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■2007年5月1日 スズランの日

5月1日はスズランの日です。この日に花束を贈ると「幸せが訪れる」ということで、花屋には1年で一番スズランが売られる日です。街角で、花屋でなくとも花を売ることが認められているとのことで、あっちこっちでスズランが売られているようです。特に、ヨーロッパ。スズランは百合科の植物ですので、どことなく百合っぽい香りも持ち合わせています。また、スミレ同様に森の下草であって、なかなか日本では花束として見かけないこともあり、生花の香りを知らない人も多いようです。鉢植えでも清楚な香りが楽しめますよ。

スズランは天然香料の採取出来ない花です。採取が全く出来ないのではないのですが、精油と生花の香りがあまりにもかけ離れているために、使用されないというのが実情です。では、各社がどのようなスズランを作り出しているのか、比較してみたいと思います♪


スズランの比較
■DiorのDiorissimo(Lily Dior)
王道系のスズランで、1つの指針となるくらいに有名なスズランです。キンチョールもスズランの香りっぽいために、キンチョール香と言われてしまうこともありますが、トップのアルコールが結構強いのが難点ですよね。ミドル以降は王道らしいスズラン香となります。

GuerlainのAqua Allegoria Liliabella
渋さのある大人のスズランです。発売当時はもっとすっきりとしていた記憶がありますので、経年劣化による渋さなのだと思いますが、生花と比較するとやはり少しズレますね。

Luciano SopraniのSolo fiori Lily of the valley
安価で楽しむのならばこのブランド。シングルフローラルでさっぱりすっきりとしていますが、少し香りは弱めです。香たちが弱いというよりも、やはり持続が短いです。

■Annick GoutalのLe Muguet
すっきりとしているようで、後から甘さが出てきます。他社製品に比べると香りがしっかりとしていることがわかります。骨格のあるスズランで、ラストはハニーっぽさが出てきます。

■Parfums de RosineのLe Muguet
アニック同様に骨格のしっかりとした香りのスズランで、すっきりさも清楚さもあるのに、少し濃さを感じます。スズランではない精油っぽさですね。グリーン系の精油が多いのかもしれないです。

JovanのLily of the valley
一番香りたちの弱いスズランです。コロンですからパシャパシャと使ってしまいたいライトな香り。

■Santa Maria NovellaのLily of the valley
シトラスハーブっぽい香りを少し含んだ独特のスズランの香り。いや、イメージのスズランの香りは確かに存在するのですが、生花を横に置くとハーブっぽさ、シトラスの香りが際立ちます。

Palazzo VecchioのMughetto di Primavera
やはり生花に近い香りです。ディオリッシモのツンとした香りを少し和らげた分だけ使いやすいシングルノートのスズランです。生花の方が少し青みが強いので、キレイにまとめたスズランの印象です。

JalaineのOcean
パフュームオイルでとても高価なブランドです。海をイメージしていながら香りはスズランの香りがとても強く、生花と比較してもそっくりなほどにスズランです。

Attar BazaarのLily of the valley
単独でこのシリーズを香った際はスズランっぽさを感じたのですが、こうして比較してみると遠いことがわかります。草っぽいグリーンのあるスズラン風なホワイトフローラルブーケですね。

■FlorisのLily of the valley
グリーンっぽさをしっかりと持っていて、且つ生花にも近い香りです。とても清楚でとがった感もなく、イメージにも生花にも近い香りだと思います。

■BorsariのLily of the valley
独特のハーブっぽさを持ったスズランで、このクセは上手く表現出来ないのですが、少しクラシカルでブランドに共通する香りです。

ファーム富田のスズラン
ミニセットの中のスズランです。洗剤というよりもこれはバスラインに使われていそうな少しオイルが似合いそうな香りです。生花っぽさは他のものに比べると少し劣ります。

Jessica McClintockのJessica McClintock
トップはホワイトフローラルブーケっぽさを少し感じますが(ジャスミンやローズ)、ミドルからはまさしくスズランがメインとなって香ります。かなり生花に近い香りがしていますね。

■Comme des Garconsのシリーズ1 Lily
百合の回でも取り上げたのですが、Fragrance of the World(書籍)でスズランに分類されていたので再度です。でもスズランというには遠くて、やはりスズラン風の香りというイメージです。スズランと百合の中間なのかなぁ。鉄砲百合っぽいかもしれません。

■ReneeのMediterraneo Lily
こちらも生花とは少し離れてしまいます。オイルに使われていそうな香りで、バスラインにありがちなイメージがファーム富田と似ています。

■MolinardのMuguet
スズラン風の香りで生花に似ている部分は多いのですが、とっても飛びが早いです。もう少し持続してくれると嬉しいのですが・・・。



生花に近いもの
Palazzo VecchioのMughetto di Primavera
コメント:少し和らいだスズラン
JalaineのOcean
コメント:パフュームオイルのスズラン
Jessica McClintockのJessica McClintock
コメント:とても清楚です。

生花っぽくないもの
Comme des Garconsのシリーズ1 Lily
コメント:百合とスズランの中間系
ReneeのMediterraneo Lily
コメント:百合とスズランの中間系
Attar BazaarのLily of the valley
コメント:オイルですが、こちらはすっきり感が薄いです。

クセのあるスズラン
GuerlainのAqua Allegoria Liliabella
コメント:大人のイメージを渋さが表現
BorsariのLily of the valley
コメント:独特のハーブっぽさが特徴

総括
スズランの香りは調香を学ぶ際にまずはじめに学習するくらいに大切な香りです。はじめに学習するということは、それだけ再現のしやすい香りでもあるということですよね。各社のイメージというのは大きくずれることなく、しっかりとスズランっぽさを持った香りが多いです。こうして同時に香り比較するとそれぞれの特徴が浮かび上がりますが、比較しないと横一列に「似てる系」でまとめられてしまいそうな香りです。スズランそのものの精油はありませんが、精油を組み合わせてスズランを再現しているようなクセを感じるのはアニックとロジーヌです。


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