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Sampleレヴュー

■Latte di Cherry (2023年)

レッドボトルで登場した香りはチェリーミルクでした。カクテルをイメージした香りのようです。

 

 

トップ:チェリー、レッドベリー、スイートオレンジ、アーモンド
ミドル:ジャスミン、ローズ、イランイラン、スパイス
ベース:バニラ、トンカビーン、ベチバー、アンバー、ムスク

2018年にTom FordがLost Cherryを発売して以来、チェリーのブームがじわりじわりと高まっているように感じられるのですが、チェリーの香りの特徴はアーモンドに代表されるベンズアルデヒドです。近しい樹木である梅や桃なども有している芳香成分で、香料の中ではトップノートで弾けて消えていくため、あまり持続は長くはなく、この香りの中でもチェリーとアーモンドがトップにあります。香りを肌に乗せると、トップでは予想していたようにベンズアルデヒドがフルーティーな香りと共に弾けるのですが、時間と共に微かにラクトニックなフローラルウッディムスクへと切り替わっていきます。ミルクというほどミルク感は強くはなく、グルマンというほどスイートノートも強くはなく、フローラルノートも強く感じられないのですが、全てがムスクの中に溶け込んで静かに香っており、残り香を少しフェミニンに感じさせています。ムスク強めの素肌感に落ち着く辺りがセクシーに仕立てたチェリーと言えるでしょう。(02/05/2023)

 

 

■Caramelo Vanilla (2022年)

2022年発売で新たに加わった香り。塩キャラメルはどの国でも愛されているスイーツですが、香りとしてまとめらたのはあまりないかもしれません。New Noteとしては試してみたい組み合わせだったのでしょう。

トップ:バニラブロッサム、カラメル
ミドル:ホワイトブロッサム、フランジパニ、コットンキャンディー、ドゥルセ・デ・レチェ(液体のキャラメル)
ベース:バニラ、トンカビーン、ムスク

タイトルに忠実なグルマンファンを笑顔にするカラメルバニラで始まります。バニラアコードをこってりと甘くしていくにはカラメルノートが必要なのですが、これはそこを少し強化することでカラメルバニラとしたもの。でも、カラメルの中の香ばしい部分が抜けていくと、バニラの中にフローラルノートが微かに感じられたり、少しクリーム調のバニラが感じられたりするようになります。でも、大枠は胸を張ってカラメルバニラです、と言えるグルマンです。(27/10/2022)


■Talco (2021年)

赤ちゃんの白くて柔らかな肌の感触をおみい起こさせる愛に溢れた優しい香りの組み合わせ。タルカムパウダーのフレグランスはそこまで珍しくはありませんが、タルカムパウダーを使う習慣は今もあるのでしょうか? 夏の肌には必要だった制汗パウダーのシッカロール、ベビーパウダーなどは、汗を絶えずかいている赤ちゃんには欠かせないアイテムです。

トップ:ベルガモット、ジャスミン、ローズ、タルカムアコード
ミドル:ローズ、イランイラン、アイリス、ローズウッド
ベース:バニラ、トンカビーン、アンバー、プレシャスウッド、ムスク

タルカムパウダーの香りはローズ、アイリス、ヘリオトロープにバニラやクマリンを加えて整えていくことが多いのですが、これはとてもローズに比重を置いた、パウダリーなローズに近いタルカムパウダーです。ツンとしたグリーンというよりもフレッシュで溌剌としたローズがタルカムパウダーの香りと共に広がり、とても子ども用のタルカムパウダーではなく、実に大人なまとまりで、サンダルウッド調のパウダリームスクで終わるのではなく、バニラムスクがベースとなっています。(27/10/2022)


■Rosa Limone (2021年)

ローズとレモンのマリアージュから生まれた香り。ローズにレモンを加えたシトラスローズはそこまで珍しいことではないかと思いますが、タイトルにするほどですから、かなりジューシーなはず。

トップ:ベルガモット、スイートレモン、マンダリン、ピンクグレープフルーツ、マリンノート
ミドル:ローズ、ジャスミン、ゼラニウム、アイリス、イランイラン
ベース:アンバー、アンブレットシード、パチョリ、ウード、サンダルウッド

フレッシュで明るいシトラスローズを想像していたら、かなり印象の違う香りで驚きのスタートでした。それはとてもファッションフレグランスを思い起こさせるメンズの香りだったから。厳密にはユニセックスですが、ゼラニウムにパチョリが重なり、グレープフルーツの苦みの部分とマリンノートがアクセントになると、それは少しメンズ寄りのニュアンスとなるのです。ウードやアンバーが香るほどオリエンタルな香りではなく、どちらかというとフレッシュアロマティックに近い香りです。ファッションフレグランスを思い起こさせるからか、何だかとても懐かしく感じられました。アロマティックなフレッシュフゼアからラベンダーを抜いたニュアンスなのです。(26/10/2022)


■Queen Of The Sea (2021年)

海の女王というタイトルですから、どこかそうしたタイトルの生き物がいたり、花があったりするのだろうかといろいろ調べてみたのですが、そうではないようです。

トップ:スイートレモン、ピンクグレープフルーツ、ネロリ、マリンノート
ミドル:トルコローズ、モロッカンローズ、マグノリア、ゼラニウム、ペラルゴニウム
ベース:アンバー、パチョリ、プレシャスウッド、ムスク

これはまた少し懐かしくも感じられる2000年代に大流行したフレッシュマリンフローラルです。マリンノートの種類こそ違えど、印象としては似たタイプで、フローラルノートの軸であるローズがローズではなくローズ調というシンプルな合成香料となっているのがポイントで、香料数を減らし軽めなノートを多くすることで、Extrait de Parfumでも軽やかなトーンをキープしています。ローズだけではなくゼラニウム調の香りを加えたことで、少しユニセックスであることを意識したのかな、と感じられました。フローラルノートが一段落してもマリンノートは残り、パチョリの効いた軽いマリンシプレへと切り替わって落ち着きます。(26/10/2022)

 

 

■New Leather (2021年)

New NoteのNew Leatherなのですから、今までのレザーの香りではなく、どこか新しさを感じさせるレザーになっているはず。

トップ:ベルガモット、サフラン、ピンクペッパー、ナツメグ
ミドル:アイリス、ラブダナム、カルダモン、ローズウッド
ベース:シプリオール、スエード、シナモン、パチョリ、ベチバー、ガジュンバルサム、ワームウッド

サフランもスエードもあるレザーのため、その他多くのレザーのフレグランスに埋もれてしまいそうな印象を受けますが、タールのスモーキーさがないことで使いやすく感じられることと、バニラとクマリンがとても効いていてかなり甘めなオリエンタルレザーとなっているところが特徴です。それでも後半はレザー感が薄れ、オリエンタルウッディに微かなレザー感が重なったという形になるので、力強いレザーが苦手な方、特に女性に良さそうなテイストです。(24/10/2022)


■Musk Complexity (2021年)

素肌をセクシーにしていくための香り。様々なムスクを重ね合わせ、厚みのあるムスクにしてから、そこにいろいろなアクセントを入れたというもの。

トップ:レモン、ベルガモット、ジンジャー、ペティグレン、レッドフルーツ、ラム
ミドル:チョコレートフラワー、ジャスミン、ラブダナム、カルダモン
ベース:シュガー、シナモン、パチョリ、ガイヤックウッド、サンダルウッド、ムスク、ムセ、エグザルトリド、フィクソリド、シベットン

ムスクをテーマにしたフレグランスらしい、ムスク万歳な香りです。レッドフルーツ、ラムのツンとしたエーテル(少し熟れ過ぎたフルーツ様)、スパイスやフローラルを大量のムスクが包み込んで広がるのです。少しずついろいろなエッセンスが香るものの、全体のトーンとしてはフレッシュなムスクで、アニマリックなシベットはそれとわかるほど強くはありません。香りはそこから穏やかなウッディムスクとなって消えていくのですが、最初から最後まで延々と続くムスクに何かを重ねたくなるかもしれません。(24/10/2022)

 

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