*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  
Antica Farmacia del Cinghiale / アンティーカ・ファルマチア・デル・チンギアーレ




Maremma
マレンマ
The Verde
グリーンティー
Zagara
ツァガーラ
Sampleレヴュー
Seduzione
セドゥツィオーネ
 
Fantasie di Cioccolato
ファンタジー・チョッコラート
Grecale
グレカーレ
Scirocco
シロッコ
Peccato
ペッカート
 

フィレンツェの市内でも中心地の中心地、共和国広場の端に新市場のロッジアがあるのですが、そこに名物の「イノシシの銅像」があります。このイノシシの鼻をなでなですると再びフィレンツェに戻ってこれるというラッキーアイテムなために、鼻は観光客になでられ続けてピカピカです。その、イノシシの新市場の横にあるのがこの「イノシシの薬局」です。(チンギアーレはイタリア語でイノシシの意味)

2004年の5月、初めてお店を訪れた際はちょうどお昼時で閑散としており、中心街なのに客はゼロでした。ゆっくりと中を見て香水を手にしたのですが、ラインナップがPalazzo Vecchioととても似ていてびっくりした記憶があります。帰国して半年したら、この薬局が日本進出をし、恵比寿の会社が取り扱うということになっていてそれまたびっくりした記憶があります。香水は12mlが3,000円くらいでした。しかし、この会社はわずか半年たらずで倒産し、倒産品がオークションに流れて1円オークションにかけられてしまったのです。はぁ・・・とため息をつくような可愛そうな運命。それを見つつ、Palazzo Vecchioはそうならないように気を引き締めなければ・・・と誓ったのを覚えています。

そんな妙な思い出のイノシシ薬局なのですが、2008年、イタリアに行った際の全ての謎が解けたのです。

ボックスが、パッケージが、ラベルが似ていたのも、フィレンツェの中の薬局ということも、全てがPalazzo Vecchioと繋がっていたのです。何故なら、製造しているのが彼らだったから。そう、Palazzo Vecchioの製品を製造しているCosmesi社が手がけていたのです。もともと、Palazzo Vecchioのドクターマッシモ氏とこのイノシシ薬局のオーナーはご親戚なのだそうです(笑)
Cosmesi社の皆さんは、ご親戚の製品をも作っていたのですね。 そりゃ、似てるよ。当然だよ。と、思ったのですが、話はそこで終わらずに裏話へと続きます。日本に代理店として輸入をした某社(倒産した会社)は、こちらの製品を化粧品として正規輸入をしなかったようで、薬事を通過していないのだそうです。しかも、お金が全て未払い!!日本の悪徳企業のイメージがついてしまったようです。オーナーのおじいさんは、日本の会社から・・・ということで、わけも分からずに商品を輸出してしまったようで、Cosmesi社の方々から怒られたそうなのですが、なんだか可愛そうな成り行きでした。お金は倒産してしまった以上回収が不可能ということですから、僕らはどうしようもありません。せめて出来るのは、1円オークションで投売りされた商品、ブランドの価値を正しい説明で元に戻してあげることです。

もともとのラインは50mlと12mlのEDPで、Palazzo Vecchio同様にシンプルなシングルノートが多いのが特徴で、更にボトルがあまりにPalazzo Vecchioそのものだということで、2008年にリニューアルをしたのです。タイトルも一新して、「Alchimisia」 と名づけられました。アルキミシアとは彼らの作り出した造語なのですが、 Alchimistaは錬金術師を意味するイタリア語ですので、それを絡めた造語なのだと思います。以前からあるイノシシ薬局の香水を、シンプルなシングルノートのものと、複雑な調香のものと分け、シングルノートはイノシシ薬局り製品として発売し、アーティスティックなものはアルキミシアとして発売をすることになったのだそうです。そのアルキミシアのラインナップは14種類。国内ではもちろん、海外でもまだ大きく流通していない製品たちなのですが、イタリアはフィレンツェに行かれることがありましたら小さな薬局を是非、覗いて見て下さい。 (13/12/2008)

 


Official >>> イタリア語、英語

profice〜香水のポータルサイト〜