドル :4種のイランイラン、ジャスミン、ローズ、ネロリ、スズラン
ベース : アイリス、パチョリ、ミルラ、ココナッツ、バニラ、アンバーグリス、ムスク
8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 2/5、11/4、16


葉が落ちると目立つようになる、ヤドリギ。クリスマスにはヤドリギを飾り、その下で出会った男女はキスをしても良いという風習もある、少しロマンチックな植物ですが、樹木に寄生して育つことから宿り木という名前が付けられました。細かくは様々な学名があり、分類も様々なのですが、ビャクダン科の植物だということを知り驚いたのが香りづくりのきっかけです。そう、サンダルウッドも半寄生樹木なのです。樹木に寄生して育つ植物ならば、樹木の中を流れる血液のような芳香を受け継いでいるに違いない!! そんなイメージから、大好きな樹木に寄生し、思う存分ジュースを味わいたいと思える香りを作りました。樹齢50年を経たヒノキとヒバの心材から得られたという市場にはほとんど出回っていない貴重な精油をたっぷりと使用したシルクのようなウッディノートとなっています。キスをするカップルの象徴として、微かなフローラルアブソリュートを隠してあります。

<使用香料 34種>
トップ : ベルガモット、レモン、サフラン、エレミ、ローズabs、チュベローズabs
ミドル :ヒノキ、ヒバ、サンダルウッド、パロサント、アイリス
ベース : パチョリ、モス、スエード、ミルラ、フランキンセンス、バニラ、ラブダナム、ムスク

8.5mlのParfum <4,500円>
2014年 : 2/5、11/4、16
2015年 : 2/28
媚薬
(Indian potion)
香薬
(Fragrant medicine)


インドを旅したことで、インドの香料を散りばめた香りとして香りを作りました。ビビッドな色彩や香りに溢れるインド。スパイスはスリランカの方で取り上げるとして、インドではジャスミンをテーマにまとめたのですが、とにかくチュベローズアブソリュートが抜群に良く、少量でジャスミンをグイグイと追いやるほどのパワーをもっています。インドから届いたばかりの貴重な香料を是非、使ってみて下さい。

ジャスミン、チュベローズ、チャンパカなどのフローラルノートを軸としていますが、アブソリュートを本気で使用しているため、香りは華やかというよりかなりシックなフロリエンタルとなっています。また、初めて使用した香料たちがかなり多くあります。

<使用香料 41種>
トップ : メイヤーレモン、ベルガモット、ライム、ピンクペッパー、クミン
ミドル :ジャスミンabs、サンバックジャスミンabs、チュベローズabs、チャンパカabs(全てインド産)
ベース : サンダルウッド、パチョリ、ナガルモタ、クマリン、アニマルムスク

8.5mlのParfum <6,000円>


明るく華やか、でも混沌としたインドに比べ、スリランカはとてもミステリアスな要素が多く、コーヒーにクローヴっぽいニュアンスを感じたり、スパイスを楽しんだ国でした。そこで、香って楽しい、心が温まるようなスパイスの香りとして表現してみました。たっぷりの、それこそスリランカ産のスパイスたちを、初めて使用するウッディノートやスモーキーな香料たちでまとめ、ハニーやバニラで甘く調整しました。肌に残る残り香は少しグルマン系にも感じる、ユニセックスなスパイシーオリエンタルに。

また、スリランカは香料植物の宝庫ということで、スリランカ産のパルマローズやレモングラス等の香りもアクセントとして使用しています。

<使用香料 34種>
トップ : メース、ナツメグ、ブラックペッパー、ピンクペッパー、カルダモン、ジンジャー、コリアンダー、ライム、パルマローズ、レモングラス
ミドル : シナモン、ジャスミン、パチョリ、バニラ
ベース : アンバーウッディノート、ベチバー、オークウッド、サンダルウッド、スモーキーノート、ハニー、アンバーグリス、ムスク

8.5mlのParfum <6,000円>
ベルベル人のコロン
(The Berbers cologne)
赤き大地のプルメリア
(Khmer Rouge)


チュニジアという国を1つの香りで表現することはとても難しく、切り取る場面、場所、時間によって様々な形となります。今回は、訪れたビターオレンジ農園のオレンジブロッサムの香りを軸に、モロッコと同じようにチュニスで日常的に良く飲まれているミントティーのミントの香りを合わせました。市場には山と積まれたミントから売られていましたからね。開催が梅雨明けの時期ということもあり、さっぱりとした香りに仕立てましたので、持続するパルファムで使うのも良し、メントールを入れて50mlのボディスプラッシュにするもよし、という香りとなっています。もともとミントの香りが入っているわけですから。内容としては、オレンジブロッサムのアコードを学び、北チュニジアの珍しい精油を香ったり、オレンジブロッサムアブソリュート、ベティグレンアブソリュートなど希少な香りも紹介していきます。

<使用香料 34種>
トップ : ベルガモット、オレンジ、グレープフルーツ、ネロリ
ミドル :オレンジブロッサム、ミント、ジャスミン、ローズ、イランイラン、スズラン
ベース : サンダルウッド、ムスク

8.5mlのParfum or 50mlのボディスプラッシュ<6,000円>


クメールルージュと呼ばれるポルポト派による大虐殺の地にて、血を吸い上げたかのような赤いプルメリアに出会いました。白はネロリのようなすっきり香が、ピンクはクリーミーで甘いココナッツ調の香りがしますが、赤いプルメリアは酸味のあるローズの香りして驚いたのを覚えています。今回は、トップで銃弾のようにペッパーが弾け、後にレッドローズとプルメリアを軸に、イランイランやジャスミンがフランキンセンスと共にクリーミーなフロリエンタルとなって肌に残る、少しトロピカルなフランキンセンスという残り香にまとめています。夏の暑さにぴったりな南国調の香りに、祈りを込めたフランキンセンスを合わせ、カンボジアの香りとして表現したものとなります。

<使用香料 34種>
トップ : ベルガモット、ライム、ブラックペッパー、ピンクペッパー
ミドル : レットローズ、ローズabs、フランジパニ、フランジパニabs、ジャスミン、ジャスミンabs、チュベローズabs、イランイラン、スズラン、ヴァイオレット
ベース : パチョリ、クリアウッド、フランキンセンス、アンバーグリス、ムスク、シベット
8.5mlのParfum <6,000円>
野茨
(Rosa multiflora)
白き炎のマグノリア
(Midnught magnolia)


黒薔薇、白薔薇に続く3つ目のローズとして取り上げたのは、華やかなバラではなく、涼し気に自由に咲くノイバラに。切り花としての需要がない分、あまり飾って楽しむ植物ではありませんよね。人を寄せ付けない細かな棘。でも、動物たちを優しく守る棘。ノイバラの灌木を潜り抜ける時、そこはどのような香りに満ちているのか、満ちていたら楽しいのか・・・と想像をして出来上がったローズの形。スパイシーでフレッシュなレッドローズに、少し大地の香りを加えた初夏にぴったりなローズとなっています。

<使用香料 40種>
トップ : ベルガモット、グレープフルーツ、タイム、キュウリ、ナツメグ、ジンジャー
ミドル : レッドローズアコード、ローズアブソリュート、イランイラン、ジャスミン
ベース : クリアウッド、モス、サンダルウッド、アーシーノート、ムスク
13mlのParfum <6,000円>


春先に咲くハクモクレンは、葉よりも先に花だけが咲きます。その様子も蕾が膨らみかけた頃、深夜に眺めるとポッポっと白い炎が浮かびます。もっとステキなのは、初夏に咲くタイサンボクの花。タイサンボクの葉は濃い緑をしており、そこに咲く大きな大きな花弁は、黒い葉の上に浮かんだ炎のようにも見えるのです。マグノリアをテーマとした香りに初めて取り組んだ今回、白さを表現したホワイトフローラルに、サンダルウッドと少し渋めのベースを合わせ、クリーミーでシックなホワイトフローラルとして表現しました。

<使用香料 43種>
トップ : レモン、ベルガモット、ライム、ペア
ミドル : マグノリアアコード、スズラン、ローズabs、ジャスミンabs、サンバックジャスミンabs
ベース : アイリス、サンダルウッド、トンカビーン、パチョリ、アンバーウッディノート、ムスク

13mlのParfum <6,000円>
滅紫
(Dark purple with gray)
花魁道中
(The Courtesan parade)


染色の際、紫根を高温で染めることでグレーのかった紫になると言います。低温ならば美しい紫であったものが、高温になるとくすんでいく・・・でも、わざとそれを行うことで生まれる高貴な紫。この滅び行く紫、けしむらさき、めっしと呼ばれる色、そしてそれを表す日本語に魅力され、青の時間を、紫の時間にしてみようと思い立ちました。そう、GuerlainのL'Heure Bleueの紫ジージョンです。

<使用香料 42種>
トップ : グレープフルーツ、ペティグレン、シナモン、ナツメグ、アニス
ミドル : ヴァイオレット、ローズ、ヘリオトロープ、アイリス、ナルシス、チュベローズ、イランイラン、ジャスミン
ベース : ツリーモス、パチョリ、トンカビーン、アンバーウッディノート、ハニー、フランキンセンス、ムスク
13mlのParfum <6,000円>


もともとは、真夏に金魚の香りを作ろうと思ったのがきっかけでした。そこで、金魚がゆらゆらと泳ぐ姿を、花魁道中に見立てた句に出会い、その優雅さを表現してみようと思ったのです。原色が散るような華やかさも素敵だとは思うのですが、実際に行われていた時代というのはもっと落ち着いた色だったのではないかと想像し、ゆっくりと進む日本美人を香りで表現することにしました。最初にカサブランカの香りを作り、その香りを軸にしていく学べるレシピとなっています。

<使用香料 38種>
トップ : オレンジ、ベルガモット、ラム
ミドル : カサブランカ、ピオニー、アイリス、チェリーブロッサム、カーネーション
ベース : ヴェラモス、パチョリ、サンダルウッド、スティラックス、ムスク

13mlのParfum <6,000円>

※香料は精油(アブソリュート含む)、単品香料、調合香料と香料会社の製品を使用しています。
こちらの香料の中のいくつかはPROFUMERIA NICCHIAにて販売をしています。

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