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Sampleレヴュー

<Oud Caravanシリーズについて>
Basenoteにてフォーラムが賑やかになっていた彼のウードコレクションが昨年の冬に発売となりました。夏にはすでに始動していたシリーズで、もともとは中東の彼の顧客のために作り出したオリジナルが元になっています。70年代に中東を旅した彼にとって、そこで出会ったウードの香りは鮮烈なイメージとして焼きついていたようです。ここ数年のウードブームの香りたちを香ると、それは彼が中東で出会った香りとは似ても似つかない商品たちだったようです。それもそのはず、今のウードブームに乗って発売されている香水たちの多くは調合香料ですから。本物のウードの香料は激しく高価です。彼はその香料の中でもいろいろと取り寄せて香りを確認し、記憶の中のウードを再現するのに最適な最高品質のウードを探し出すことからはじめたそうです。産地や時期、ロットによって変わってしまうのが天然香料の不安定なところですが、彼はその中から香料を選び出し、記憶の中にある70年代のウードの香水たちを3つの形として作り出しました。

日本でも伽羅として香道で焚かれるその貴重なウードは彼にとってかけがえのない香料です。だって彼のブランド名はLa via del Profumo(香道)なのですから。オフィシャルサイトでは5.5mlというサンプルサイズから安く購入することが可能ですので、我こそは・・・という真のウードファンは是非、No.1をお試し下さい。古代エジプト時代の中東にタイムトリップしたかのような香りたちですよ。


■Oud Caravan No.1 (2011年)

ルビーはそのままでも美しいけれど、小さなダイヤモンドをあしらったゴールドのリングに合わせたらもっと美しいでしょ? というウードをより美しく感じられるようにした最初の香り。

これは凄い!! もう、あまりのアニマリックさにノックアウト寸前!! 臭気ギリギリのそのアニマリックさはついクセになって香ってしまうウードの香りとなって肌に広がります。ウードであることはウードなのですが、シダーウッドやサンダルウッドのようなおが屑っぽいノートがベースにあり、カストリウムとハニーが重なったような妖艶さを持っており、スパイスは3つの中で1番多いのではないでしょうか。一瞬「え?」と思う香りからゆっくりと素敵なウードに変化していきます。ラストノートは美しいのですが、トップには野獣が待ち構えていますので、興味本位で使うと大変なことになりそうです。余計なベースノートがないので、No.3よりも持続が短いのですが、最後まで少しレザーっぽいウードらしいウードを楽しめます。(21/02/2012)


■Oud Caravan No.2 (2011年)

BasenoteのOud projectのコメントを受けて手を加えたバージョンです。ラオス産のウード、フローラルノート、その他のウッディノートを加え、スパイスを減らした2つ目の香り。

No.1、3とは全く違うアプローチのウードです。確かに他のウッディノートの方が強くて、より使いやすく穏やかなウードになっています。サンダルウッドとオスマンサスとローズ(後はイランイランくらい?)が香るのですが、ミドル以降はNo.1の雰囲気に少し近づき、そこからまた離れて薄れて行きます。ウードよりもサンダルウッドの穏やかさが感じられるのがNo.2で、ラストノートにはオスマンサスアブソリュートっぽい残り香も見え隠れしています。No.1、3と比較するとサンダルウッドの強さが際立ちますが、単体で香るとしっかりウードなのだということが分かりますよ。No.1と3を香るといかにこの香りが彼にとって譲歩した「一般向け」であるかがわかります。こういった香りにすることも出来るんだけど、でも自分が作りたかったのはNo.1なんだ・・・と言いたかったのではないでしょうか。(21/02/2012)

追記訂正。ラストノートにふわりと香るフルーティーさはオスマンサスアブソリュートではなくチュベローズだったようです。(23/02/2012)


■Oud Caravan No.3 (2011年)

砂漠の民、ベドウィン族のプリンスの香り。それは激しすぎるトップノートを耐えられるライオンのような強さ(心)がないと使いこなせない香りです。ベドウィン族のとってのナツメヤシの木みたいなもの。トゲトゲで痛い場所を登らないと実が取れない・・・。この香りの良さはミドルからラストノートの広がりです。

というのがおおよその説明文の要約です。彼にとっての「本物のウード」とは市販品のにうな軽いものではなく、もっともっともっとダークでパワフルなものだったようです。No.1、2よりも高価なのはウードの香料がそれだけ多く使われているのでしょう。No.1を香った後、上記の説明文を読むと肌に乗せるのが躊躇われるのですが、基本的にはNo.1に近いです。こちらもアニマリックなのですが、カストリウムだけではなくてシベットのような気がします・・・。とにかく、しっかりとアニマリックなのに臭気ではない、というギリギリのラインですね。そこを過ぎるとベンゾインがどんどん強くなり、ベンゾインと他のウッディノートと重なったウードが肌の上で柔らかく広がりはじめます。ウードは隠れてしまい柔らかく甘いベンゾインとなって終わるのがNo.3で、最初は強烈な野獣だったのに最後は肌の上で甘えてる感じの香りです。(21/02/2012)

 

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