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■The Scent of Excellence

 

 

展示会場とは別に、ホテルのスイートルームやイベントスペースを借りて、Out of Esxenceと呼ばれる展示会やイベントを行うブランドがあります。それは数社が合同で開催する場合もあれば、単独の場合もあります。仲の良いブランドや、どうしてもチェックしたいブランドであれば積極的に参加をしますが、わざわざアポを取って展示会場の外、しかも離れた場所にあったりすると、出向くのは時間の消費であり、どうしても優先度は下がります。それは仕方のないことでよね、わざわざ会場の外で開催して、相乗りしているわけですから。

今年は展示会場にもブースがあるけれど、別会場でパーティーをするブランドがありました。まずは、Filippo Sorcinelliから。

 

 

 

彼は、全く予定になかったミラノ店のオープンに数か月でこぎつけました。

Filippo Sorcinelli
via della Moscova 10
Milano

そのオープンが展示会初日だったのです。そこでカクテルパーティーが開催されてオープンを祝いました。今後はミラノ店でもイベントを開催したり、ミラノ店の限定品を発売したりしていくそうですよ。僕は取り合えず、お祝いなので顔だけは出したいと思い出かけたのでした。でも、滞在時間はわずか15分で次へ。

 

 

次に向かったのは展示会場であるMiCoから徒歩圏内のEnterprise Hotel。そこでイベントを開催したのはLe Jardin Retrouveでした。今年はキャンドルで発売していたOsmanthe Liu YuanがEdPとなって新登場。

 

 

Claraとのツーショット。立食のカクテルパーティーで、この後調香を担当しているGivaudanのMaxence Moutte (Max) が香りについて説明をするというもの。

 

 

会場内にはいろいろインスタを意識したアイテムがあり、撮影ができるようになっていました。展示の様子も考えられています。でも、僕は次のパーティーに向かわなくてはならない。そのことをClaraに伝えると、これからMaxの説明があるのに残念とMaxを紹介してくれようとしました。

 

 

でも、僕はすでにMaxと遊んでいたんですね〜。これはポラロイドなのですが、参加者たちが自由に撮影できるスタイルとなっていました。Maxとオスマンサスアコードの取り方や、何を入れたのか、レザーノートはあれをね、などとひそひそ話を。とても明るくフレッシュなオスマンサスの香りとなっていました。レザーも強すぎず、とても日本人の好みそうなオスマンサスでしたよ。

 

 

可愛らしい巾着袋に入ったフルボトルと、香りをつけて使うチャームがお土産に。Maxからの説明が聞けなかったのは残念だけど、一足早くホテルを後にして、次のパーティー会場へ向かう。

 

 

Nishaneが今回パーティー会場に選んだのは、Palazzo Serbelloniでした。ここは、もともとは武器の販売で財を成した軍人貴族のセルベッローニ家の邸宅で、ミラノがフランスに一時占領された際、ナポレオンとジュセフィーヌが3か月間住んでいたということで有名な邸宅です。イベントやファッションショー、パーティー、レセプションの場として活用されている場所でもありますが、一般には非公開のため、観光客は立ち入ることが出来ません。今は、財団によって管理されています。

 

 

慌てて駆け付けるも、まだカクテルパーティータイムでした。まだ大丈夫。ということで、オーストラリアのジャーナリストの友人クレイトンと一緒にNishaneの二人と撮影を。

 


(c)Nishane Official

 

着席スタイルのディナーパーティーのため、席順が決まっています。ありがたいことに、日本人チームはセンター奥にきちんとまとめられていました。

 

 

 

ほぼ全員の着席を確認したところで、映像がスタートです。今回はNishaneの中でもベストセラーの5つの香りが、4名の調香師とのコラボで生まれ変わりました。10周年を祝う5つの香りが公開に。

 


(c)Nishane Official

 

偶然にも一番奥に座っていたため、オフイシャルのショットに映り込む我ら。

 


(c)Nishane Official

 

前菜、リゾット、メインに続いてサーブされたのはHundred Ani Waysと名付けられたドルチェでした。どちらもバニラが特徴的なフレグランスですからね。

 

 

Nishaneからはハンドメイドのレザーポーチに収められたサンプルがセットになってギフトに。

 

 


また、面白いというかありがたかったのはQRコードで情報が得られること。今回は座席の名札に記されていました。こちらを読み込むと皆さまもプレスリリースをダウンロードすることが出来ます。彼らは前回もQRコードだったのですが、こうして情報を配布してくれるとスーツケースが軽くなって本当にありがたい。カタログやリーフレットは数が多くなると結構な重量になるのです。

 

 

二日目のイベントもまずはFilippo Sorcinelliから。昨年も開催された教会でのミニコンサートが今年も開催されました。その前に、一足早く到着して、教会の横のカフェで一杯。このカクテルはベルガモットなのですが、何故かラズベリーの味の方が強く、ユニークなことにクラリセージがアクセントになっていました。

 

 

 

この日のミラノは朝からストライキがあり、公共交通機関に遅れが出ていたり、ストップしていたりと乱れていました。その影響もあってか、教会への集まりも良くなく、時間になっても人はまばら。その時にFilippoが言ったのは、

 

定刻に集まってくれた皆さまに申し訳ないから始めよう。

 

彼は本当に性根(生まれ持った本来の性格)が優しい。そう感じる場面はとても多く、この日もそうでした。コンサートの終盤にはまばらだった観客はしっかりと増え、教会を埋めました。そうでなくちゃ。教会内はフランキンセンスの香りが広がっていましたが、それは樹脂を焚いたのではなく、彼の新作Trompette 8の香りでした。

 

 

Filippo Sorcinelliのコンサート後は横のカフェで打ち上げという名の楽しい場が設けられるのですが、次のパーティーに向かわなくてはならず、終了直後にいそいそと移動。残念だけど仕方がない。そして徒歩で移動したのは、ミラノ発のバックのブランド、Hemcaelでした。

 

 

 

綿菓子を作るコーナーがあったり、写真撮影のコーナーがあったり、シャンパンはもちろんの立食カクテルパーティーでした。2018年にスタートし、早々に人気となった高級バックブランドから、昨年4種のフレグランスが発売されたのですが、それを調香したのがCarbonnelのChris Mauriceだったのでした。このブランドの4つの香りは、恐ろしくハードなステンレスのような合金で囲われ、ボトルが取り出せないようになっています。物凄く重い。そのハードな容器から広がる繊細な香り。4種共にユニセックスですが、1つカカオがスパイシーに弾けた香りが肌に乗せてとても良かったので、それを頂いたのでした。

 

 

右がChris Maurice、左はオーナーのCael Pipin。この日は、展示会に参加していないHemcaelのパーティーだったため、ジャーナリストの友人たちが来るわけではなく、知り合いに会うとは思っていなかったのですが、Chrisの会社の人たちと久々に再会してハグしたり、Ramon MonegalのOscarとも再会することが出来ました。

 

 

さて。3日目ともなると、パーティーは一段落します。それは、関係者日が最初の2日間であり、3日目には帰る人たちも多いから。そうなればようやく会場外で開催しているブランドを訪ねる時間が取れるようになります。そこで展示会の夕刻に向かったのがStephane Humber Lucasのイベントでした。 彼はしばらく前から展示会には参加せず、限られた顧客たちにだけ招待状を出してホテルで開催するようになりました。誰彼構わず相手することに疲れたのかもしれません。

 

 

でも、僕らにとっては久しぶりの再会。腕を絡ませて関係性を表現したのだそう。相変わらずお茶目なステファン。最近は和装が好みのようですよ。

 

  

 

30分の入れ替え制にして事前予約を入れるという、コロナ禍スタイルを感じさせるイベントで、入れ替え制にすることで長居することなく時間で区切れるという利点を生かしていました。新作はオリジナルのSoleil de Jeddahに2つのフランカーが加わったというもの。これらは昨年発売された香りのため、最新作ではないのですが、最新作はイベントの中で試香紙にて公開されました。それは海をテーマとした香り。マリンノートではなくヨウ素を感じるインドール系のマリンノートで、初年度はイタリアの限定発売、その翌年から世界展開していくそうです。彼のブランドの777の意味の説明もありました。7にまつわるストーリーには幸せなものが多い。だから、幸せの7なのです。

 

 

Duomo近くのホテルを出て、次に向かったのはPrincipe di Savoiaでした。Principe di Savoiaと言えば今までのThe Mallで開催されていた頃の、出展者たちの定宿です。しかも、会場外でのイベントも多く開催されていたことから、僕にとっては馴染みのホテル。Duomoから移動するのにタクシーを使うと、週末ということもあって大混雑していたので、これならば地下鉄の方が確実で早いと読み、急いで地下鉄に。着いて電話を入れたらGianluca Ginが迎えに来てくれました。そう、最後はVenezia 1920です。 最初の4種は悪くはないけれど、いまいちヴェネツィア感がないとか、ボックスは豪華で素晴らしいけれど、旅行者には辛い重さとサイズだとか、いろいろと伝えたのですが、今回は簡易ボックスになって価格も190ユーロと随分手にしやすくなりました。素晴らしい。

 

 

しかも、今回は新作が3種あったのですが、それを手がけたのは旧知の友人Robertoでした。彼は陸のヴェネツィアと呼ばれるヴェネツィア近くの街に住んでおり、僕がヴェネツィアを訪れた際に案内してくれたのは彼でした。少し時間が遅くなってしまったことで彼は退出してしまっていましたが、十分に堪能することが出来ました。友人だから3割増しなのかもしれませんが、フランキンセンスの効いた香りや、オリエンタルやムスク、穏やかな彼の人柄が現れた3種でした。Mosaicなんかオスマントルコから伝わったヴェネツィアらしいタイトル(テーマ)だと思います。

 

 

新しい簡易ボックスにぴったりフィットした8つのサンプル。今回の新作3種を加えて、コンプリートだそう。次からはどうするのだろう。カタログやリーフレットが随分減った今年でしたが、最後に時代に逆行したのだと書籍となった大判カタログを頂いたのでした。ゆっくりとページをめくりながら楽しんでくださいという、これもまたイタリアらしいところですよね。

(13/04/2023)

 

 

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