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Sampleレヴュー

■Extra de Cedra

シダーウッドとセドラは共にイタリア語でCedroです。オフィシャルサイトのイタリア語ではCedroとなっているのですが、これはシダーウッドなのかイタリアにはたくさんある大型のレモン種セドラなのかわからず、お聞きしたらシダーウッドとのこと。

トップ:マンダリン、シダーフルーツ、ベルガモット、バジル
ミドル:パチョリ、リツィアクベバ、アイリス、シダーリーフ
ベース:シダーウッド、オークモス、タイムアブソリュート、サンダルウッド、ウード

何故、シダーウッドかセドラか分からなかったのかというと、シダーウッドらしさがあまり感じられないからです。トップにはシトラスノートがありますし。香りはフルーティーなスイートマンダリン系の甘さの強いシトラスにハーブが重なる形で始まります。リツィアクベバのツンとした酸味(Citral)も効いており、ミドルからはすっきりさが際立ち始めます。その頃にはパインニードルのようなアロマティック香がシトラスノートと重なっているのですが、パチョリはほとんどわかりません。それどころかウッディノートもほとんどわかりません。そう、これは典型的なシトラスシプレなんですね。シトラスシプレはコロンがほとんどですが、こちらはそのEdPバージョンという感じです。男性が気兼ねなくパシャパシャ使えるすっきりとしたシトラスシプレで、これならば100%天然香料でしょう。(13/07/2012)


■Bois de Gaiac

スモーキーなガイヤックウッドをテーマとした香り。

トップ:マンダリン、オレンジ、ピンクペッパー、ナツメグ
ミドル:シスタスアブソリュート、サフラン、サンダルウッド
ベース:ガイヤックウッド、ウード、ブラックペッパー、フランキンセンス、ミルラ

あれ? この甘さは何? と思うようなふんわりとした甘さに包まれた穏やかなウッディノートで幕開けです。ガイヤックウッドと言えば正露丸のような漢方っぽいスモーキーなウッディノートなのですが、その苦手な方もいる香りをいろいろな香料たちで彩って砂糖菓子にしてしまったような心地の良い香りです。でも、確かにガイヤックウッドが香るのです。でも、それは決してパワフルではなくウードと馴染んで肌の上で第二の皮膚を形成しているようです。スパイスもシトラスノートも強くはなく、トップノートがないように感じるほどの穏やかさです。物腰の柔らかな男性像が浮かびますが、これだったら女性でも使えると思います。(11/07/2012)


■Esprit Libre

自由のエスプリということで、フレッシュな香りたちを集めたもの。ほぼ全てトップノートの香料です。

トップ:セージ、ぺティグレン、ラベンダー、タイム、オレンジブロッサム
ミドル:リツィアクベバ、グレープフルーツ、パチョリ、レモン、レモングラス
ベース:ぺティグレンアブソリュート、オークモス、シベリアンパイン、トンカビーン、ガルバナム

たっぷりのシトラスノートとハーブで始まる、EdP濃度のEdCという感じです。ジューシーなシトラスノートの中に微かに微かにアクセントとして加えられているレモングラスが素敵で、この程度の使用ならばタイ料理に感じずに楽しめます。基本的にさっぱりとしたコロン感覚の香りなのですが、時間と共にジワジワとシプレが強くなり、シトラスシプレとなって消えていきます。香りの持続は90分程度ですが、天然香料のみで再現をしたシトラスシプレの持続はこれが限界なのかもしれません。(11/07/2012)


■Fleur de Lys

タイトルは百合なのですが、香りは百合にあらず・・・。

トップ:マンダリン、オレンジブロッサム、ベルガモット、アニス
ミドル:ナルシス、リリー、ヴァイオレットリーフ、チュベローズ、ガルバナム、ブルガリアンローズアブソリュート
ベース:ナルシスアブソリュート、ヴァイオレットアブソリュート、ジャスミンアブソリュート、アンバーグリス

商品説明にグリーンフローラルとあったのですが、そこまでガルバナムがスパークするわけではなく、幾分落ち着いたナルシス調のグリーンフローラルという感じです。1つ1つのエッセンスがはっきりせず、全てが1つの香りとなってまとまっているために、シングルフローラルにも思えますね。ただ、調香にはないのですが、商品説明にあったアイリスが香っています。合成香料の強い粉っぽさではなく、アブソリュートの少しオイリーな柔らかいアイリスで、ガルバナムの青さと重なって柔らかなグリーン香がフローラル調となって香ります。この仄かさとグリーンフローラルのテイストはとても日本人好みだと思いますよ。香りは大きく変化しませんが、ミドル以降はジャスミンのアブソリュートが少し強く感じられるようになります。良質な香料で組み立てつつワイルドになっていない良品です。(10/07/2012)


■Rose Supreme

1st lineの2種のローズのうちの1つ。

トップ:ブルガリアンローズ、ベルガモット、アイリス
ミドル:ヴァイオレット、ベチバー
ベース:グラースローズアブソリュート、ジャスミンアブソリュート、バニラ、ヘリオトロープ

ローズをテーマとした2種の香りは全く違うアプローチで展開されます。こちらの香りは、それはもう素敵な素敵なローズアブソリュートが肌からこぼれるように香るのですが、トップの一瞬ですぐにヴァイオレットが香りだします。基本的な軸はヴァイオレットとローズの2つで、厚み、深みのあるクラシカルなローズスタイルとなっています。伝統的な「香水」を再現したような香りなのですが、ミドル以降はとろりとした甘さのハニーノートが香りだし、少しロマンチックな雰囲気を感じさせてくれるようになります。ローズとヴァイオレットの相性の良さを実感されてくれる1本で、特にラストノートはパウダリーさも出てきて化粧品風の香りへと変化していきます。若い世代には使い込なせないだろう、という大人の風格を湛えたローズです。(09/07/2012)

 

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