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香水はどのような香りで構成されているのでしょうか。大きく分けて天然香料と合成香料がありますが、天然香料につきましては産地や採集時期、部位によって多少の香りが異なります。また採取方法によっても大きく香りが変化します。精油を販売しているサイトでは、どのように採取された香りなのか、どの部位を使用した香りなのかの学術的、成分的な説明はありますが、素材そのものに対してどのように違うのか、どのように似ているのか、と言う記述がありません。素材を購入する際に「精油がどのような香りなのか」ということが分からなければ購入しづらいのは確かです。メーカーや産地によって多少の違いはありますが、基本的にどうなのか、という視点でエッセンシャルオイル、アブソリュート、ティンクチャー等の記述を取りまとめて行きたいと思います。また、それらを理解することは、香水の中に組み込まれている素材を知ることと繋がりますので、香り選びの手助けになることと思います。

花精油は香水には使われますが、アロマテラピーにはあまり利用されない高価なエッセンスです。天然香料として採取されているものはそれほど多くはなく、限られて入るのですが、近年の技術革新や新たな需要も手伝って増えているものもあります。(マグノリア、チャンパカ、プルメリア等)

花の精油はアブソリュートとオイルで香りの違うものが多くあります。水蒸気蒸留で得られたものをエッセンシャルオイルまたはオイルと呼び、溶剤抽出で得られたものはアブソリュートと呼ばれます。ネロリとオレンジブロッサム、ローズオットーとローズアブソリュートのように名前の異なるものもありますから要注意です。水蒸気蒸留法というのは窯で茹でた際に出てきた蒸気を冷却することによってオイルを得るという手法で、クリアでキレイな香りが多いのが特徴です。しかし、水溶性の成分は全て水に溶け込んでしまうために「完全な状態」ではありません。芳香成分のうちの水溶性ではないもののエッセンスです。水溶性のものはというと「フローラルウォーター」として活用されています。一方溶剤抽出というのは水蒸気蒸留ではなかなか得られない(熱に弱い等)ものに適用されるのですが、ベンゼン系の溶剤に漬け込みティンクチャーのようなものを作り、後で溶剤を除去する、という方法です。植物によってその溶剤は様々ですが、水溶性の成分も丸ごと採取出来るために全体として香りがワイルドなのが特徴です。

採取方法は後、チュベローズに代表されるアンフラージュ法、マセレーション法という油脂に香りわ吸着される方法や、二酸化炭素を使用した抽出方法もあります。(香料にCO2の表記があるはずです)

フルーツの香料は多岐に渡りますが、天然香料となるとシトラスフルーツ以外には数えるほどしか存在していません。カシスは蕾ですし、ジュースを絞った際の回収香はほぼフレーバー使用の親水性のものだったりします。でも、香水にはなくてはならない香りがいくつも存在し、特にピーチ系、ココナッツ系は多用されています。エッセンシャルオイルとして商品化されているのはシトラスフルーツばかりで、他のフルーツ香は希少ですので幅広い香りを作るにはどうしても調合香料が必要となるのです。

ハーバルというくくり方だと語弊も生まれそうですが、大きなくくりだと思って下さい。ハーバルの中にはいわゆるグリーン香とアロマティックハーバル香と存在します。ラベンダーはアロマテッィク香、バジルやセージ、タイム等の基本的にハーブから香るグリーン香、グリーンフローラル香だと考えて下さい。野菜もこちらに含まれます。ラベンダーはフローラルではなくてハーバルですのでご注意を。



上記のハーバルとの相違ですが、こちらは基本的に樹木の葉のグリーン香で、バーチリーフ、シダーリーフ、グリーンティーや各種のグリーンノートを記載しています。ガルバナムもハーバルではなくこちらに記載していますのでご注意を。





天然香料は大きく分けて動物香料と植物香料とに分けられます。その中で、動物香料はとても貴重なものが多く、安定供給が難しいものが多いため、現在ではほぼ合成香料でまかなわれています。そのものの香りはとても動物の排泄物的な香りのものが多く、とても香水に利用できるものではないと感じますが、希釈したものを僅かながら加えることにより、香りの持続がぐぐっと増したり(保留剤)、香りの深みを増すことが出来たりします。肥料用の排泄物でも手に付くと香りが当分取れずに困ったこともありますから、かなり持続は強いはずです。有名な4種意外にもミツバチのティンクチャー、Procavia Capensis(和名は岩狸)等の動物から抽出したものも存在はするようです。

樹木関係は葉と樹木から香料を得ています。パインウッド(松)であれば樹木の香り、パインニードルであれば葉の香りというように名称も違いますので分かり安くなっています。森林浴をするとすっきりと癒されると感じる方が多いですよね。森には下草の香り、湿った土の香り、樹木の香り、葉の香り等いろいろな香りが混じっていると思いますが、樹木から発せられている香りはフィトンチッドと言います。これは樹木が傷つけられた時に発する芳香成分で、とても殺菌力が強いことで有名です。人間はこのフィトンチッドの香りを「良い芳香」と感じるのですが、虫には嫌な香りなのだそうです。樹木自体も虫に食べられないように香りを発していたんですね。

ときどきウッディな香りが良く分からないと言われる方がいらっしゃいますが、ウッディな香りとは簡単に言うと「おが屑の香り」です。樹木を削ったときのフレッシュなウッディを想像されると1番分かり安いのではないかと思います。

レジンって一体何?と不可解に思う方も多いのではないかと思いますが、一言で言うと樹の樹脂です。ゴムや松ヤニなんかも代表的なレジンで、古くから樹木を傷つけることで樹脂を得てきました。樹木から染み出てくる樹液が固まったものですので、フランキンセンスや松ヤニは口に入れても平気だったりします。熱を加えると芳香を漂わせながら燃えていくことから薫香に使われ、瞑想の香りとして使われるものも多くあります。琥珀のアンバーはこの樹脂が化石化したものを指しているのですが、どの樹木が化石化したのか解明し辛いということから精油は存在しないと言われています。化石化する前の状態のものであればありますが、厳密に言うとそれは琥珀ではないのです。アンバー香というのは甘い樹脂香なのですが、樹脂香全てが甘さを持っているわけではなく、樹木っぽいウッディ調を持ったものやレモンっぽいすっきりとした香気のものも存在します。

約5,000種も存在し、現在なお増え続けている(開発されている)香料です。100パーセント合成(化合物)なものではなくて、天然の精油分の中にも含まれており、分離生成された単利香料もこちらに記載していきたいと思います。ローズウッドから生成された主成分のリナロールは分離生成された天然香料と、化学的に作られた合成香料と両方が存在します。そういう違いも含めて記載していきたいと思います。


なかなか分類のし辛いものをこちらのカテゴリーとしてまとめたいと思います。 一見するとマテ茶なんかはハーバルにも感じますが、いわゆるアロマ的なハーバル香ではありませんので、あえて外してこちらに分類してあります。
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