1561年から続くフィレンツェの老舗薬局です。SSとはサンティッシマの略で、サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会(捨児養育院)、サンティッシマ・アンヌンツィアータ広場の近くに店を構えています。ハーバリストであり薬剤師であったDomenico VincenzoとDomenico Brunettiが始めた薬局で、1588年の書籍にはメディチ家の内科医として登録されていたそうです。ちなみにサンティッシマは「神聖なる」、アヌンツィアータとは「お告げの聖母マリア」という意味。ファルマチアは「薬局」です。

とても地味な店構えなのでフィレンツェに行かれた方でもなかなかパッと入ることがないようなお店です。聞き覚えがあるなぁ･･･と思ったらKer社と言うコスメメーカーが現在は製品を手がけていて、他にもいろいろなラインを、薬も含めて作っています。地域の薬屋さんですね。Ker社としての香水はパッと見とても地味で、手作り感は強いのですが、クオリティがあまり高くはないように感じて見送っていたのですが、2008年にこの薬局のタイトルを冠したブランドを作り上げました。製造自体はもう少し前なのだと思いますが、2006年とか2007年のことだと思います。ボトルもシンプルにスタイリッシュな形となってニッキアな製品という位置づけでの製品です。今までのラインは30ユーロ程度だったものを120ドルへと引き上げています。(全体的な香りの印象ではわりとムスクが多いこと、柔らかで優しい印象のものが多いこと、ユニセックスで使えそうといったところ)

薬局のカウンターは1966年のアルノ川の大氾濫を体験しており、カウンターに洪水時の染みが残っているそうです。(フィレンツェは市内にもそういった洪水時の水位を示す箇所があります)

日本の雑誌でも1990年頃から取り上げられていたようで、Ker社(KER srl.)のサイトにていろいろ見ることが出来ます。結構、日本の雑誌に載っていたんですね。香水ではなくて自然派化粧品の方が取り上げられています。(24/09/2008)

イタリア本国での価格は、EdTが70ユーロ、EdPは86ユーロ、パルファムは110ユーロ。当初、EdTはホワイトラベル、EdPはブラックラベル、ボトル印刷がパルファムだったのですが、オフィシャルサイトを見ると、ボトル印刷がEdTとなり、ホワイトラベルがパルファムとなっていますので、変更されたのかもしれませんね。(31/07/2013)

こちらの香りを手がけているのは、薬局自身ではなくSinfonia di NoteやPlace des Licesを手がけているGida Profumi社です。こちらに2012年度のフルカタログがありますので、現地で購入を検討されている方は事前にチェックするといいですよ。(16/10/2013)

Pittiにてお会いしてきたのですが、上記を訂正。クリアボトルがEdTで75ユーロ、ブラックボトルがEdPで95ユーロ、シルバーボトルがparfumで115ユーロとなっています。まだリニューアル前のボトルも出ていますので、混在期みたいですが、価格は少しアップしていますね。フィレンツェを旅行される際には是非、本店にお立ち寄りを。現地でも、ガイドの皆さんたちも最近ではSanta Maria Novellaよりもこちらのブランドに注目しているようですよ。(20/11/2014)

EdTが85ユーロ、EdPが105ユーロ、Parfumは125ユーロと各10ユーロ値上げとなりました。(11/01/2017)

3月、フレグランス以外が日本発売に。日本よりも韓国での人気が高いのですが、韓国でも顧客がSanta Maria Novellaからこちらのブランドに流れているようです。(23/04/2018)

2021年4月、全ての香りを一度廃番として、9つの香りでリスタートとなったようです。全て100mlでEdPは125ユーロ、Parfumは140ユーロと値上げして発売に。(21/04/2021)

ブラックラベル(Parfum)は50、100mlが98、147ユーロ、ホワイトラベル(EdP)は50、100mlが88、132ユーロへと値上げ。(20/01/2023)