70年代後半の商品なのかなぁ・・・と思っていたら、住所が大阪市都島区で鐘淵紡績株式会社になっています。都島区友渕1-3-80はすでに跡地となって住宅が立ち並んでいます。80年代の移転のようなのですが、そもそも鐘淵紡績株式会社という社名は1971年までなのです。ということは、上記のコロンは71年までに作られたもの・・・ということになります。古いはずですよね。ボトルはガラスではなく強化プラスティックのようで、押すと凹みます。

さて、この香りはどうなのかというととても軽いシプレです。確かにシプレコロンの香りですから、たっぷりのベルガモットにオークモスとパチョリを少し加えた雰囲気で、時間と共に微かなウッディベースが出てきます。香り自体は少し劣化している部分も感じられますが、まだまだ使える範疇であるのはプラスティックの内蓋がものすごくしっかりと密閉してくれていたからでしょうか。

この香りはコロンとして使用するだけではなく、おしぼりや下着に香り付けしたり、リネン用にも使用出来ると記載かるところを見ると広くリネンスプレーとして使用出来るコロンだったことがわかります。とても素晴らしい香り・・・というわけではないのですが、今の時代にこういったシプレのコロンは発売されていませんので、当時の時代背景を物語る貴重な香りだと思います。こういう香りが流行した時代あってこその現代なんですよね。

(29/07/2011)