■Manoumalia (2009年)

1月に発売となった香りで、2008年のクリスマス辺りからスイスのオフィシャルサイトでサンプル無料配布のお知らせをしていたので、日本にも送ってくれるのかを問い合わせたところ快くOKして頂いて送って下さったものです。当初は1/14前後に配送、ということだったのですが、20日にずれ込んで到着は2月に入ってからでした。他にも申し込まれた方がいらっしゃることと思います。タイトルは造語だと思うのですがフランス領のポリネシアにインスパイアされたもので調香を手がけたのは最初の3種と違ってEdmond Roudnitskaに師事していたSandrine Videaultという女性(画像参照)。

プアケニケニ、ベチバー、ティアラフラワー、サンダルウッド、おが屑、イランイラン、アンバーアコード

南国的なフルーティーフローラルだと想像していたら全く違っていてびっくりしたのですが、トップではベチバーがベンズアルデヒド(アーモンド香)と共に香ります。イランイランやちょっとチャンパカっぽい精油感の強い香りなのですが、次第に少しぱパウダリー感が出てきてヘリオトロープとアーモンドという組み合わせになります。この間わずか10分程度。やはりそれ以降はアンバーノートも出てこず、ウッディも全面には出てこず、花の美しさやトロピカルな南国イメージもなく、ただただアーモンドとヘリオトロープが香るのです。アーモンドオイルっぽいと思えば南国的なのかなぁ・・・。(06/02/2009)


■The Unicorn Spell (2006年)

3つの香りの中で唯一のEDP。

スミレの花咲く森の中
ずっとあこがれていた星の輝きに
ミルキーなユニコーンの吐息を感じる夜明け前。

トップ:パラグアイぺティグレン、ヴァイオレットリーフ、ピンクペッパー
ミドル:ヴァイオレット、ナルシス
ベース:ホワイトムスク、アンバー、スティラックス

タイトルはユニコーンの魔力のような意味なのかな。一言で言うとヴァイオレットです。アニックのヴァイオレットよりも香りが薄くてヴァイオレットにアイリスとサンダルウッドを重ねたようなふんわりとした優しい香り。とてもきれいなパウダリーフローラルウッディなのですが、それ以外が見えてこないために深みとか技巧的な感じはしません。アイリスとヴァイオレットのシングルノートという印象です。ただ、青さはないので最後まで優しい雰囲気ですね。香るほどに良い香りで、やっぱりアイリスとヴァイオレットは好きなのだということを思い出させてくれます。(06/02/2009)


■Let me Play the Lion (2006年)

埃っぽい香り
ほの甘い黄土の香り
日差しを浴びた樹の香り
温かなそよ風がもたらす静けさ
どこまでも続く青い空は嵐の前兆を思わせる。

トップ:ベルガモット、アニス、インセンス
ミドル:オールスパイス、コーヒー、ミルラ
ベース:ファーバルサム、シダーウッド、アンバー

ユニコーンの次はライオンです。シェークスピアの真夏の夜の夢にインスパイアされたそうなのですが、基本こちらはスパイスとインセンス、ウッディに少し甘さが加わった感じです。ライトオリエンタルな雰囲気で、インセンスが良く出ているためにメンズ寄りのユニセックスという雰囲気です。真夏の夜の夢という雰囲気は感じられませんし、上にあるような詩的な感じもわかりません。なんとなく、暖炉の前にいる･･･という雰囲気がするんですけど・・・。時間とともにインセンスっぽさが消えてほの甘いアンバー調のオリエンタルになりました。でも香りは強くないです。基本的に儚げな感じが多いのかな。(06/02/2009)


■L'Antimatiere (2006年)

相反する物質というタイトルの香り。

トップ:オークモス
ミドル:ムスク
ベース:アンバー

とても薄い香りで、金属的な香りとマリンノートではなくて塩の香りがします。とても良い香りとは言えない合成っぽい香りで、説明にはリネンとかシーツとか見えないインクの滲みのようなものがありましたので、そういう微かなものを集めた感じなのかな。ちょっと香水としては楽しくないです。じっくり香っているといろいろな要素が出てくるのですが、それでもはっきりとしません。少し苦味を持ったハーブ(アンジェリカとか)なんかも感じるなぁ。輪郭がぼやけてしまっていて、機軸のない香りです。やっぱり楽しくはないなぁ・・・。オークモスなんて全くわかりません。(06/02/2009)