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Sampleレヴュー

■Riserva Regia (2023年)

3つ目の香りはIris Marsicaという、イタリアの中でもこの国立公園に自生する固有種のアイリスをテーマにブルーとなりました。Iris Marsicaはパープルに近いブルーのアイリスで、小型のもの。比較的一般的にみられるタイプのもので、固有種であったも大きな特徴はないタイプです。調香は今回もLuca Maffeiが担当。

 

 

トップ:ラムノベリー、ワイルドシスル(野アザミ)
ミドル:アンバー、アイリス、アンジェリカルート
ベース:オークウッド、ムスク、オークモス、ツリーモス

ムエットで香った際には、とても美しいキレイ目なアイリスに感じられたのですが、肌では少し薬品香のあるトップで始まりました。ベリー系の甘さはなく、アンバーというほどオリエンタルでもなく、アイリスムスクがウッディノートと共に静かに肌の上で香るという、とても優等生的なアイリスムスクとなって終わります。実際にオークモスやツリーモスが使用されているようですが、シプレと感じるほど強くはなく、またレザーなどもないため、肌に残るラストノートのアイリスムスクはリネン調にも感じられ、ロッジで迎えた静かな朝をイメージしてしまいました。シンプルですが、何をも邪魔しない喧騒から解放された香りです。(25/05/2023)

 

 

■Scarpetta di Venere (2018年)

パフィオペディルムという女神のスリッパと呼ばれるオーキッドを使用した二つ目の香りで、引き続き調香はLuca Maffeiが担当。タイトルももちろん、女神のスリッパで、5〜6月に公園で咲くのだそう。

 

 

トップ:ブルーベリー、ドッグローズ
ミドル:オーキッド、レッドリリー、アイリス、キングサリ
ベース:ブナ、ツリーモス

最初の香りとはまた違い、フルーツをトップに配置し、初夏を表現したわけですが、フルーツだけではないアーシーで少し薬品っぽいフローラルノートが個性的に広がります。フルーティーさが可愛らしくないのがポイントで、言わばフルーティーなアクセント程度。そしてオーキッドの香りを再現、表現していくには必須の香りがあるのですが、その香りをたっぷりと使用して柔らかくしています。全体的にはフローラルが主体でありながらフローラルらしくないというまとまりで、飽くまでも咲いている風景を、その空間を表現したのだということが感じられるはずです。一言でまとめるとしたら、スイートアロマティックフローラルウッディといったところでしょうか。ベースノートはParco 1923と同じですが、Parco 1923はグリーンノートが生き生きと香り持続しますので、ラストが似ているという印象は受けず、こちらはヒノキに近い滑らかなウッディムスクが肌に残ります。(10/10/2018)


■Parco 1923 (2016年)

ブランド名を冠して発売された最初の香りはLuca Maffeiによる調香。

 

 

トップ:ジュニパーベリー、アンジェリカ
ミドル:ハニーサックル、エニシダ、キングサリ、アイリス
ベース:ブナ、ツリーモス

精油だけでは再現できないというのが森の香りです。それは、漂う空気感がどうしても表現しづらいから。ハーブは摘んだり踏んだりしたら香りが出てきますが、樹木だって切らないことには樹木そのものの香りはしないわけです。でも、その空間を風景を想像せる香りには、どうしても漂う空気感が必要となってくるんですよね。その点、この香りは精油をメインに使用しつつ、深呼吸したくなる空気感を、少しアーシーなベースの乗せて漂わせています。精油というのはどこかしらクセがあるもので、特にジュニパーの残り香も酸味が出たりして入れすぎるとその部分が気になったりするものなのですが、こちらはそこをフローラルノートとウッディノートで和らげ、且つアロマティックさを保持させているのです。フレッシュであり穏やかであり、邪魔をしない香りで、肌に残る最後のウッディムスクにもフレッシュノートが感じられます。草原できなく、飽くまでも森をイメージさせてくれるのが特徴でしょう。バスラインやディフューザーも良さそうですよ。(10/10/2018)

 

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