永遠のラヴストーリーをテーマにつくられた香り。ラベルにはPour Homme : Pour Femmeと記されています。カップルフレグランスですね。このコレクションは全てExtrait de Parfumで、100mlが335ユーロで発売に。

■Lovers (2023年)

恋人たちのために・・・と、ロマンティックな時間を甘やかなかおりに乗せたもの。

トップ:パッションフルーツ、ジンジャー、プラム、ベルガモット
ミドル:ローズ、サフラン、ジャスミン
ベース:ベチバー、シダーウッド、サンダルウッド、パチョリ、カシミアウッド

フルーティーフローラルのトロピカルなローズを、サフランの利いたウッディノートが支えるという香り。トロピカルなフルーツ感はトップノートで鮮やかに弾けて消え、スパイスもパチョリも強く前に出ることはなく、少しグリーンなローズ系フローラルウッディへと切り替わっていきます。香りの変化もしっかりとあり、Extrait de ParfumというよりもEdPの感覚で使えます。カシミアウッドというよりもアンバーグリスノートが感じられるので、アンバーグリスが強く残る特有のクセの部分が苦手な方はご注意を。トップノートはフェミニンですが、とてもユニセックスなラストノートで終わります。(16/07/2024)


■Cavort (2021年)

浮かれて騒ぐ・・・というようなタイトルですから、恋人たちの一番楽しい時間、付き合い始めの頃を思い起こさせる香りというのがテーマ。

トップ:サフラン、ダヴァナ、ゼラニウム、シナモン
ミドル:ローズ、オレンジブロッサム、イランイラン、ジャスミン
ベース:パチョリ、ラブダナム、サンダルウッド、フランキンセンス

とてもアメリカっぽく感じられた香り。それはヤンキーキャンドルを思い起こさせたから。顔をしかめてしまう強めな違和感はトップで落ち着き、とても混沌としたケミカル感がスパイシーフロリエンタルという形となって肌に残ります。ミドル以降は悪くはないのですが、トップのスパーク感が凄く、二度目が躊躇われた香りでした。甘さも強めですので、持続ももちろん長いです。(16/07/2024)


■Secret Tryst (2021年)

秘密の試練というタイトルのテーマは浮気。密会の後に続く浮気現場。その欲望を香りにしたというのだから、心穏やかな香りではないでしょう。

トップ:ベルガモット、サフラン、カルダモン
ミドル:ローズ、ジャスミン、シダーウッド、ベチバー
ベース:パチョリ、フランキンセンス、シスタス、バニラ

3つの中では一番落ち着きのある安心できる香り。全く調香にはないのですが、カカオというよりももっと甘やかなチョコレートが中心にあり、チョコレートオリエンタルとなっています。トップのスパーク感はなく、スパイスたちはチョコレートを彩り、ラブダナムのどっしりとしたオリエンタルとバニラに重なっていきます。後半はラブダナムが強くなりチョコレートは影を薄くしていきますが、ラブダナムにリキュールを入れた感じの大人のオリエンタルです。(16/07/2024)