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香りを重ねる

レイヤリングを提唱しているブランドというのがいくつか出てきました。代表としてはケイコメシェリ、ジョーマローン、イルプロフーモなどが挙げられます。レイヤリングを提唱しているこれらのブランドは、基本的に1つ1つの香りがシンプルにつくられているものが多いのが特徴です。シンプルだからこそ、重ねても大丈夫なのです。シンプルな香りというのはアメリカブランドに多くみられ、日本人にもカジュアルさを楽しみたいという方に好まれています。もちろん、最初から重ね付けを提唱している製品は良いのですがねそうでないものを重ねるというのはどうでしょうか。

すでに製品として完成しているものですから、根本的に「単独使用」しか想定されていない香りです。

重ねる場合の基本というのは、重ねる側の香りがシンプルであることが挙げられます。シンプルな香りであれば、それほど気後れすることなく試せますが、ルタンスやラルチザンのように最初から凝った香りを重ねるのは危険です。絵画のイメージでお考え下さい。画家が描いた絵に自分で加筆するイメージです。果物かごの絵の中に、1つ果物を追加して描いてもイメージは大きくくずれませんが、そのテーブルの上に花やスパイス、樹木を描くと絵画そのもののテーマが崩れてしまって、見れなくはないけどぼんやりとした雰囲気になってしまいます。

食事でも同じことが言えます。料理人の料理したものに、ドレッシングや粉チーズをかけることは簡単ですが、より多くの調味料を加えると味がわからなくなってしまいます。食べられないことはないけれど、あまり美味しいとは言えないものになりますよね。

画像だとわかり辛いのですが、ムエットを自分で作ってしまいましょう。ケント紙を買ってきて、切れば良いだけです。要は、水分を適度に吸収してくれる紙なら代用できるわけです。和紙でも良いのですが、和紙自体に糊や印刷物の香りがあると邪魔ですから、無臭に近いケント紙が良いと思います。

これは、見づらいのですが、たてに4本の切り込みが入っていて、 下でつながっているんです。ムエットが5本つながった形ですね。まずはこんなものを作ってみましょう。
上の紙が出来上がったら、2つ、2つ、1つと紙を折って右のような形とします。ここに香水を付けて見るのです 2本と3本でも大丈夫ですよ。香りの強さを本数で決めることとなります。

2本にレモンやオレンジブロッサムのシングルノートのものを、2本にサンダルウッドのシングルノートのものを、1本にグリーンティーを・・・。
4本にローズのシングルノートを、1本にパチョリを・・・なんてのも素敵です。

基本、シングルノートの香りが楽しみやすいです。ローズにグリーンを重ねたり、ローズにパチョリ、ローズにウッディ、ウッディにスパイス、シトラスにバニラ、シトラスにスパイス、ジャスミンとチュベローズなんかも大丈夫ですね。
香りをつけたら、全てを折りたたみ、まとめて付け根を持ってパッと一振りします。すると、全てが重なった香りを確認することが出来るのです。後は、1本分をアトマイザー1プッシュと決めれば、5プッシュで重ね付けを楽しむことが出来ますよね。ボトルから直接だとちょっと量が多いので、アトマイザーの方が良いかと思います。

5プッシュしても軽い香りがメインですよ、もちろん。重いバニラなどを重ねる場合は1本に留めた方が無難です。

初心者の方は、シンプルなもの同士でお試し頂くと良いかと思います。ちなみに、プロが選ぶとこうなる、という例がありますのでチャンスがございましたらお楽しみ下さい。レディースをメンズっぽくする重ね付けもあって目からウロコですよ ! !


Jean-Claude Ellenaが提唱する「重ね付け」
Chanelの「No5」
アイリスを強める
Apres l'Ondee (Guerlain)
メンズっぽくする
Aldehyde、lavender、Tabacを加える

Guerlainの「Shalimar」
ラベンダーを強める
Pour un Homme (Caron)
スパイスを強める
Pour Homme (Cacharel)
Comme des Garcons
パチョリを強める
Etro、Santa Maria Novella

Lanvinの「Arpege」
イランイランを強める
Beauty (Sarah Schwartz)
スズランを強める
Diorissimo

Jean Patouの「Joy」
ローズを強める
Ombre Rose (Jean-Charles Brosseau)
Rose Muskissime (Maitre-Parfumeur et Gantier)
グリーンジャスミンを強める
Diorella

Lancomeの「Tresor」
レザーを強める
Cuir de Russie (Maitre-Parfumeur et Gantier)
Centaure (Cardin)
ヴァイオレットを強める
Violette (BerdouesやFloris)
ローズを強める
Evelyn (Crabtree & Evelyn)
Tea Rose (Perfumer's Workshop)
Rose du Jardin Retrouve

Givenchyの「Ysatis」
香りを華やかにする
Feminite du Bois (Shiseido)

Thierry Muglerの「Angel」
フルーツを加える
Fuzzy Peach (The Body Shop)
融合させる
L'Eau d'Issey

Nina Ricciの「L'Air du Temps」
ペッパーを強める
Poivre (Caron)

Cacharelの「Anais Anais」
カジュアルにする
Acqua di Gio
夜用にセクシーにする
Gio (Armani)

Christian Diorの「Diorissimo」
フレッシュなマリンノートを強める
Cool Water for Woman (Davidoff)
Pleasures (Estee Lauder)
ブラックカラントを強める
First (Van Cleef & Arpels)

Yves Saint-Laurentの「Opium」
フルーツを強める
Orange Sanguine (Jean-Francois Laporte)
Orange Cannelle (Fragonard)
オレンジブロッサムを強める
Fleurs d'Oranger (Serge Lutens)
メンズっぽくする
Old Spice (Shulton)


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