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Masque Milano / マスク・ミラノ




Sampleレヴュー

 

イタリアはミラノのコスメブランドです。生粋のミラノ人であるRiccardo Tedeschiとアッシジ生まれのAlessandro Brunがヴェネツィアのカーニヴァルのマスクから名前をとって2010年に立ち上げたブランドで、2012年秋、Masque Cosmeticsの2つの香水でデビューしました。ところが、2013年には新たにニッチなフレグランス市場に向けたMasque Fragranzeを発売したのです。当初の2つの香りはスキンケアとラインになって発売されていたのですが、それとは全く別に発売した香りたちの方が展示会では話題となり、早くも世界進出を成功させました。やはり時代はコスメとのラインではなく、高級市場に向けたハイエンドフレグランスなのでしょう。

2人は好きなことが似ているそうです。デザイン、天然素材、旅行、音楽、読書・・・そして手作りすること。でも、調香は自信では行っていません。今までの自身の経験を元に商品プロデュースをしようとした際に、オーケストラのようなイメージが広がり、香料は俳優たちだと位置づけたのです。主役を輝かせるためには脇役の力が必要であり、その場の空気感がが生み出すところが大きいのですが、それを香水に当てはめてMasque Fragranzeとしたのです。オペラ大国のイタリアらしい発想ですよね。

 


photo by pitti fragrance 11

 

Riccardo Tedeschiは吹きガラス職人の父の元で繊細なガラス細工と美しいものに囲まれて育ち、青年期にはロックとブルースを愛した音楽青年に。ミラノ大学では経営学を学び、イギリスで数年学んだ後になんと、理工学の教授となります。各国で講義する日々を送りながら経営学を学んだ者として、成功している大企業を分析していくうちに、自身でニッチな市場にたどり着き、香水という分野での成功を夢見て起業したようです。1万人が好む香りを作るのではなく、やはり少数派の香りを作ることがこのブランドらしさだと言いますから、近年のニッチな市場に共通する考え方ですよね。

一方のAlessandro Brunは25歳までを田舎で育ったという純朴そうな方で、ギター好きな彼はペルージャの大学で機械工学の修士号を取得します。彼の人生に大きな影響を与えたのはイタリア人らしく女性の存在で、オーストラリア人女性と恋に落ちたことであっさりとオーストラリアに行ってしまいます。ところが、その後に彼女と別れて戻ってきたミラノでコンサルタントの仕事に就いた最初のクライアントがLVMHグループだったのです。そこで香水の業界について詳細を学ぶこととなり、後にミラノでRiccardoと出会い、運命が変わっていくのです。人と人の出会いって不思議だけど楽しいですよね。

実際にイタリアで発売前に展示会で見た時には、コスメブランドとしての印象の方が強かったため、しっかりと見ることなく過ぎてしまったのですが、サンプルにてレヴューです。(12/03/2014)

Pitti Fragranze 12にてお2人にお会いすることが出来ました。展示会中、あっちこっちで顔を合わせる度に会釈をしてくださったとても紳士なイケメンコンビで、ブランドとしての人気が加速したのもうなずけます。やはり作り手が魅力である、というのは大きなポイントですよね。サンプルのパッケージやカードもとても凝っていて、ボトルも実際に手にとって見ると高級感たっぷりですので、価格は高めですが、目指しているラグジュアリー感は伝わってきました。(18/09/2014)

 

 

2016年のEsxenceにて新たなボトルがお披露目となりました。35mlのこのボトルは、よりラグジュアリーな商品展開を目指し、100mlボトルのキャップのデザインを少し踏襲したものとなりました。キャップの下にある円盤も以前のまま。この底の厚いボトルがとてもラグジュアリーだよね、という意見で一致したのですが、RomanzaとL'Attesaがそれ以前のものと比べて原価が高くなってしまったことが要因だったよう。ものづくりを極めていくとどうしても割高な香料を使用することになってしまう・・・と。明らかにRomanzaとL'Attesaは品質が良いのですが、7作作るようになった過程の中で欠片のプロデュース力がアップしたのではないかと伝えました。調香師がフランス人だったりイタリア人だったり様々だけど、意思疎通という問題はなかったそう。英語で会話ができますから。でも、最初の4種よりRussian Teaの方が良く、それよりRomanzaの方が良いわけですから。フレグランスファンの欲しい香り、喜ぶ香りというマーケティングが出来てきたことと、品質と内容がマッチしてきたのが理由ではないかと思います。一流調香師を起用したとしても、プロデュースする側の好みで駄作になることも多いわけですから。

100mlの既製品の価格は150ユーロと170ユーロで変更はないのですが、35mlボトルを追加して、そちらはTerralba、Montecristo、Luci Ed Ombreが108ユーロ、Russian TeaとTangoが125ユーロ、そしてRomanzaとL'Attesaが138ユーロで発売に。(13/06/2016)

少しずつ、ゆっくりと100mlのボトルが35mlに変更されています。Times SquareMandalaは夏頃の発売で、年内に全ての香りが35mlへと切り替わるそうです。(28/04/2017)

Le Donne di Masqueの香りが100mlだけでなく35mlと10mlが追加になりました。その他の香りも全て10mlが追加に。(04/12/2020)

2024年2月20日、Alessandro Brunの訃報が届きました。享年50歳。とても残念で悲しいばかりの訃報です。心よりご冥福をお祈りいたします。(20/02/2024)

 

レヴュー済みのものはタイトルにリンクあり
Masque Fragrance
第1幕1場 Terralba (2013年)
第1幕2場 Montecristo (2013年)
第1幕3場 Russian Tea (2014年)
第1幕4場 Times Square (2017年)

第2幕1場 Luci ed Ombre (2013年)
第2幕2場 Mandala (2017年)
第2幕3場 (homage to) Hemingway (2018年)
第2幕4場 Kintsugi (2019年)

第3幕1場 L'Attesa (2016年)
第3幕2場 Romanza (2015年)
第3幕3場 Love Kills (2019年)
第3幕4場 Tango (2014年)

第4幕1場 Lost Alice (2021年)
第4幕2場 Ray-Flection (2020年)

第5幕3場 Sleight of Fern (2022年)
第5幕5場 White Whale (2022年)

Le Donne di Masque
Madeleine (2020年)
Petra (2012/2020年)
Dolceacqua (2012/2020年)

Masque Cosmetics
Petra (2012年) *廃番
Dolceacqua (2012年) *廃番

Red Collection
Russian Tea Oud (2023年)
Mandala Oud (2023年)
Love Kills Oud (2023年)
Tango Oud (2023年)



Special Thanks (Sample提供) ■Masque Milano (from Milano)
Official >>> イタリア語、英語、ロシア語
Shopping >>> Luckyscent (US), Aus Liebe zum Duft (First in Fragrance) ※International shipping 〔OK〕
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