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Sampleレヴュー

■E15 Tell Me About Dubai (2024年)

奇しくもレヴューしている今、彼はドバイにいるのですが、彼は香りでドバイを伝えてくれたわけですね。

カルダモン、ガルバナム、オスマンサス、シダーウッド、タバコ、シベット、ウード、ラブダナム、カシュメラン、アイリス、ケード、バニラ、ムスク

香りはもちろんウードを軸に、スモーキーなタバコとウッディノート、スパイス、バニラなどで少しスモーキーなオリエンタルウッディムスクに仕立てたもの。ウード自体はワイルドでアニマリックなトーンではないものの、わざわざシベットを入れているため、敏感な方には感じられるかもしれません。通常であればウードにはカストリウムを合わせ、レザートーンを加えて行くことが多いのですが、彼はオスマンサスとシベットの組み合わせにしています。使いにくいほどのダークさ、個性ではないとても品の良いウードです。

他の4種とはボトルのデザインが違い、価格も20ユーロ高い180ユーロとなっています。(29/10/2024)


■E70 Edoard'eau (2024年)

イギリスで1901年〜1910年にかけての時代をエドワード朝と呼びます。エドワード7世の治世は僅かに10年でしたが、その時代を思わせるいわゆるクラシカルなオーデコロンの形。コロンはニッチなフレグランスファンには売れないと言われていますが、どうしても作りたかったのだそう。イタリア人ですもんね、伝統的な香りは押さえておきたいところでしょう。

レモン、ベルガモット、マリンアコード、ペティグレン、ブルーベリー、ローズマリー、オレンジブロッサム、ジャスミン、サンダルウッド、ベチバー、シダーウッド、ムスク

5つの香りの中では一番フレッシュなシトラスアロマティックムスクで、通常のEdCとの違いはラベンダーがなく、フローラルノートでユニセックスに留めている点です。マリンノートは強くはなく、GuerlainのImperialeを思わせるリッチなシトラスで始まる香り。オレンジブロッサムはペティグレンをアクセントにして作られるし、ジャスミンノートとの相性は抜群です。イタリアらしくさっぱりと爽快にまとめられたコロンですが、濃度がしっかりとあるため、時間と共にビターなシプレウッディムスクとなって落ち着きます。おそらくマリンアコードの中に海藻系のモスがあるのでしょう。その点もサンダルウッドが肌に残るGuerlainのImperialeを思わせるのです。でも、さすがに濃度がExtrait de Parfumですので、残り香はImperialeの数倍リッチで、深みがあります。EdCというよりもシプレウッディムスクを楽しむ香りと言えるかもしれませんね。(28/10/2024)

 

 

■E21 Florentine Gardenia (2024年)

日本人のみならず、各国で人々を魅了してやまないガーデニア。もちろんフィレンツェでも同じで、彼も魅了されているわけです。

カラブリアンレモン、スズラン、ネロリ、ジャスミン、ガーデニア、ピーチ、ミルクアコード、サンダルウッド、シベット、アイリス、バニラ、ヴァイオレットリーフ、ムスク、ハニー、インドール

調香師は誰もがガーデニアのアコードを持っています。それは生花そのものではなく、パーツ(部品)としてのアコードですが、それを使用して生花っぽくまとめることも出来るし、テーマに合わせて形を変えることももちろん可能です。彼は生花そのものを目指したわけではなく、ココナッツ調のサンダルウッドにミルクを合わせ、ココナッツでもありつつミルクなガーデニアにピーチを重ねました。ガーデニア、サンダルウッド、ピーチは全てココナッツつながりで手を組む相性の良い組み合わせで、トップにはすっきりとしたシトラスノートを、ベースにはハニームスクを配したというのが全体像。生花というよりもフィレンツェの街並みに合う、少しクラシカルなニュアンスも感じるラクトニックなフローラルムスクです。シベットは感じられるほど強くはありませんが、秘薬のようです。トップはくるくると香りが変わりますが、とてもセクシーなラストノートに落ち着きます。(25/10/2024)


■E70 Paris - Venice (2024年)

春の香りのパリの花弁とヴェネツィアの花輪を身に着けて、「ヴェネツィアに恋して」と囁くと、あなたはいつも恋に落ちる。つまりは、誰もがヴェネツィアを好きになる香り。

ブラックカラント、ローズ、ブラックベリーアコード、ピーチアコード、ガルバナム、ベチバー、ウード、パチョリ、スパイス、バニラ、ヴァイオレットリーフ、ムスク、ムースドゥサクス、アンブロセニド

あぁ、なんとも可愛らしい。少し懐かしいテイストのフルーティーフローラルがトップで弾けました。ブラックカラントの効いたフルーティーフローラルで、アクアティックなノートを排除したDiptyqueのL'Ombre Dans L'Eauの雰囲気で、ブラックカラントとローズのコンビネーションがキリリとしたグリーンと共に広がります。ブラックカラントはもともとフルーティーグリーンな香りのため、グリーンノートと合わせるのもテッパンですから、とても相性の良い組み合わせですが、ベースにバニラを効かせた少しオリエンタルなトーンを配したことでパリを、ヴェネツィアはスパイス貿易(シルクロード)の終着点という意味でスパイスを配したような調香で、ユニセックスなラストノートに落ち着きます。(24/10/2024)

 

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