*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Sampleレヴュー

 

■Joyeux

詳細がわからないのですが、パフュームオイルのサンプルです。Emerald Windよりもグリーンがシャープに広がるシトラスグリーンウッディで、時間と共にアロマティックなトーンへとスライドし、最後は湿布香を感じるウッディムスクとなります。フローラルノートも強くはなく、ベースにオリエンタルが残ることもなく、フレッシュなパーツを重視していることから、タイトルは春の喜びを意味しているのかもしれません。(16/08/2024)


■Emerald Wind (2024年)

顧客のために作られたBespoke Perfumeの1つで、香りはグリーンフローラルシプレ。ちょうど良いグリーンフローラルに、これまたちょうど良いシプレ感が重なり、グリーンすぎず、フローラル過ぎず、シプレ過ぎず、春風のようにさらりとした感触で広がっていきます。クラシカルなトーンですが、クラシカルというよりも上品な落ち着きを感じる香りで、古い石鹸を思い起こさせます。彼女の調香はとてもバランスが良くて、アニマルノートを多用したり、アンバーグリス強めだったり、流行を追わずにいる点の好感度が高いのです。(16/08/2024)


■Invincible (2022年)

私たちは無敵なのだと、ウクライナ人の誇りを、魂を込めた、戦火で生まれた香り。サイレンが鳴り響き、夜間外出禁止令が出て停電した中、テーブルの下に隠れスマホのあかりで調香したのだそう。自宅のあった高層マンションは危険で、近所のビルも破壊され、ラボに逃げ込んだという。いくら爆発音が鳴り響いても、未来への希望と信念を失わなかった、その時の心情を表現した香り。

 

 

トップ:ベルガモット、ビターオレンジ、ペティグレン、シトロン、マートル
ミドル:シナモン、クローヴ、ゼラニウム、フランキンセンス
ベース:ミルラabs、オポポナックスabs、ラブダナムabs、バニラabs、アンバー、ムスク

世の中がどうにかなってしまったとしても、必ず朝は来るという夜明けをイメージしたのかたっぷりのシトラスノートが閃光のように弾けて始まるシトラスアンバーです。スパイスが思いのほか控えめで、ポマンダーというほど強くはありません。聖なる香りとしてフランキンセンスとミルラを据え、静かなセミオリエンタルへと変化していきます。ベースノートが多いものの、バランスとしてはそこまで多くはなく、フレッシュノートで比較的軽く仕立てているようです。

唯一無二の体験を、香りに昇華させたわけですから、これは毎年のクリスマスの限定品にするといい。きちんとフランキンセンスが肌に残りますからね。(15/08/2024)


■Renaissance (2024年)

6年をかけて30回ほど試してたどり着いた最終版で、4種のパチョリを使用しているのだそう。Esxence 2024のために作られた香りのため、彼女が手渡してくれたサンプルセットにも入っていたのでした。

トップ:ベルガモット、ラベンダー、セドラ、ビターオレンジ
ミドル:アイリス、ローズ、ゼラニウム
ベース:4種のパチョリ、サンダルウッド、ベチバーabs、プレシャスウッド、ミルラ、オポポナックスabs、ラブダナムabs、トンカビーンabs、バニラabs

フォーミュラの1/4ほどがパチョリだというにはパチョリが前面に香らず、比較的落ち着いたパチョリのウッディオリエンタルにローズが重なるフロリエンタルとなっています。全体としてのトーンのインパクトは強くはなく、EdTほどの軽やかさで、アイリスの柔らかさがローズに勝るようになると、香りは後半となり柔らかで仄かなオリエンタルとなって消えていきます。ミラノのどの部分をルネサンスとして表現したのかいまいち伝わりづらく、クラシカルにするのであればやはりモスはあった方が良かったのかなとも思えてきますが、とても使いやすいライトなオリエンタルです。(14/08/2024)


■Rose Heat (2023年)

3種のパチョリを使用したフルーティーローズ。ローズアコードはAbsとローズオットーと共に40%使用されているそう。

トップ:ピーチ、ローズペタル、ハニー
ミドル:ローズabs、オスマンサスabs、ビーワックスabs
ベース:サンダルウッド、パチョリ、アンバー

これは、ローズがきちんと軸にある、偽りのないローズのフレグランス。トップは少しフルーティーでキャンディローズ風に感じられますが、そこにわずかながら加えられたアブソリュートと、極僅かでもパワフルなローズオットーが、ローズアコードをリッチに仕立てています。ハニーノートも強すぎることはなく、パチョリやダークなアンバーノートもオリエンタルというほど強くはなく、ローズを支えています。ピーチというより少しアプリコット調で、こういうフルーティーローズもあるよね、という生花っぽいトーンで広がっていきますので、ローズ好きな方に良さそう。肌にはハニーノートが残りますが、ムスクが弱めなため持続はあまり長くはありません。(14/08/2024)


■Suede Osmanthus (2023年)

オスマンサスのアコードを作り、それを使用して作ったというスエードとのコンビネーション。

トップ:アプリコット、フルールドゥレザー、ホワイトティー
ミドル:オスマンサスabs、スズラン、ジャスミン
ベース:スエード、バニラ、サンダルウッド

日本人にとってオスマンサスは生花らしいさが感じられるものかどうか、とても厳しく判断される香りでもあるわけですが、これは生花というよりも香料のアブソリュート感をフレッシュにしたような、レザーが強めのオスマンサスです。レザーが強めのため渋さが前面に出てきますが、香りはオスマンサスなので、可愛らしくフルーティーにまとめられたタイプとは違いとてもクールで、ラストノートにわずかながらアブソリュートを感じられるリッチさ。それらを控えめなムスクとウッディノートが支えています。ワイルドだけど重くはない大人のオスマンサスで、ベースが軽やかでアンバーグリスがない点がとても心地良く感じられます。(13/08/2024)


■Atelier 14 (2022年)

Portfolio projectとして作られた2つ目の香り。誰のアトリエなのかというと、ファッションデザイナーさんのアトリエ。だから、アイロン、テキスタイル、ウール、木製のキャビネット、チョーク(チャコ)などが組み込まれています。

トップ:ミネラルノート、ラベンダーabs、ベルガモット
ミドル:ホットアイロン、グリーンセージ、アイリス、フレンチラベンダー
ベース:ウール、シダーウッド、トンカビーン、ムスク

爽快なラベンダーがシトラスとセージと共にアロマティックに弾けてのスタート。この香りがあまりフゼアではないのは、ゼラニウムやパチョリがないから。テーマがしっかりとしているだけに、ベースにあるアイロンを思わせるムスクが意味を持ち、全体をテーマとさせた世界観へとつなげてくれます。ラベンダーはとても逃げ足が速い香料ですが、ラベンダーがあるのはコットンなどの洗い立て感のある清潔さを表現するのにぴったりで、アロマティックウッディムスクとなって消えていきます。ただ、似たようトーンで言うと、男性のシェービングソープの匂いにも似ているので、ラストノートは床屋さんにも感じられますね。(13/08/2024)

 

<Sentire Perfumes Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜