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but_not_today / でも、今日はつけていない


<香 調> スモーキーフロリエンタル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 10ml

<濃 度> Extrait de Parfum


トップ
ブラッディノート、リリー
ミドル
ラスト



 

羊たちの沈黙の続編として2001年に公開された、リドリースコット監督の映画「ハンニバル」にインスパイアされた香り。ハンニバルについては、香水好きな人たちの間でも話題となっていたことを思い出します。それは、ハンニバルのキャラクターが嗅覚が優れているとされており、彼が主人公のクラリス捜査官の使っていた香水を監獄の中から香って言い当てるシーンがあったから。また、彼自身が使っていたハンドクリームの残り香にアンバーグリスの香りがしたことで、サンタマリアノヴェッラの製品であることが判明したりと、話題になっていたからです。

 

 

彼もその一連の部分をモチーフとして香りを作り出しました。映画のシーンでは、

 

「君はエヴィアンのクリームを使っているはずだ。それに、たまに使う香水はレールデュタンだ。でも、今日は付けていない。」

 

と、言い当てたシーンがあり、その際の but not today (でもそれは今日ではない) というセリフがタイトルとなったのです。今日ではない、つまり彼女の身体から発せられたレールデュタンの香りが、昨日使った香水であることを指摘したのです。 血のイメージからブラッディアコードを、フィレンツェが舞台であったことからフィレンツェの象徴であるリリーを、そしてレールデュタンの香りであるカーネーションを、狂気に満ちた動物的な感覚をアニマルノートで表現したのでしょう。

 

 

香りは、トップのメタリックとされる部分がとても印象的にスパークするのですが、それはメタリックではなくグリーンに近いケミカルな素材で、あまり香水の中では頻繁に使われるものではありません。その部分が薄れていくと、次第に香りは少しクセのあるフロリエンタル、バニラではなく樹脂香のオリエンタルへと引き継がれていきます。その中にアニマリックなテイストが感じられるのです。微かにスモーキーで、微かにフランキンセンスが香る。そして最後はビターなオリエンタルへと姿を変えていくのです。彼のラインの中では一番個性的で、一番ニッチなテイストを感じさせる香りなのではないでしょうか。

映画「羊たちの沈黙」の後、レクターはフィレンツェに身を隠し、書司として悠々自適な生活を送っていたとされています。その生活をしていたフィレンツェの館Palazzo Capponiにて、この香りの公開イベントが開催されました。その様子はこちらをご参照下さい。

 

 

そのイベントでは、招待された100名に、彼お手製のブラックボックスに赤く塗られた台紙と共に10mlの香水がギフトとして用意されていました。手の込んだ、でも手作りで温かみを感じる演出です。

(28/09/2018)

 

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