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早春を告げる芳香花「ヒヤシンス」
太陽神アポロンと円盤投げをして遊んでいたヒュアキントスに嫉妬をした西風の神ゼフィロスはいじわる心からつむじ風を起こします。その風に飛ばされた円盤が額に当たり、ヒュアキントスは死んでしまいます。額から流れ落ちた赤い血は草に溶け込み、紫の花を咲かせたのだと、ギリシア神話の中で語られています。太陽神であると共に医学神でもあるアポロンですら彼を助けることが出来なかったことから花言葉は「悲愛」となっています。

ギリシア・トルコ原産のヒヤシンスは16世紀前半にイタリアで栽培されたのをきっかけに世界へと広がり、瞬く間に愛好家の間に浸透してカラフルな花色が生まれるのですが、原種は紫です。

冬の終わりを告げる春色の香りは、暖かくなり始めた北向きの風に乗って運ばれます。その香りはすっきりとしつつも甘さを持ったとても素敵なグリーンフローラルで、グリーンフローラルの香水には良く組み込まれています。生花を再現するのにガルバナムが良く使われますのでツンとした冷ややかさをトップに感じる香りが多いのも特徴だと思います。精油の採取は2009年現在世界的にほぼ行われていませんのでかなりの高確率で再現香が使用されているはずです。精油自体一般の方々が購入出来るようなサイトでの取り扱いはほとんどありませんから、なかなかそのものを香るチャンスというのはないのかもしれませんね。しかし、生産率が0パーセントではないのだということを製造元に確認して知りました。(販売しているサイトもありました)Palazzo Vecchioのヒヤシンスは今や貴重というか希少なヒヤシンスアブソリュートを使用しているののだという事実を、誰よりも輸入をした僕が驚いたのです。彼らは「昔ながらの方法で昔と同じように処方して作っているだけだから香料の具合によって色もかわってくるし、香りも変化しちゃうことがあるんだよ」と言います。合成香料ではない証だと思って我慢しないと、ですね。

さぁ、そんなヒヤシンスの香りを各社どのように作っているのでしょうか。

1、Bond No.9のChelsea Flowers
このラインナップの中で1番マリンノートの強い香り。マリン系グリーンフローラルという所。ヒヤシンスっぽさはこのラインナップの中では霞みますが、僕はBond No.9の中では比較的好きな香りです。

2、BorsariのGiachinto
予想以上に良かった香り。青さと共にグリーン香が品良く香り、elizabeth Wのヒヤシンスを品良くし立てた雰囲気です。ただ生花よりも甘さが強いので美化して再現した感じです。

3、ChanelのCristalle
このラインナップでは1番オークモスが強く出ているシプレグリーンフローラル。クラシカルな良さは存分に感じますが、やはりヒヤシンスらしさを求めると少し違うなぁ、という印象です。

4、DSH PerfumesのDutch Blue Hyacinth
2つあるヒヤシンスのうちでこちらは青さの強い香り。トップノートの感じはPalazzo VecchioPenhaligonsに似ています。その後の甘さの出具合は3社3様ですが。

5、DSH PerfumesのPink Hyacinth
上と比べるときれいなフローラルではあるのですが、甘さも強くて少しローズっぽいヒヤシンスの香り。生花っぽさを求めるなら上の香りを、きれいなフローラルだったらこちらを・・・という感じ。(ムエットではタバコのヤニっぽさを微かに感じますのでエニシダのアブソリュートのようなものを使っているのかも)

6、E.CoudrayのJacinthe et Rose
これはタイトルにありながら全くヒヤシンスではない香り。クラシカルなフローラルブーケで化粧品っぽさを強く感じます。スキンケアラインにありそうな香りでヒヤシンスではありません・・・。

7、elizabeth WのHyacinth
最初に香った時は「見つけた!」と思ったほど良い香りに感じたのですが、使い続けるごとにくどさを感じてしまった香り。クセの強い甘さが特徴です。生花の甘さを誇張してキレイにまとめた感はありますが、生花を横にすると違いが歴然です。でも、イメージってこういうものかもしれません。

8、GucciのEnvy
ヒヤシンス系のグリーンフローラルということでラインナップに組み込みましたが、この中ではある意味異質で、飛びぬけて香りがクリアです。合成香の特徴ですから良し悪しなのですが、生花のクリアな感じとはまた違うので異質です。一時期あっちこっちでこの香りを香りましたが、僕はグッチの中では比較的好きな香りだったりします。

9、Il ProfvmoのBlanche Jacinthe
青い、とにかく青い。ワイルドな青さというよりも突き抜けたクリアな青さというのがガルバナムそのものであることを物語っているのですが、EDPの方は幾分柔らかくなって甘さが出てきます。とても生花っぽいクリア感と柔らかさを持った香り。

10、JosephのParfum de Jour
ワイルドでガツンと突き抜けたガルバナムの香るシプレグリーンフローラル。ある意味男らしいというか潔さを感じる香り。Penhaligonsのものと比べると生花っぽいのはPenhaligonsでこちらはシプレ香があります。

11、Laura AshleyのNo.1
甘く可愛らしさを持ったヒヤシンスの香り。ヒヤシンスの花束と言う感じの豪華さを感じる広がり方で廃番になったことが惜しく感じられる香り。精油ばかりではなく、イメージで作り上げたきれいな香りだと思います。

12、L'Artisan ParfumeurのJacinthe des Bois
このラインナップの中では1番軽い香りでコロン並みです。軽すぎて良く分からない、という感じもしますがサマーフレグランスとして復刻して欲しい香りでもあります。精油っぽさがあまり感じられずにワイルドさがないので、ヒヤシンス系の導入編に位置する香りとして初心者の方には使いやすくて良さそうです。

13、Palazzo VecchioのGiacinto Selvatico
どの部分が貴重なヒヤシンスアブソリュートであるのかは分かり辛いのですが、ガッツリと精油感を感じるヒヤシンスで、生花よりも濃縮されたパワーを感じます。トップノートはPenhaligonsとそっくりなのですが、ラストノートは甘さが出てくるので別物となります。香りの持続はこのラインナップ15種の中でもトップクラス。(2/21発売です)

14、PenhaligonsのBluebell
以前にフリージアのオフ会をした際にこっそり並べておいたら1番人気だった香りです。当時のラインナップは4種くらいでしたけど。ワイルドなヒヤシンスが皆さんお好きなのだとちょっとびっくりしました。トップ〜ミドルにかけてはPalazzo Vecchioの香りとそっくりですが、ミドル以降次第にワイルドさが消えてキレイな香りになって薄れて行きます。

15、YoshのWhiteflowers 1.41
試していた当初はヒヤシンスっぽさをサンプルから感じていたのですが、今回はオイル香が強く出てしまっていてあまりヒヤシンスっぽくは感じられませんでした。このラインナップの中だから・・・だという気もしますが。グリーン香を伴ったホワイトフローラルブーケです。



青くキリリとしたヒヤシンス
1、PenhaligonsのBluebell
2、Palazzo VecchioのGiacinto Selvatico
3、Il ProfvmoのBlanche Jacinthe

甘く可愛らしいヒヤシンス
1、Laura AshleyのNo.1
2、BorsariのGiachinto
3、elizabeth WのHyacinth

クラシカルなヒヤシンス

1、ChanelのCristalle
2、JosephのParfum de Jour


■総括
青くキリリとしたヒヤシンスの3種類はどれもそれぞれに良いのでお好みで選ばれると良いのではないかと思います。Il ProfvmoもEDPでしたらオフィシャルサイトから購入が出来ますし。(英語、イタリア語のみです)
香水の中でも質の良さで選ぶとどうしても精油香が強くなりワイルドになっていきますので青くキリリとした香りになりますが、一般的に香水というか精油に馴染みの薄い方には甘くて可愛らしいヒヤシンスの方が美しい部分を誇張してくれていて使い安いと思います。可愛らしいだけじゃ物足りない、と言う方は精油感のあるものを・・・ということで。ヒヤシンスの香りも良いのですが、僕は単純にシプレグリーンな香りが好きですので、シャネルのクリスタルの良さを再認識したという良い機会となりました。(28/01/2009)

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