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Karagoz / カラギョズ


<香 調> フルーティーオリエンタル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 50ml
<濃 度> Extrait de Parfum

トップ
パイナップル、ブラックグレープ、ブーケガルニ
ミドル
ネロリ、ジャスミン、パチョリ
ラスト
ベチバー、ウード、アンバー



 

2003年、UNESCOの無形文化財に指定されたトルコの影絵劇、カラギョズをテーマとした3つの香りのシリーズ。黒い瞳を意味するカラギョズは主人公の名前ですが、それが影絵自体の名前となりました。1326年にオスマン帝国最初の首都となった古都ブルサに伝わる伝統的な影絵劇で、二代目のスルタンの時代に始まったとされています。

カラギョズ自体もブルサでモスクの建設に携わっていた労働者がモデルとも言われ、ハジワットとの楽しい掛け合いで一般常識、道徳などを伝えていくという風刺的要素のあるコメディータッチの物語。登場人物はカラギョズとハジワットがメインですが、サブキャラが豊富で、それぞれ特徴があるため、今後のシリーズ化も期待出来そうですよ。ちなみに、全てのイラストはスペイン在住のYukiko Reesさんによるもの。ステキですよね。

 

 

その3つが展示会で公開となりました。展示会ではラクダの革で出来た人形を操ってお二人が楽しませてくれました。 3つの香りはそれぞれ特徴があり、違いがありますが、僕が一番気に入ったのは主人公であるカラギョズでした。

 

 

 

■Karagoz (2017年)

物語の主人公であり、影絵の名前にもなった登場人物。3種の中では一番男性的で、ブラックボトルでの発売となりました。キャップもこのシリーズは他と違っているんですよ。


Illustrated by Yukiko Rees

 

トップ:パイナップル、ブラックグレープ、ブーケガルニ
ミドル:ネロリ、ジャスミン、パチョリ
ベース:ベチバー、ウード、アンバー

香りはトップのフルーツが印象的なフルーティーオリエンタルで、可愛らしいフルーティーさではなくパウダリーなアイリスとパチョリにアクセントを添えているような香りとなっています。少し懐かしさを感じるほど、昔のメンズの香水に使われたニュアンスがベースにあるのですが、それはフゼアではなく、トニック系でもなく、フルーティーなオリエンタルに通じる香りなのです。ウードもアンバーも強く前に出ることはなく、明るいフローラルノートも鳴りを潜め、少しグリーンの効いたウッディへと変化していきます。全体的にはアイリスやパチョリの部分が強く感じられますが、続くアンバーウッディな残り香は物腰の柔らかな紳士といっところ。この肌に残るアンバーグリスノートは流行系の香りです。

(03/04/2017)

 

 

 

■Hacivat (2017年)

登場人物二人目は、ハジワット。どのようなコンビなのか、香りもコンビになっているのかがポイントですよね。ホワイトボトルでの発売となりました。

 


Illustrated by Yukiko Rees

 

トップ:ベルガモット、パイナップル、グレープフルーツ
ミドル:ジャスミン、パチョリ、シダーウッド
ベース:クリアウッド、オークモス、ティンバーウッド

ムエットで試した時はこちらもとても好みなテイストだったのですが、オレガノやタイムにスパイスを合わせたようなアロマティックなニュアンスの香りが、たっぷりのシトラスを従えて香り、その後はゆっくりと軽やかなアンバーウッディノートへと切り替わっていきます。ベースにあるクリアウッドは近年とても人気のあるパチョリ系のクリアなウッディノート、ティンバーウッドもクリアなアンバーウッディノートです。その2つのウッディノートがシトラスやパチョリと共に、微かなオークモスを添えて肌に残るというのが全体像。やはりカラギョズとはコンビだという香りで、ベースノートには共通するテイストが感じられるのですが、こちらの方がクセが少なくより柔らかです。

(03/04/2017)

 

■Zenne (2017年)

彼女はとてもおしゃべりで、男好きだというキャラクターです。こちらはやはり女性ということでレッドボトルでの発売となりました。

 


Illustrated by Yukiko Rees

 

トップ:グレープフルーツ、ブラックカラント、ルバーブ
ミドル:トルコローズ、ガーデニア、サンダルウッド
ベース:バニラ、アンバーグリス、ムスク

香りはジューシーなグレープフルーツと、ストロベリーのようなしっかりとした甘さをもったレッドフルーツで始まります。かなりフルーティーで可愛らしく、ブラックカラントの酸味が少しフルーティーさを大人っぽくセクシーにしているかな、という感じ。でも、このフルーツはトップを賑やかに彩った後、ゆっくりとローズを従えてフルーティーフローラルムスクへと変化していきます。ブラックカラントはグレープフルーツの皮の苦みに通じますし、ルバーブの香りにも通じています。よって、相性抜群な3種をトップに配置したわけですが、その酸味とグリーンな苦みが持続をし、バニラの効いた仄かなウッディムスクへと受け継がれて消えていきます。

(03/04/2017)

 

 

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