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Papilefiko / パピレフィコ


<香 調> スパイシーアロマティックオリエンタル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 50ml
<濃 度> Extrait de Parfum

トップ
カルダモン、コリアンダー、シトラス
ミドル
ラバンジン、アルテミジア、ジャスミン
ラスト
ファーバルサム、モス、スティラックス



2022年発売。バタフライ効果のエスペラント語がタイトルに。非常に小さな出来事が、最終的に予想もしていなかったような大きな出来事につながるという、予測不可能な挙動を例えたカオス理論の言葉。つまり、この香りを通じて、何かしらな行動への欲求を刺激する、というもの。その行動が後に全世界に影響を与えるかもしれない、と。調香はDominique Ropionが担当です。

テーマが難しいため、香りも難解なのではないかと思われそうですが、カルダモンがドライに弾けてのスタートです。ドライではあるのですが、すでにバニラの甘さも香るため、アンバーバニラにカルダモンを加えたようなニュアンスで始まります。しかもカルダモンはアンバーグリスやアンバーウッディを増長させているようにも感じられるのです。カルダモンが一息つくと、今度はオークモスが効いたオリエンタルなベースへと引き継がれていくのですが、甘く仕立てられたモスはとても心地が良く、その心地良さの中にカルダモンの残り香がある種の違和感となって重なっています。調和の中にある不調和。香る度に少しずつ印象が変わり、ボトルを使い切る頃にはがらりと印象が変わっているかもしれません。4つの中では一番個性的な香り。

(14/07/2022)

 

 

2023年春、展示会の前にイスタンブールのNishane(オフィスと店舗)に立ち寄り、この香りを購入しました。その様子はこちらから。前年に発売されていたTime Capsule Collectionの4つの香りの中からこの香りを選んだ理由は、タイトルにありました。バタフライ効果です。今の日本で言うと、ジャニーズ問題がわかりやすいかと思いますが、小さな叫びが大きなうねりへと変化し、社会を動かしたわけですよね。奇しくも2月に大きな地震がトルコ南部を襲い、甚大な被害を受けたのみならず、被害のあまり及ばなかった地域への観光客も激減してしまった中、安全だから旅をしようとまでは言えないけれど、その情報が世界に届くようにと祈りをタイトルに込めたのでした。今のトルコで使うならこの香りだろうと。マルディンの旅はこちらから。

 

 

カルダモンの効いたアロマティックなスパイシーオリエンタルという全体の印象は変わってはいないのですが、トルコで使っていた際にはカルダモンが今までで一番マリン調に感じられていました。あれ? こんなにマリンっぽかったっけ? と思っていたら、帰国してから感じなくなったのですが、カルダモンにはマリン調に感じられる部分があり、マリンノートのアクセントとして広く用いられています。ラバンジンもアルテミジアも持続はせず消えやすいトップノートに近い香料ですが、カルダモンはグイグイとそれらをけん引するトップからミドルへと続く、長く香るスパイスです。時間と共にアロマティックさから抜け出してオリエンタルに溶けていくカルダモン。最後まで僅かな不調和に感じられる部分がありますが、計算された不調和は違和感にはつながらず、どこかしら歪んだ空気を感じさせ、最後は心地良いオリエンタルへと変化して落ち着きます。

ラベルには様々な都市の名がつけられるようになりましたが、この香りはReykjavikで、アイスランドの首都。またラベルの裏は黒く、ロゴだけが小さくプリントされています。キャップ上部のカラーもブラックで、背面から見ると、とても落ち着いた色合いに。

(04/10/2023)

 


 

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