2005年、発売と同時に、その瑞々しい香りが話題となった製品です。ジョーマローンの中で最もフルーティーなんじゃないでしょうか。 桃の花というタイトルでありながら、香りは花ではなく果実です。

ジューシーで瑞々しい香り。付けた瞬間にピーチがスパークします。トップノートでその瑞々しさはすぐ収まり、少し苦味を伴った実に果実らしい香りへと変わります。このあたりが、流行系のピーチ香水と違うところですね。香りは飽くまでも優しく、ほんのりとしたフルーティーとなっていきます。うーん、こういう香りのシャンプーがあったらヒットしそうな感じがしますが、髪から香るには強すぎるか。とにかく、可愛らしいジョーマローンのピーチ系香水です。

(2008)

コヴェットガーデンで開催される朝市で香るフルーツと花の香りにインスパイアされて作り出された香り。昔の香りの印象と現行品は少し違い、以前よりもハニーノートが少し薄くなってグリーンノートが強まっている気がします。現行品は久しぶりに香るとその中に含まれているグリーンノートがかなり強いことに驚かされました。もともとピーチとグリーンという組み合わせは、合わせれば合わせるほどピーチが不味くなるという初心者ではまず手出しをしない上級調香です。もちろん、プロの調香師が手がけた香りですので、素人調香の不味さなど感じられるものではないのですが、その「危険」をうまく回避した調香として勉強になる香りだと思いました。

ピーチの香りはジューシーで美味しくて可愛らしい。でも、実はその土台になっているのはとても軽やかなフローラルノートたちで、フルーツとフローラルノートがたくさん詰め込まれています。1つ1つは合成香料たちですので説明してもなかなか通じないような成分ばかりなのですが、全体としてはさっぱりとジューシーで甘いながらも、持続せずに薄れてくれるというとても日本人好みなテイストですので、年齢問わず1つくらいは持っていたいと思わせてくれる香りなのではないでしょうか。

グリーンノートとピーチを合わせるというとても興味深いレシピが完成しましたので、5月はこの香りを再現していく調香体験セミナーを開催致します。Jo Maloneの香水がお好きな皆さん、是非香りの成分を知るともっともっと好きななると思いますよ♪

(10/04/2013)