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Sampleレヴュー

Eaudemoiselle de Givenchy (2010年)

クチュールスピリットをテーマにしたフローラルで若い世代に向けた香り。タイトルのdemoiselleはyoung womanの意味で、訳すなら娘さんとかお嬢さんな感じでしょうか。

トップ:マンダリン、イタリアンウォーターレモン、シソ
ミドル:トルコローズ、イランイラン、オレンジブロッサム
ベース:シダーウッド、クリスタルムスク、アンブレットシード、トンカビーン

LVMHのディレクターであるFrancois Demachyが朝露に濡れるローズをテーマにしたようです。気になるところのシソは感じられないのですが、春から初夏にかけて活躍しそうな瑞々しいシアーフローラルになっています。1つ1つの香りは感じらませんので、主成分等の合成香料で組まれているのだと思いますが、ベースノートもかすかにしか香らず、最後まで瑞々しさが持続します。あまりローズっぽさはありませんし、トップで香ったグリーンノートが好き嫌いを分けるところなのかもしれません。それでも、ミドル以降の綺麗なムスクは日本人好みだと思います。(24/06/2011)


Naturally Chic (2010年)

2010年秋冬に発売れたレディースの限定品。

トップ:レモン、ベルガモット
ミドル:ピオニー、ラズベリー、フローラルノート、グリーンノート
ベース:パチョリ、アンバー、ホワイトムスク

秋冬に向けて真夏のプレスリリースだと思ったのですが、香り自体は真夏にぴったりなシトラスフレッシュです。シトラスがジューシーに香り出した後、その中からグリーンフローラルが香りだします。ラズベリーが可愛らしくフルーティーに香っていたらオーソドックスなフルーティーフローラルだったのでしょうけど、そこがとても控えめなのが好印象です。これくらいなら男性でもさっぱりと使えるのではないでしょうか。思いの他、グリーンノートが効いています。(24/06/2011)


Fleur d'Interdit (1994年)

禁じられた花園というタイトルで、いわば秘密の花園をイメージした香り。

トップ:ピーチ、ラズベリー、メロン
ミドル:シクラメン、ローズ、ライラック、ヴァイオレットリーブス
ベース:ヘリオトロープ、バニラ、サンダルウッド、アイリス

ランティルディが可愛らしくなってしまったと思いがちですが、ガルバナムが香る少し大人の花園です。このガルバナムは何の花に使われているのでしょう・・・。ヒヤシンスは調香にないのですが、明らかにガルバナムです。ラズベリーもピーチもトップの瞬間で薄れてしまうのが良い所で、フルーティーにするのではなく、フローラルを温かく厚みを持たせた雰囲気にしてくれています。ミドル以降はどんどん渋めなベースノートが香りだし、フローラルウッディとなって落ち着きます。(24/06/2011)


■Greenergy (2000年)

Ilias ErmenidisとAlberto Morillasが手がけたメンズのグリーンフローラル。タイトルはもちろんグリーンエナジーの造語です。

トップ:オレンジ、マンダリンバジル、ミント、グレープフルーツ、カルダモン、レモン
ミドル:ミモザ、ナツメグ、ペッパー、マリーゴールド
ベース:サンダルウッド、ベチバー、スティラックス

香りはグリーンリーフ系の香料にベチバーの合成香料を足したようないわゆる、グリーン系ウッディノートが主体です。上記の調香にある香料の中のスパイスやハーブの中ではバジルとカルダモンがわずかに感じ取れるのですが、ミモザや他のスパイスはわかりません・・・。とてもシンプルで分かり安い香りとなっているのですが、シンプル過ぎてアーティスティックな香りを求める方には物足りなく感じてしまわれるでしょう。飽くまでも初心者向きのさっぱり香ですので、初めてフレグランスとしててにされた方も多いのではないでしょうか。その他は上記以外にCK Oneに大量投入されているジヒドロミルセノールという合成香料が沢山入っているようです。(23/06/2011)


Amarige (1991年)

フランス語のMariageをタイトルとした香りで、この上ない幸せな瞬間をガーデニアとミモザでまったりと表現した香り。調香はDominique Ropionが担当。

トップ:ピーチ、プラム、オレンジ、マンダリン、ローズ
ミドル:ミモザ、ネロリ、チュベローズ、ガーデニア、ブラックカラント
ベース:ムスク、サンダルウッド、バニラ、アンバー、トンカビーン、シダーウッド

ミモザというよりもハネムーンのハニーノートが強く出たハニーフローラル。フルーツもフローラルも全てが霞み、ハニーノートに隠れてしまっています。その中からゆっくりと花が開くように香りがこぼれてくるのですが、やはりバブル期の典型的な香りです。こういう主張が強くて甘いハニーノートがブームだったんですよね。トロピカルフルーツにハニーフローラルをあわせたような香りが。ベースも甘いだけで特に香料は目立ちません。(22/06/2011)


1、Harvest 2005 (2006年)

毎年発売されているハーベストシリーズの1番最初の香りで、2005年に採集されたミモザの香りを使ったアマリージュです。もともとのAmarigeにもミモザは使われていますから、そのミモザの香りを前年に取れたグラース産のもので置き換えて限定版としたものです。

トップ:ネロリ、ローズウッド、ヴァイオレットリーフ、マンダリンリーフ
ミドル:グラース産ミモザ、ガーデニア、 シナモン、イランイラン、レッドフルーツ
ベース:カシュメラン、アンバー、バニラ、ムスク、トンカビーン、ベチバー

アマリージュってこんなに芳醇な香りだった? と思うくらいにふくよかな香り。イメージとしてはバブル期なのですが、プアゾンの流行した時期に合致するような感じがしたので発売年を調べたら1991年でした。なるほど、正しい。トップでふくよかに香ったセクシー香は時間と共にミモザやトンカビーンの甘さとパウダリーさが出てきてモダンクラシカルなセクシーさを漂わせます。イランイランも結構出ていますね。Givenchyはブランドに共通するGivenchy香があまり得意ではないという方も多いことと思いますが、このアマリージュにはそれほど強くは感じません。ハーベストだからなのかな。(31/07/2008)


2、Harvest 2006 (2007年)

Mayotte産のイランイランを加えたハーベスト。基本はアマリージュなのですが、イランイランだけではなくネロリが強まってさっぱり感が増しています。オリジナルが1番濃厚なのにEdTなんですよね。こちらはEdPなのに少しさっぱりとしたアマリージュ。でも、イランイランの良さはハニーノートに隠れてしまってあまり分かりません。ラストノートはシダーウッドが少し香りを出しますね。(22/06/2011)


3、Harvest 2007 (2008年)

インドのTamil Nadu産ミモザアブソリュートを使用したアマリージュのハーベストシリーズ。 こちらは明らかにミモザのアブソリュートが強まった感がします。青い生花のパウダリー感が生かされ、オリジナルのハニーノートがグッと押さえられています。時間と共にオリジナルのベースに近づいていきますが、ハーベストシリーズの中では1番嘘偽りのないアブソリュート感が感じられる香り。収穫祭なんですから、毎年これくらいしっかりと生かして欲しいものです。ハーベストシリーズのボトルはこの年のものが1番綺麗に感じます。(22/06/2011)


4、Harvest 2008 (2009年)

Madagascar産イランイランを加えたハーベスト。2007同様にこの年もイランイランがしっかりと前に出ています。随分さっぱり感が強まり、ハニーノートが押さえられていますが、オリジナルの持っていた濃厚なフローラル感は感じられません。ちょっとイランイランがミモザを消してしまった気がします。(22/06/2011)


5、Harvest 2009 (2010年)

Grasse産のミモザを加えたハーベスト。ミモザアブソリュートではなくてグリーンノートを加えたことでアブソリュートをたくさん使っている風に膨らませたような香り。確かに青いミモザの香りがしているのですが、2007と比較すると香り全体の深みがなくなり、平坦な感じがしています。でも、ものの10分でそっくりなベースノートが現れて、ジャスミンを再現する際のBenzyl acetateが肌に残ります。この年が1番ジバンシイらしい香りで、GuerlainのChamps-Elyseesが苦手な方はこちらのハーベストを試されると良いかもしれません。とても上品なミモザになっていますよ。(22/06/2011)


■Ange ou Demon Le Secret (2009年)

キルビルのUma Thurmanが広告塔を務めることが話題となっている新作です。シークレットということで映像を見るとやはり二面性をテーマとしています。天使と悪魔ですから。冬向けということなのかウィンターフローラルをメインとしているようです。映像では、彼女がこの香水を使って鏡を覗くとブラックドレスの自分が口に手を当て「秘密よ」と告げるものになっています。使うことで自身の二面性が顕になる・・・という感じのCMですね。調香はSymrise社のBernard Ellenaで、初めてボトルの正面に違ったデザインがプリントされています。

トップ:イタリアンウィンターレモン、クランベリー、グリーンティー
ミドル:ピオニー、ジャスミン、ウィンターフローラルノート
ベース:ブロンドウッド、パチョリ

トップではベリー系の香りを加えて可愛らしくした香りで、一時期流行した小悪魔系っぽい雰囲気でしょうか。オリジナルのフロリエンタルな部分は全くかすれて見えなくなり、スイートフルーティーノートが全面に押し出されています。こうして香ってみると、オリジナルが1番大人でこちらの方が妹版のイメージです。ベリー系が強いことで、より若い世代にアプローチしたのかもしれませんね。オリジナルからすると完全に別物です。(21/06/2011)


■Ange ou Demon Tender (2007年)

よりソフトにしたバージョンとして発売された香りで、オリジナルのEdTなのですが、調香が変わり、ボトルのグラデーションも逆となっています。

トップ:マンダリン、スズラン、ネロリ
ミドル:リリー、ピオニー、ヘリオトロープ
ベース:ローズウッド、パチョリ

ソフトというよりもすっきり系で、オリジナルのオーキッドなオリエンタル香をスズランやネロリに置き換えてすっきりさせたもの。オリジナルの甘くパウダリーな部分が弱まり、薄っすらとしたヘリオトロープが残ります。パチョリがほとんど分からないのが残念ですが、トータル的にとてもジバンシイっぽい王道系の香りとなって落ち着きます。ラストノートもオリジナルより遥かに軽やかです。(21/06/2011)


■Ange ou Demon (2006年)

Angel or Demon、天使か悪魔か。そんなタイトルでジバンシーの新作が登場しました。シャンデリアがモチーフとなっているフレグランスですが、タイトルがタイトルなだけに中東ではタイトルを「Ange ou Etrange」と変えて発売されたことで話題に。香りはオリエンタルフローラルで調香はFirmenich社のJean-Pierre BethouartOlivier Cresp

トップ:ホワイトタイム、カラブリアンオレンジ、サフラン
ミドル:マキシラリアオーキッド、リリー、イランイラン
ベース:トンカビーン、バニラ、ローズウッド、オークウッドアブソリュート

マキシラリアオーキッドとは中南米原産の蘭の種類のことで、とても良い香りなのだそうです。画像はフランス人モデルなのですが、ポスターは天使バージョンと悪魔バージョンで2種類製作しています。香りはまさしく、フロリエンタルです。トップのシトラスはそれほど強くなくて(香りますが)、ほの甘いウッディにフローラルが重なる感じです。ゆっくりと香っているとやっぱりベースにジバンシーの独特な共通香を感じますので、苦手な方は苦手だと思います。更にラストノートはパウダリーさが残ります。このほの甘いパウダリーフローラルはそのまま生花で香る蘭があったとしても不思議ではない感じがします。 (22/10/2008)


1、Harvest 2008 (2009年)

インドはMadurai産のサンバックジャスミンを追加したハーベストバージョンです。Very Irresistibleシリーズとは違い、メインテーマの花を別のものにしている分香りがオリジナルとは違います。単純にオリジナルにサンバックジャスミンを足した香りで、トップノートでサンバックジャスミンが香ります。ただ、これはサンバックジャスミンアブソリュートではなく調合タイプだと思うのですが・・・。きちんとアブソリュートを使用したらまず間違いなく液体の色が茶褐色になります。確かにサンバックジャスミンは香りますが、全体としてはきちんとAnge ou Demonですよ。(21/06/2011)


2、Harvest 2009 (2010年)

エジプト産のオレンジブロッサムを追加したハーベストバージョンです。サンバックジャスミンの2008よりもオレンジブロッサムが明確に香ります。トップノートで弾けるようにビターなオレンジブロッサムが香り、瞬間でオリジナルのAnge ou Demonに戻っていきます。こちらもオレンジブロッサムを加えた分だけ明らかに変化がありますし、例年よりも少し甘さとウッディノートが強いようにも感じますが、基本的には1種追加しただけという感じです。それでもじっくりと比較するとラストノートは1番セクシーに感じます。(21/06/2011)


■Absolutely Irresistible (2008年)

秋仕様ということで発売されたのですが、何故かキーノートはジャスミンと夏の花。

トップ:グリーンマンダリン、レッドベリー、オールスパイス
ミドル:エジプシャンジャスミン、オレンジブロッサム、ヘリオトロープ
ベース:シダーウッド、パチョリ、アンバー

香ってみたら良く分かりました。ジャスミンはどこにも見当たりません。全体としてフルーティーフローラルにまとまっていて、ベリーというよりも青りんごやペア系のフルーツ香料にジャスミン調、スズラン調の合成香料をたくさん追加した感じの香りです。オレンジブロッサムもそれとわからないのでおそらくMethyl anthranilateになっているのだと思います。精油分がほぼ皆無だから成し得た透明感で、時間と共にアンバーノートが甘く香りだします。すっきりとしつつも秋冬向けに少し甘さを強調した作りになっているのかもしれませんね。ただ、ローズがどこにも見当たりませんので、これは別の商品名にして発売して欲しいところです。(20/06/2011)


■Very Irresistible (2003年)

2003年発売で調香はDominique Ropion、Sophie Labbe、Carlos Benaimという言わば有名どころのドリームチーム。広告塔にLiv Tylerを起用して可愛らしいチャーミングなイメージをピンクのボトルとローズで表現したもの。彼らはこの香りのために5種類のローズのアコード(調合香料)を用意しました。この香りのためのオリジナルアコードで、それらを全体の35%使用しているようです。でも、言い換えれば35%でしかないんですよ。残りの65%はローズ以外、ということに他ならず。

センティフォリアローズ、パッションローズ、エモーショナルローズ、ファンタジアローズ、ピオニーローズ、スターアニス

香りはまず、初代のもはのスズラン系の合成香料をたっぷりとベースに使用した上で青りんご系の合成香料を加えてフルーティーフローラルなローズ風にまとめた感じです。少しパウダリーで少しハニーノートの甘さが出ているとても可愛らしい香り。Iso E Superっぽい軽いアンバーウッディノートと、フローラルノートの残り香が軽やかに残ります。全体的に生花っぽい雰囲気を期待すると、飽くまでもファンシーなローズ風で精油感はありませんのでご注意を。ベースノートが薄く感じますが、ムスクはしっかりと効いています。以下、限定のシリーズと比較していきます。上記はEdTのレヴューで、2007年以降のハーベストシリーズはEdPになります。(20/06/2011)


1、Harvest 2005 (2006年)

初年度のハーベストシリーズは初代のボトルで登場し、2005年に収穫されたブルガリアのダマスクローズを使用し、少し豪華バージョンにして発売した香りで、濃度はEdT。ローズオットーではなくローズアブソリュートの香りが微かに香ります。このローズアブソリュート感を膨らませてそれらしさを感じられるように初代のものよりもグリーンノートを強めています。すっきり感と青さが倍増し、少しローズらしくなりました。肌に残るムスクは流行系のランドリームスクではなく少し薬草っぽい種類です。他の年のものと比較するとローズアブソリュートが1番感じられるのですが、持続がとても短いので、わからないままラストノートになってしまう方も多いのかもしれません。(20/06/2011)


2、Harvest 2006 (2007年)

2006年に南仏グラースのChateauneufで採集されたセンティフォリアローズを使用したハーベストで、この年からボトルが限定ボトルに変更されました。香りは「うわっ、どうしちゃったの?」というほどフルーティーで、ストロベリーを大量投入したようです。センティフォリアローズらしさが全く消えてしまったベリー系のフルーティーフローラル。ラストノートはパチョリがベリーと重なりフルーティーフロリエンタルとなって残ります。持続も抜群。(20/06/2011)


3、Harvest 2007 (2008年)

2007年にモロッコのバラの谷で採取されたダマスクローズオイルを使用したハーベストシリーズ。 とってもキュートで可愛らしかった前年から反転、少し大人の雰囲気になりました。ダマスクローズは残念ながらどこにあるのかわかりませんが、ベースに少しサフランっぽいレザーウッディアコードがあるようです。パチョリらしさは感じないのですが、ラストノートの残り香で合成香料のウッディノートが残ります。シリーズの中では1番渋めだった年と言えそうです。(20/06/2011)


4、Harvest 2008 (2009年)

昨年に引き続きダマスクローズを使用。今度はトルコ産で香りは初代の香りに近づきました。軽くてさっぱりとしているのですが、どことなくDiorのForever & Everっぽいと思ったら、この年はランドリー系のムスクを追加しているようです。だから軽いローズ石鹸風な残り香に。今までの中で1番油脂っぽいムスクで、ペタッと肌に残ります。このシリーズは生花のローズや精油感を求める方ではなく、飽くまでもファンシーなローズ風の香りがお好きな方向けです。(20/06/2011)


5、Harvest 2009 (2010年)

モロッコのTidass産センティフォリアローズを使用したハーベスト。この年はトップノートに微かなアルデヒドを加えてさっぱり感を出しているようです。それと、前年通りにムスクを増やしています。これは前年通りであると共にChroeのEdPが大ヒットしたことも理由なのではないでしょうか。ローズらしさはどこへやらパウダリーなスイートムスクに早代わりして柔軟剤のような残り香へと変化します。センティフォリアローズは全く感じられませんが、残り香のバランスは今まで1番綺麗だと思います。(20/06/2011)


■Play for Her (2010年)

メンズ先行で発売されていたPlayにレディースが加わりました。香りはPlay for Her edpとedp intenseの2種で、共通しているポイントはカリビアンアミリスウッドです。調香を手がけたのはPerfumers Emilie CoppermannとLucas Sieuzacで、アミリスウッドとタヒチアンガーデニアをテーマとなっています。このレヴューはEdPの方のものです。

トップ:ベルガモット、スイートピー、ピンクペッパー、ホワイトピーチ
ミドル:タヒチアンガーデニア、マグノリアリーフ、マグノリア、ピンクペッパー、ホワイトピーチ
ベース:アミリスウッド、サンダルウッド、ムスク

もう、付けた瞬間から弾けるようなピーチとベリー系の甘い香りが広がります。甘くねっとりとしたピーチがガーデニアの中のココナッツと共に香るのですが、他に何もないくらいピーチとガーデニアです。素直に可愛らしいというよりも「可愛らしさの演出」という香りで、次第に強く出ていたピーチがムスクと絡んで肌に馴染んでいきます。キャンディーのようなお菓子のフレーバーっぽくて、胸を張って「チープで何が悪い?」と言っているような香りです。「これでなくては!」という強い個性はないのですが、ピーチ系の香水がお好きな若い世代には良いのではないでしょうか。数年で廃番になるでしょうから、気に入ったらストックすべし、です。でも、国内ブランドとか比較的カジュアルな香水を得意とする会社はこういう系統を必ず発売していますから、焦らなくても良いのかな、とも思いますが・・・。(06/09/2010)


Ysatis (1984年)

Dominique Ropionによる調香で、今ではすっかり発売されなくなったジバンシイの中ではモダンクラシカルな香り。制作に彼は18ヶ月かけたそうです。

トップ:マンダリン、イランイラン、ガルバナム、ローズウッド、ココナッツ、アルデヒド
ミドル:チュベローズ、ジャスミン、ナルシス、カーネーション、ローズ、アイリス
ベース:ムスク、アンバー、バニラ、パチョリ、サンダルウッド、カストリウム、シベット

フローラルアルデヒドというよりもシプレフローラルと表記されているサイトが多いのですが、確かにアルデヒドは強くはないんです。シプレ感もあるのですが強くはなくて、この辺りの微妙なさじ加減が1980年台なのです。これが1950年代だったらもっとシプレはシプレ、アルデヒドはアルデヒドとはっきりとした香りになっていたでしょう。香りの核になっているのはジャスミンで、ジャスミンがココナッツの甘さと軽いアルデヒドと共に香ります。グリーンノートはさっぱりわからないのですが、アイリスのパウダリーさはトップから出ていますね。シプレというよりも微かなアニマルノートが印象的で、それがやはりNo.5っぽさを感じさせるのです。(ジャスミンとイランイランにアルデヒドですから)シプレ感はオークモスではなくてパチョリのようで、それもシプレ感を強く感じていない理由かもしれません。少しパウダリーなココナッツ系ジャスミンという雰囲気で、No.5がクラシカルすぎて苦手・・・という方にはこちらの方がモダンで使い安いまではないかと思います。何にしても、今のジバンシイからは想像出来ないシックな良さを保持している香りだと思います。ジャスミンの香りが好きな方にも良いのではないでしょうか。(02/02/2010)


■Vetyver (1959年、2007年)

Les Parfums Mythiquesとしてジバンシイの50周年に発売されたシリーズのもの。

トップ:ベルガモット、ベチバー
ミドル:コリアンダー、ベチバー
ベース:サンダルウッド、ベチバー

付けた瞬間はメンズらしいクラシカルなフレッシュ系の香りがしたのですが、ミドル以降にぐぐっとベチバーらしいウッディノートがスパイスと共に現れます。予想していたよりも思いの他軽やかです。とは言えやはりジバンシイですのでジバンシイの共通香のようなものも感じられます。スパイシーで少しハーバルなウッディノートですので、男性にとってはマルチに活躍してくれそうな香りですよ。あまり類を見ない・・・というほど個性的な香りではありませんが、時代に埋もれない比較的オーソドックスな香り。(23/04/2009)


■ Extravagance (1998年)

1998年に発売されたフローラルな香りのエクストラヴァカンス。これは、クラシックなマリアージュを当時の流行に乗せるために、使いやすくライトバージョンにしたもので、Extravagance d'Amarigeが正式タイトルのようです。ヴァカンスと名の付くとおりに、8月の南仏をイメージした香りです。

トップ:グリーンマンダリン、ローズ、ピンクペッパーコーン
ミドル:ジャスミン、ヴァイオレット、オレンジブロッサム
ベース:サンダルウッド、シダーウッド、ブラックアイリス、ムスク

香りは、軽やかではあるのですが、2000年以降の流行な香りとはやはり違いますね。トップのマンダリンがジューシーで、フローラルも爽やかに香るのですが、いわゆるアクア系、オゾン系、瓜系に頼っていない瑞々しさを感じます。(香料としては入っているのでしょうけど) 時折覗かせるキーンとした金属的な香りに涼しさを感じているのかもしれないです・・・。

時間が経つにつれて、少しアイリスを感じるようになります。シトラスがなくなり、ヴァイオレットとかアイリスが出てくる雰囲気です。ウッディもそこまで重くない香りなのですが、少し渋さを感じる要素があるので、万人が使いやすいか、というとちょっと違うのかもしれないです。やはりベースにはジバンシイ独特の共通香が潜んでいますので苦手な方は要注意です。(22/10/2008)

 

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