■- L - (2019年)

コアに配されたのはLから始まるLeatherとLabdanum。

レモン、マンダリン、セージ、カラメルアコード、ムガーネ、アンブラモン、サンタマノール

ムガーネはMane社の独占香料でスズランの香り。アンブラモンはラブダナム、サンタマノールはサンダルウッドです。香りはたっぷりのシトラスで始まるシトラスレザーで、随分と柔らかくパウダリーノートとムスクが効いているあたり、オレンジブロッサムがあればGuerlainのHabit Rougeになりそうなトーンで広がります。ラブダナムはなかなか感じられず、メインというほど強くはなく、カラメルアコードもダイレクトに香るほど強くはありません。ラストノートの奥にラブダナムが感じられるようになると香りは終盤で、そのまま大きく形を変えずに消えていきます。主張の強い香りを、軽めな香りとムスクで整えたセミオリエンタルです。(26/07/2024)

■- S - (2019年)

コアに配置されたのはSから始まるサフラン。

サフラン、フランキンセンス、マテ、イモーテル、ベンゾイン、ラブダナム、バニラ、ウード、アンブラモン

サフラン以外の明るいシトラスを排すことなく、スパイスもなく、サフランで始まるロースタートな香り。軸はサフランというよりもオリエンタルアコードで、全体がオリエンタルなトーンにまとめられています。ラブダナムやバニラ、ベンゾイン、ウードを軸としたアンバーオリエンタルにサフランを効かせた、というのが全体像で、ゆっくりと滑らかに広がっていきます。取り立てて珍しいタイプの香りではないし、斬新さは感じられませんが、その分広くオリエンタルな香りのファンには届きやすい香りだと言えます。(18/11/2022)


■- O - (2019年)

コアに配置されたのはOから始まる2つの香り、OudとOrangeです。

ウード、オレンジ、ブラックペッパー、ジンジャー、ザフリィル、エレミ、ローズ、ジャスミン、スティラックス、サンタマノール、ホワイトレザー

Zafrylとはシナモンリーフオイルから得られるスパイシーな香料のこと。スパイスとウードが重なってスタートする、ウードがーまであることをしっかりと感じられる香りです。ただ、ウードオイルはワイルドではなく、アンバーウッディノートに近いタイプで、それらを取り巻くフローラルノートやウッディノートはウードの表情を微かに変えていくための変調剤。だから、時間と共に香りが移ろうというよりも、全体としてウードアコードのようなトーンで広がるのです。それでも予想していたよりもずっと穏やかで軽く、ダークなラストノートにはなりません。また、アニマリックでもありません。とても優等生的なウードタイプのフレグランスです。(18/11/2022)